国際協力機構(JICA)「草の根技術協力事業」に採択 

平成27年8月11日

国際協力機構(JICA)「草の根技術協力事業」に採択事業名:フィリピン・ミンダナオのバンサモロ自治政府人材育成強化事業
~平和構築支援を通じたグローバル・ヒロシマの形成~

 

広島大学が広島県と共同で実施する「フィリピン・ミンダナオのバンサモロ自治政府人材育成強化事業~平和構築支援を通じたグローバル・ヒロシマの形成~」が、独立行政法人国際協力機構(JICA)「草の根技術協力事業(地域活性化特別枠)※1」に採択されました。

事業名:
フィリピン・ミンダナオのバンサモロ自治政府人材育成強化事業
~平和構築支援を通じたグローバル・ヒロシマの形成~

実施予定期間:
平成28年度(2016年度)〜平成30年度(2018年度)

実施体制:
プロジェクト・マネージャー 大学院社会科学研究科教授 吉田 修
日本側:広島県、広島大学
フィリピン側:バンサモロ開発公社(Bangsamoro Development Agency)

取り組みの概要:
本事業は、武力紛争から和平への移行期にあるフィリピン共和国南部ミンダナオ島及びその周辺島嶼部のバンサモロ地域を対象とし、2016年に見込まれるバンサモロ自治政府の発足を前に、同地域出身の若年層に向けた公正で効率的かつ住民第一の地方自治行政を遂行していくための人材育成を主眼としています。
また、「広島招聘スキルアップ研修」「広島招聘初修研修」「ダバオ選抜セミナー」などの多様なメニューを通じて、同地域に行政スキルを持つ若者の厚い層を構築し、バンサモロ政府を支える人的ネットワークの基盤とすることを目的に掲げています。
さらに、国際平和協力への理解促進に向けた活動も重視し、広島での研修期間中には、研修生による成果報告会の一般公開や、広島県内の高校生との交流機会を予定しています。

本事業の特色:
本事業の先行事業である「フィリピン・ミンダナオのバンサモロ自治政府人材育成事業~広島による平和構築の支援~」では、JICA、広島県と広島大学は、国際連合訓練調査研究所・広島事務所とも連携しつつ、バンサモロ政府の行政を担当する意欲を持った若者を公正・公平に選抜し、彼らによる行き届いた住民第一の行政サービスを提供できるスキルの習得を目指しました。その実績をもとに、本事業においても引き続き上記連携機関と密接に協力しつつ、「今後はさらに、バンサモロ社会の現実を意識し同社会に応用する能力や、彼らが後進を育成する能力を養成することが必要であり、復興経験と地方自治において優位性を持つ広島での能力強化研修に大きな意義がある」ことを強調しています。

プロジェクト・マネージャーの吉田修教授は、本学インキュベーション研究拠点「広島の知と経験を基盤とした実践的平和構築学確立のための研究拠点※2」のリーダーでもあり、本事業を通じて実務と研究との相乗効果による新しい実践的平和構築研究の提案が被爆地・広島からさらに発されることが期待されます。

【用語説明】
※1草の根技術協力事業(地域活性化特別枠)とは、日本のNGO、大学、地方自治体及び公益法人等の団体による、開発途上国の地域住民を対象とした協力活動を、JICAと共同で実施する事業です。

※2広島大学は、平成25年度に文部科学省「研究大学強化促進事業」に採択され、研究大学として大学全体で研究力強化に向けた取組を実施することで10年以内に世界トップ100位以内の大学となることを目指しています。その一環として、明確な目標を掲げ、世界トップレベルの研究活動を展開できる「インキュベーション研究拠点」を平成26年度に6拠点選定し、「広島の知と経験を基盤とした実践的平和構築学確立のための研究拠点」はそのひとつです。大学の基本理念「平和を希求する精神」を実践する研究拠点として、さまざまな研究と実務を行っています。

お問い合わせ先

大学院社会科学研究科 吉田 修
Tel:082-424-6936 FAX:082-424-7212
E-mail:oyoshid@hiroshima-u.ac.jp
(@は半角に置き換えてください)


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