呼吸音を可視化する電子聴診器を開発

平成28年2月15日

記者説明会(2月16日13時00分・広島市)のご案内
呼吸音を可視化する電子聴診器を開発

 

広島大学病院の大下慎一郎講師、貞森拓磨助教、福島県立医科大学の谷川攻一副学長らの研究グループは、パイオニア株式会社と共同で、呼吸音を迅速かつ正確に評価できるコンピューター化電子聴診器を開発しました。

呼吸音評価は主観的であり、正確な評価をするにはトレーニングを必要とします。その上,国際基準では呼吸音の周波数定義に重複があることも呼吸音評価を困難にしています。
今回、研究グループは音の長さ・周波数・強度からなる予測推定値を用い、ブラインド信号源分離法(観測された混合信号を分離して、混ざり合う前の元の信号を推定する技術)によって呼吸音の解析を行いました。また、生体から採取しデータベース化しておいた呼吸音テンプレートとの一致度を照合する手法を用いることにより、解析性能の迅速性・正確性を向上させました。
これらの解析法を用いることにより、重複する呼吸音であっても迅速・正確に分類しうる呼吸音解析システムを構築することに成功しました。
さらに,呼吸音解析結果の表示には,ペンタゴン図(レーダーチャート)を採用し、可視化することで初心者にとっても直感的に理解しやすい手法を用いました。
医学教育、集中治療室・手術室における呼吸モニタリング、気管支鏡・消化管内視鏡などの侵襲的処置時の呼吸モニタリングとして有用と考えられるほか、電子カルテへの保存においても有用性を発揮すると期待されます。

本研究成果はInnovation in Analysis of Respiratory Sounds(呼吸音解析における革新)のタイトルで、2016年2月16日17時(米国東部時間)、米国の医学誌Annals of Internal Medicineのオンライン版に掲載されます。

図

本件につきまして、下記のとおり、記者説明会を開催しご説明いたします。
ご多忙とは存じますが、是非ご参加いただきたく、ご案内申し上げます。

日時: 平成28年2月16日(火) 13:00~14:00
場所: 広島大学霞キャンパス 臨床管理棟2階 2F1会議室
出席者: 志馬 伸朗 (広島大学大学院医歯薬保健学研究院 教授)
 大下 慎一郎(広島大学病院高度救命救急センター 講師)
 貞森 拓磨 (広島大学病院集中治療部 助教)

キャンパスマップ
本件に関するお問い合わせ先

広島大学大学院医歯薬保健学研究院
応用生命科学部門 医学分野 救急集中治療医学
Tel:082-257-5456(※平日昼間)

大下 慎一郎(おおしも しんいちろう)
E-mail:ohshimos@hiroshima-u.ac.jp

貞森 拓磨(さだもり たくま)
E-mail:sadamori@hiroshima-u.ac.jp

記者説明会に関するお問い合わせ先

広島大学学術・社会産学連携室 広報グループ
三戸 里美(みと さとみ)
TEL:082-424-3701 FAX:082-424-6040
E-mail:koho@office.hiroshima-u.ac.jp


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