地球から1200万光年離れた渦巻銀河 M81を観測

平成27年8月3日

~超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Camで挑む銀河考古学~
地球から1200万光年離れた渦巻銀河 M81を観測

概要

広島大学宇宙科学センターの内海洋輔特任助教、上海天文台、国立天文台などの研究者からなる国際研究チームは、すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム、HSC)を使い、地球から1200 万光年の距離にある渦巻銀河M81の周囲の広域観測を行いました。従来の大型望遠鏡のカメラには視野に限りがあり、地球からおよそ1000万光年程度の距離にある銀河に対しては、銀河とその周囲に散らばる星の分布をとらえることが困難でした。今回、HSCを用いることにより、M81とそれに付随する衛星銀河の姿を広い範囲にわたって詳細にとらえることに、世界で初めて成功しました。
その結果、M81の周りで若い星の集団が、中性水素ガスの分布と重なるように広い範囲に分布していることを発見しました。M81は隣のスターバースト銀河M82、楕円銀河NGC 3077と強い重力相互作用をしており、その潮汐効果でM81から引き離されたガスの中で生まれた星々が、M81の周りを漂っているのだと考えられます。

この研究成果は、アメリカ天文学会の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』に掲載される予定です (Okamoto et al. 2015, "A Hyper Suprime-Cam View of the Interacting Galaxies of the M81 Group")。本論文のプレプリントは以下のURLから入手できます。
URL:http://arxiv.org/abs/1507.04889

写真、動画を含む研究成果の詳細は、すばる望遠鏡公式ウェブサイト(http://www.subarutelescope.org/j_index.html)に掲載されます。以下のURLから、事前に内容をご覧いただくことができます。内容は更新されることがありますので、あらかじめご了承ください。
URL:http://www.naoj.org/Press_folder/2015/0804/j_index.html

お問い合わせ先

<研究内容について>
広島大学宇宙科学センター
特任助教 内海洋輔(うつみ ようすけ)
E-mail:youtsumi@hiroshima-u.ac.jp(@は半角に置き換えてください)

※8/8までアメリカに出張中です。日本との時差は -13時間あります。時差にご配慮願います
※8/8までは、以下の連絡先でも対応いたします。

広島大学宇宙科学センター
センター長 吉田道利(よしだみちとし)
Tel:082-424-7371

中国科学院上海天文台
研究員 岡本桜子(おかもと さくらこ)
E-mail:sakurako.okamoto@gmail.com(@は半角に置き換えてください)
※日本との時差は -1時間あります。時差にご配慮願います

国立天文台ハワイ観測所
所長・教授 有本信雄(ありもと のぶお)
E-mail:arimoto@naoj.org(@は半角に置き換えてください)
Tel:+1-808-934-5964(研究室)
※日本との時差は -19時間あります。時差にご配慮願います

<すばる望遠鏡について>
国立天文台ハワイ観測所
広報担当サイエンティスト 藤原英明(ふじわら ひであき)
E-mail:hideaki@naoj.org(@は半角に置き換えてください)
Tel:+1-808-934-5922(研究室)
※日本との時差は -19時間あります。時差にご配慮願います


up