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【研究成果】規則正しい時刻に食事を摂る人は、産後うつ症状が低いことが判明

本研究成果のポイント

  • 食事時刻が規則正しいことと、産後うつ症状が低いことに有意な関連が見られた。
  • 朝食欠食習慣と、産後うつ症状には関連が見られなかった

概要

 広島大学大学院 医系科学研究科 公衆衛生学(田原優准教授)は、早稲田大学(柴田重信名誉教授)、コンビ株式会社ライフサイエンス事業部(本社:東京都台東区 代表取締役社長:松浦康詞)と共同で、日本国内の生後0~12カ月の第一子を持つ女性を対象に、産後のメンタルヘルスと食事時刻の規則性との関連を明らかにすることを目的とした研究を実施しました。
 本研究の結果、普段の食事時刻が規則正しい人は、不規則な人に比べ、産後うつ症状の指標であるエディンバラ産後うつ病質問票(EPDS)(※1)のスコアが有意に低いことが分かりました。一方、朝食の摂取頻度とEPDSスコアには有意な関連が見られませんでした。本研究は、食事内容だけでなく「いつ食べるか」という視点が、産後のメンタルヘルスを考える上で重要である可能性を示しています。
 (※1)EPDS:スコアが高いほど、うつ症状が強いことを示す。

発表論文

論文タイトル:Association between mealtime regularity and breakfast frequency with postpartum depression in first-time Japanese mothers: a cross-sectional study
著者:田原 優1、牧岡 祐子2、Yun-Peng Lo1、久保 達彦1、柴田 重信1, 3
1 広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学、2 コンビ株式会社、3 早稲田大学
掲載雑誌:BMC Pregnancy and Childbirth
DOI番号:https://doi.org/10.1186/s12884-026-09262-3
 

背景

 産後うつは、出産後の女性の約12~17%が経験するとされ、本人の生活の質だけでなく、育児にも影響を及ぼす重要な課題です。しかし、有効な予防・改善方法は十分に確立されていません。
 私たちの研究グループは、「いつ食べるか」という食事のタイミングを考える時間栄養学の研究を進めてきました。特に、これまでに一般就労者を対象とした研究で、食事時刻の不規則さが、生活習慣の乱れや睡眠障害とともに、抑うつや不安といったメンタルヘルスの低下と関連することを報告してきました(文献1)。
 育児期は、夜間の授乳や子どものお世話によって、生活リズムが乱れやすい時期です。そこで本研究では、産後のメンタルへルスと食事時刻の規則性との関連を明らかにすることで、育児期の健康を支える新たなアプローチの確立につなげることを目指しました。

研究成果の内容

 日本国内の生後0~12カ月の第一子を持つ女性841人を対象に、匿名のWeb調査を実施しました。産後のメンタルヘルスは、エディンバラ産後うつ病質問票(EPDS)を用いて評価しました。また、自己記入式の質問票で、食事時刻の規則性と朝食の摂取頻度を調べました。分析にあたっては、健康状態や睡眠の特徴、パートナーの勤務日数など、食事以外に影響を及ぼす可能性のある要因を考慮しました。その上で、一般化推定方程式という統計手法を用いて、EPDSスコアと食事習慣との関連を検討しました。
 その結果、食事時刻が規則正しい人は、不規則な人と比較して、EPDSスコアが有意に低いことが確認されました(図1)。また、一般化推定方程式を用いた解析結果からは、朝食を食べるかどうかよりも、「食事時刻の規則性」が、よりEPDSスコアと関連していることが示されました。
 これらの結果から、食事内容だけでなく「食べる時刻」という観点が、産後のメンタルヘルスにおいて新たな行動改善の手がかりとなる可能性が示唆されました。

今後の展開

 産後1年間は、産後うつの発症リスクが高いことが知られています。本研究により食事習慣を整えることが、その軽減につながる可能性が示唆されました。今後は本研究の結果をもとに、育児期の心身の健康をサポートする取り組みをさらに推進してまいります。

研究資金

 本研究は、コンビ株式会社及び国立研究開発法人科学技術振興機構(創発的研究支援事業、JPMJFR205G、研究代表者:田原優)による助成を受けて実施されました。

参考文献

(1)Tahara Y, Makino S, Suiko T, Nagamori Y, Iwai T, Aono M, et al. Association between Irregular Meal Timing and the Mental Health of Japanese Workers. Nutrients. 2021;13(8).

【お問い合わせ先】

【研究に関するお問い合わせ先】
広島大学大学院 医系科学研究科 公衆衛生学
准教授 田原 優
Tel:082-257-5166  
E-mail:yutahara*hiroshima-u.ac.jp

【報道に関するお問い合わせ先】
広島大学 広報グループ
TEL:082-424-3701
E-mail:koho*office.hiroshima-u.ac.jp


 (*は半角@に置き換えてください)


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