-広島県と共同で平和の構築へ-フィリピン・ミンダナオ バンサモロ自治政府の公務員補補者第2回広島研修を行います

平成27年1月9日

-広島県と共同で平和の構築へ-
フィリピン・ミンダナオ バンサモロ自治政府の公務員補補者第2回広島研修を行います
~JICA草の根技術協力事業(地域経済活性化特別枠)~

 

広島大学は、広島県と共同で、独立行政法人国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業(地域経済活性化特別枠)「フィリピン・ミンダナオのバンサモロ自治政府人材育成事業~広島による平和構築の支援~」の一環として、バンサモロ自治政府の若い公務員候補者12人をミンダナオから広島に招聘し、下記のとおり研修を実施します。
ミンダナオでは、40年以上にわたってイスラーム武装勢力が独立や自治を求めて政府と紛争状態にありました。2014年3月27日に、新たな自治政府の設立などを含む包括和平合意がフィリピン政府とモロ・イスラーム解放戦線(MILF)との間で調印され、2016年にミンダナオ西部のバンサモロ地域に、「バンサモロ(イスラーム教徒の国)自治政府」が発足される予定で、長期紛争からの復興が始まります。第二陣となる12人は、約200人の応募者の中から本事業による厳密な選考を経て選抜された自治政府を担える各部門の優秀な公務員候補者であり、広島の復興、日本の広域自治体行政の仕組みや実務を学びます。
今回の人材育成事業は、広島大学の基本理念である「平和を希求する精神」と広島県の「国際平和拠点ひろしま構想」の下で、実際の平和構築に深く関与する新しい広島の平和構築支援となります。これまでの広島大学のミンダナオ和平への関与の経験を踏まえ、総合大学としての教育能力と研究能力、広島県の実務者の知識とスキルを駆使して、第二次世界大戦の激戦地にもなったバンサモロ地域に平和が定着するよう、広島から平和の尊さと復興を学び、住民が平和の意味を実感できる効率的な政府を実務的に運営できる人材を養成することを目指します。

1.日程
 2015年1月12日(月)~ 2月6日(金)

2.場所
 (1)広島大学大学院社会科学研究科(東広島市鏡山1-2-1)
 (2)広島県庁(広島市中区基町10-52)
 (3)国際連合訓練調査研究所(UNITAR)(広島市中区基町5-44)
 (4)広島平和記念公園(広島市)
 (5)尾道市
 (6)竹原市
 (7)東広島市

3.参加者
 バンサモロ自治政府の若い公務員候補者 12人(男性7人、女性5人)

4.研修事業内容
1/12~1/16 【場所】 広島平和記念公園、UNITAR、広島県庁、本学社会科学研究科
【実施内容】 (12日13時~17時(*))視察:広島平和記念資料館を視察し、広島の復興を擬似体験。国立広島原爆死没者追悼平和祈念館にて被爆者講話((1)被爆者ご本人、(2)ピースボランティアによる被爆経験談の語り)から戦争と平和の継承を学ぶ。(13日以降)講義(理論と実務の組み合わせ):「広島の復興」(広島県担当)、「UNITARが実施するアフガニスタン公務員研修からの教訓」(UNITAR担当)、「地方自治体行政の役割と職務」(広島県、本学教員担当)、「平和構築における自治政府建設事例」(本学教員担当)(金曜日に試験)

1/19~1/23 【場所】 広島県庁、本学社会科学研究科
【実施内容】 講義:実務家より「地方自治体人材育成」、「地域総合計画」、「農業振興計画」、「事業選定の実際」本学教員より「地域振興におけるアカウンタビリティ」、「地域振興財政論」実務家と本学教員により「地域開発における地方政府と中央政府との連携」広島県庁内視察(金曜日に試験)

1/26~1/30 【場所】 尾道市瀬戸田地域、竹原市、東広島市(予定)
【実施内容】 実地研修:「農山村振興実地研修」、「地域振興実地研修」、「住民窓口サービス実地研修」ワークショップ:「地域振興と広域行政」講義:本学教員より「教育を通じた開発」(金曜日に試験)

2/2 ~2/6 【場所】 本学社会科学研究科
【実施内容】 講義:本学教員より「選挙監視」実地研修:本学でシミュレーション総括ラウンドテーブル、総括プレゼンテーション、「地域行政」発表会(最終試験)

(*)広島平和記念公園での予定は、以下のとおりとなります。
 本件に関する連絡は、下記お問い合わせ先の携帯電話へご連絡下さい。
2015年1月12日(月)
 13:00-13:50 ピースボランティアによる被爆者講話 (国立広島原爆死没者追悼平和祈念館研修室3)
 14:00-14:50 広島平和記念資料館 視察
 15:00-15:50 広島平和記念公園 視察
 16:00-17:00 被爆者による体験談講話 (国立広島原爆死没者追悼平和祈念館研修室3)
            
(※)広島大学は、平和構築連携融合事業(*)の中心的課題として、2006年度よりバンサモロ和平問題に取り組んでいます。
(*)広島大学平和構築連携融合事業とは、ヒロシマという地のもつ歴史的な意義を自覚し、平和への強い目的意識を掲げつつ、総合科学としての平和構築学の確立を目指すとともに、ヒロシマが理念としての平和のみならず、より実践的な平和の拠点となるように活動する事業

お問い合わせ先

広島大学大学院社会科学研究科 香川 めぐみ
TEL:082-424-6936 FAX:082-424-7212


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