2026年度地域の元気応援プロジェクト 採択プロジェクト

ミツマタの紙すきじゃけえ

  • 資源を守る会、人間社会科学研究科 伊藤 奈保子

「広島県安芸高田市のミツマタの植林・和紙の復活+新しい工芸作品の制作→中山間地域の再生・地域循環型社会形成」をコンセプトにおく。地元「資源を守る会」と広島大学伊藤研究室の学生が中心となり、広島県の工芸職人と地域専門家・行政等が協力し、ミツマタの植林と和紙の復興、そして新しい工芸品の制作を目指す。
 安芸高田市甲田町は、ミツマタが自生する環境適地であり、和紙産業が展開された地域である。しかし令和の現在、鑑賞花として観光に位置づけられている。2024年度から採択された本プロジェクトでは、現地の文献資料による歴史的・社会的背景を踏まえ、所属メンバーがミツマタの植林・皮はぎ・乾燥・トロロアオイ制作等1年をかけて行い、石州和紙(ユネスコ無形文化遺産登録)職人達による指導より手すき和紙制作まですすんでいる。2026年度は和紙の完成度を高め、制作を試みたい。伊藤研究室では2019年度より広島県伝統工芸品による黒谷茶るま(三原だるまの茶入れ)・宮島轆轤(ろくろ)細工木象嵌豆だるま盆・三窯元による宮島焼茶器を各協力の元制作し、作品は広島駅「広島大学きてみんさいラボ」で展示され、道の駅等で販売されている。今回の製品化も各協力の元、期待が持てる。

重要伝統的建造物群を活かした居場所及びまちづくり:宮島の生活・伝統文化の展示・体験に着目して

  • 宮島中江町活性化協議会、先進理工系科学研究科 田中 貴宏

宮島は年間400万人以上の観光客が訪れる、広島県かつ全国代表的な観光地である一方で、観光の空間・時期的不均、人口減少、空き家の増加、伝統行事の維持困難など地域固有の課題を抱えている。昨年のプロジェクトでは宮島の伝統文化の維持・伝達に関する研究を行うだけでなく、重要伝統的建造物(以下、重伝建)の活用を行った。その結果、観光客だけでなく住民のための居場所も求められている可能性が示唆された。しかしながら、重伝建をどのような用途として活用すべきか、地域住民・経営者の意向については明らかになっていない。また多様な学生団体が関わる中、地域における将来ビジョンも策定されておらず、方向性が統一されていない。そこで本継続プロジェクトは、重伝建の活用方法やそれを活かしたまちづくりを行うことで、観光客と地元住民が共存した居場所の創出や関係人口の増加を促すこと目的としている。

くらす×つながる!Hiroshima「街」プロジェクトvol.2~若者と未来をつなぐ定住・多文化共生の仕組みづくり~

  • くらす×つながるプロジェクトチーム(株式会社良和ハウス)、ダイバーシティ&インクルージョン推進機構・人間社会科学研究科 櫻井 里穂

広島県における課題(人口流出、少子高齢化による空き家問題、多文化共生など)の解決策を、大学(教員・学生)と良和ハウス協働で調査し、さらに地域とかかわり、解決案を発信していく。多文化共生の課題を理解し、その現状や改善法を地域とも共有するなかで、若者にとっての「暮らしたい・働きたい・関わり続けたいまち」にするための、解決の糸口を探り、 共生社会の実現に向けた課題や広島の在り方を探る。
また、本プロジェクトは、学生の社会貢献を促す側面も持ある。1年目は、主に、本事業の課題(とくに多文化共生に関する課題)発掘のためのツール(調査項目)の開発とインタビューの実施を通して、地域(貸主側、借主側)とつながった。そして2年目は、外国人定住者側の母国での住居環境やくらしや文化をさらに深く検証し、その知見を地域に還元するなかで地域と広くつながる予定である。
なお、本事業は、多文化共生に関する、さまざまな具体的な事例を検証し、一般化できる概念の生成を目指す、帰納法的研究(Inductive Research)のスタンスをとる。

伝統芸能に恵まれた安芸高田における広大オペラと舞台芸術の力による地域の元気づくり--古くからの文化・施設を活用した地域イノベーションに挑戦 !!    ----

  • 一般社団法人地域QOL研究所、人間社会科学研究科 大野内 愛

「広大オペラの中山間地域での活動+地域の芸能・演舞+古き良き施設(文化財)→中山間地域の賑わい持続可能化」をコンセプトにおく。広大オペラの学生・教員が中心となり広大オペラが制作しているオペラの引越公演を活動内容とした地元の「芸能・演舞」の組織との交流を実施する。中山間の芸能としての神楽、子ども歌舞伎、五龍太鼓、ひょっとこ踊り、人形師辻村寿三郎等とが可能な範囲で文化を共有し交流する。この交流の中で、文化財を生かした広大オペラの参加による相乗効果から地域の元気を創造するとともに、本物に触れる機会を地域に提供する。地域の多くの子どもたちの参画を図り、本物に触れる貴重な体験を数多く実現する。これにより地域としては、地域での文化形成、継承に資する人財育成を期待する。
この活動を内外に発信し、共感を呼びかけ、成果として関係人口の増大という指標を基に地域のうるおいを実現化する。広大オペラは、過去3年間、呉市倉橋島での地域元気応援プロジェクトの実績があり、この実績を中山間地域へ水平展開することも期待している。

広島をひとつの自然史博物館に―自然と暮らしを記録するワーキングネットの実践―

  • 特定非営利活動法人西中国山地自然史研究会、総合博物館 清水 則雄

広島県には県立の自然史博物館がなく、標本・資料・知識・人材が地域ごとに分散している。そのため自然史の記録や継承の基盤が弱く、活動同士の連携も十分ではなく標本・資料・知識・人材の散逸と静かな消滅が地域課題として存在する。
本プロジェクトでは、県内各地に点在する自然史活動の拠点や人材をつなぎ、広島大学の研究資源や学生の参加を得ながら、広島県全体を「ひとつの自然史博物館」のように機能させる取り組みを進める。
その手法として、複数年にわたって目標を共有し具体的な活動を共同で進めるワーキングネット(実践型ネットワーク)を運営する基盤構築を行いたい。

広島都心部におけるウォーカブル空間デザイン-社会実験とデザインガイドライン作成-

  • 広島都心会議、先進理工系科学研究科 田中 貴宏

広島都心部は、人々が集まる場、そして地域の経済の中心地としての役割が求められており、その実現のための方策のひとつとしてウォーカブル空間創出が必要と考えられている。そこで、本プロジェクトでは、広島都心部のまちづくりの調整・支援を行っている広島都心会議と、広島大学(都市・建築計画学研究室)が協働で、まずワークショップを通して「広島都心部のウォーカブルとは何か?」の明確化を行い、それに基づき、ウォーカブル空間デザインの案を作成する。その後、エリアのポテンシャル分析、社会実験を行い、ウォーカブル空間デザインによる効果(賑わい、人々の流れ、行動の変化)を明らかにする。そして最終的には、それらの成果をもとに、広島都心部におけるウォーカブルな空間の創出に向けたガイドライン(案)を作成する。

地域の木で未来を組む『タイニーハウスで林業、木工、多世代交流の再構築』

  • 広島タイニーハウスプロジェクト、先進理工系科学研究科 角倉 英明

本団体は、家具製造業を営む(株)サクラサクを中心に設けられたプロジェクトチームであり、広島県産の杉や桧の間伐・皆伐材を利用して、子どもや女性、高齢者などでも簡単に組み立てられるタイニーハウス(小さな小屋)を開発・普及する活動を行っています。本プロジェクトは、このタイニーハウスの開発を通じて、地域の森林資源の循環と林業・製材業・木工業の活性化を図るだけでなく、地域の山林や広場での組み立てワークショップや子供たち等との交流を通し、世代を超えて地域に深く関わる「関係人口」の形成と地域活性化をシームレスに実現することを目的にしています。

基町アパートみせる収蔵庫-本当は手放したいでも手放せないものや記憶を地域の文化資源へ-

  • 6コア自治会、先進理工系科学研究科 角倉 英明

本プロジェクトは、1990年代から放置されてきた基町第6コア周辺の地下倉庫を、地域に蓄積された物品・語り・行為の痕跡を収蔵・展示・共有する「見せる収蔵庫」として再編し、閉ざされてきた地域の記憶を運用する試みである。対象となるのは、地下倉庫に残された備品、生活道具、祭礼具、自治会活動に関わる物品であり、それらに付随する住民の語りや地域活動の痕跡である。これまで残置物や不要物と見なされてきた物品を、基町の暮らしや共同体の履歴を伝える文化資源として捉え直し、整理・展示・共有することで、地下倉庫を「忘却された物品の保管場所」から「地域の記憶を語り直す場」へと転換してきた。今年度は、この実践を自治会内の整理・展示活動にとどめず、住民や外部協力者も担うことのできる運用体制へ移行させる。ツアーガイドの育成や他地域の収蔵・継承事例の視察を通じて、周縁化された物品や記憶を、地域の中で共有・継承し、さらには尊厳をもって終えるための仕組みを検証する。

千田地区おせっかいMAP作成プロジェクト~地域と学生が連携した千田地区の魅力の発掘・発信~

  • 千田地区まちづくり検討会MAP制作チーム、先進理工系科学研究科 田中 貴宏・人間社会科学研究科 永山 博之・人間社会科学研究科 小林 悠太

・法学部の移転から3年、千田地区は活気を増す一方で、学生と地域のつながりが希薄である。
・このため、本プロジェクトでは学生を中心に、地域の企業・団体と共にマップの企画から地域内での取材を行う。取材の際は、「まち歩き」のイベントとして学生・転入者が必要とする新しい情報を収集する。
・ワークショップでの選定を経て、2027年4月頃に紙媒体と電子媒体でマップを配布することを目指す。制作過程での交流を通じ、新入生・転入者の新生活支援と地域活性化を図る。定期的な更新により地域との関係を継続し、千田地区の活性化を永続的なものとする。

乳幼児(新生児~6歳まで)と妊婦と発達障害児のいる家族を守るための「配慮型避難所運営」と「地域リーダー育成」プロジェクト

  • こども子育て防災アドバイザー研究会、医系科学研究科 加古 まゆみ

こども子育て防災アドバイザー研究会は、これまで人材育成や地域での啓発活動、訓練への参加やアドバイスなどを行った。防災リーダーが活動する中で、乳幼児や妊婦さん、発達障害のお子さんが、避難所で安心して過ごせるように訓練を行いたいという声があった。また、当事者や地域リーダーからも、災害時に避難できる場所があるのか、不安に思っているとの声があった。乳幼児と妊婦、発達障害など障害児が、安心して避難所に行けるようにするための、避難所の在り方を訓練を通して考えて行く機会を設けることとした。また、平時からこのような対象者に関わることのある看護師・保健師や助産師、養護教諭の教育を受けている学生や、教育に携わる教員と一緒に取り組むことで、地域の防災力をあげていきたいと考え、本プロジェクトを企画した。

大学生ユースワーカー育成プロジェクト

  • 一般社団法人ひとむすび、人間社会科学研究科 松田 弥花

本プロジェクトは、東広島市の中心市街地をフィールドに、子ども・中高生と関わることのできる大学生ユースワーカーを育成し、まちなかに多世代・異年齢交流の場をつくることを目的とする。
東広島市には多くの大学生が暮らしているが、大学生と地域の子ども・中高生が日常的に関わる機会は十分とは言えない。一方で、近年は不登校や複雑な家庭環境で育つ子どもが増加しており、学校・家庭だけでは十分な支えを得られない子どもへのアプローチが地域課題となっている。こうした子どもたちにとって、親でも教師でもない、少し年上の大学生と関わる「ナナメの関係」は、安心感や地域への愛着を育む重要な機会となる。大学生の数が多い学園都市という東広島市の特性は、こうした関わりを地域ぐるみで生み出せる大きな強みである。
今年度本プロジェクトでは、1回1時間程度×5回の大学生ユースワーカー育成カリキュラムを作成し、西条中央公園での「あそびの場」や「ダイドコロプロジェクト」等を実践の場として、年間5〜6回程度の活動を行う。(あそびの場:遊びを通じて子どもたちと大人・大学生が関わり合う場、ダイドコロプロジェクト:オープンな子ども食堂として公園での炊き出しと子ども遊びを実施)大学生は、子どもとの関わり方、場づくり、安全配慮、振り返り方をカリキュラムで学びながら、実践の場であるイベントを通じて実際に子ども・中高生と関わる。これにより、子ども・中高生にとっては地域の中に安心できる居場所と身近なロールモデルが生まれ、大学生にとっては地域の中で役割を持つ経験を通じて、自己効力感、自律性、シビックプライドの醸成につながる。
将来的には大学生のユースワーカーを西条中央公園だけでなく、市内の地域センター、子ども食堂、放課後児童クラブ、不登校支援の場などに展開し、東広島における子ども・若者支援と地域人材育成のモデル形成を目指す。

まちを「つなぐ」西条未来共創プロジェクト― 西条酒蔵地区からはじまる地域対話と将来像づくり ―

  • まちつなぎ、先進理工系科学研究科 田中 貴宏

本プロジェクトは、西条酒蔵地区を含むエリア全体の今後のまちのあり方について、地域住民、酒蔵、商業者、学生、行政など多様な主体が対話しながら、地域の将来像を共に考えていく活動です。
任意団体「まちつなぎ」が中心となり、広島大学の学生・研究室と連携しながら、調査、ヒアリング、まち歩き、ワークショップ等を通じて、地域課題や地域資源を“見える化”し、将来のまちづくりにつなげていきます。

継続事業: 国産ライム産地形成による瀬戸内の小さな島々の活性化~ 一緒に、瀬戸内・広島の「緑の『玉』」を「緑の「『宝』」に育てあげ、美食の日本をびっくりさせましょう!Vol.2 ~

  • 中国ターミナルサービス株式会社「瀬戸内ライム研究所」、統合生命科学研究科 細野 賢治

2026年度は、2025年度に構築した3つの実施体制(①インターンシップ、②大学生協・学生組織との連携、③その他プログラム)を継続・発展させる。
①インターンシップの深化 
農作業体験・収穫体験・技術視察・観光視察・企業向けサステナビリティ研修を継続しつつ、学生が地域資源の価値を自ら発信できる力を育む内容へと発展させる。
②商品・メニューの継続的な展開 
2025年度に開発したパウンドケーキ・クッキー・グミ等の加工品および学食ペアリングメニュー3品の開発を通じて得られた知見を発展させ、大学生協・学生組織にご協力いただきながら継続的な改良・新メニュー開発・販売促進を行う。
③情報収集と価値発信の強化 
国産ライムの多角的な活用可能性について情報収集・整理を行うとともに、イベント出展・報告書等を通じて成果を広く発信し、関係人口・交流人口の増加を図る。

優しい心でつながる絵本プロジェクト ―障がいのある人とない人をつなぐ地域共生の架け橋に―(きよさんガーデンプロジェクト)

  • きよさんガーデンプロジェクト、ダイバーシティ&インクルージョン推進機構 川合 紀宗

障がいのある方や高齢者の体験談・人生の歩み・人との出会いを題材とした絵本制作と地域交流イベントを通じて、障がいの有無を超えた相互理解と共生社会の実現を目指すプロジェクトである。「きよさん」シリーズの絵本制作(第3巻~第6巻)、作成した本の読み聞かせ、福祉体験イベント、交流企画等を実施し、地域住民、子ども、学生が楽しみながら障がい理解と多様性について学ぶ機会を創出する。

東広島市の新たな特産品‼「焼き米」販売で地域の農業と子供達の未来をつなぐ!

  • 一般社団法人ひろしま農育プロジェクト、人間社会科学研究科 李 受珉

広島大学の学生(当時)が地域農業の振興のために製造~開発に挑戦した「焼き米」。
東広島市の新たな特産品として更に認知を向上させ、売上の一部を生活困窮の子育て家庭に無償で宅食事業に充てていきます。
「焼き米」の製造・販売を通じて、地域農業振興と生活困窮家庭の子育て支援を実現していくには、まだまだ認知も実績も足りない所が多いので、今回のプロジェクトを通して更に認知と実績の向上を目指します。


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