教育学研究科(日本語教育専攻)

李 在鉉

李 在鉉 韓国出身

○2011.4~2012.3 研究生
○2012.4~2014.3 教育学研究科博士課程前期
○2014.4~ 教育学研究科博士課程後期

1. 今の専門分野(日本語教育)を選んだ理由は何ですか?

韓国の大学で日本語教育を専門として学びました。卒業後、少しの間韓国の高校の日本語教師をしました。その時、韓国語と日本語はとても似ているので、特に文法説明は日本語の直訳だけで詳しい説明がないまま終わっていることに気づきました。このように教えていたら良くないと感じていたので、日本語と韓国語の文法についてもっと深く勉強したいと思いました。
 
さらに、学部4年生の時に1年間兵庫県の大学に留学した経験があるのですが、日本語が少し上達した頃にまたすぐ韓国に戻らなければなりませんでした。まだ流暢に日本語を話せなかったので、もう一度日本で勉強がしたいと思い、日本語教育で有名な広島大学への留学を決意しました。

2. 研究内容について教えてください。

日本語と韓国語の文法の比較研究をしています。具体的には、日本語の「〜している」という表現とそれに値する韓国語の表現に着目しています。共通点•相違点を分析した内容を元に、韓国人に日本語を教える時(アスペクト表現を教えるとき)どういう文法説明がいるのか、なぜこのような違いが出てくるのか研究しています。例えば、留学生が話している日本語と日本人の話している日本語を比べ、表現が異なる理由について考察します。今後は日本語と韓国語だけでなく、中国語との比較も参考にして研究を進めたいと思っています。
 
ここで、母国語を日本語とする方があまり気づかない文法の違いを一つ紹介したいと思います。「〜そうだ」と「〜ようだ」の違いです。2つの共通点は、両方ある程度の根拠(聞いたことや目で確認したもの)があって使う表現だということ。違いは「〜そうだ」という表現は未来のこと、「〜ようだ」は現在起こっている様子について使う表現だということです。例えば、空が曇っているのを見て「雨が降りそうだ」(未来)と言います。「雨が降るようだ」は文法的に間違っています。隣の部屋で物音がすると、「隣に誰かいるようですね」(現在起こっている)とは言いますが、「隣に誰かいるそうですね」とは言いませんね。このような表現方法の違いを考えることが、私の研究の一つでもあります。

李 在鉉

3. 実際に日本に来て、授業を受けてみてどうでしたか?また先生の指導はどのような感じですか?

広島大学の日本語教育の授業では、私の興味のある文法について本当に詳しく勉強することができ、毎日が充実しています。研究生としての1年間は主に学部の授業の聴講と大学院の入試のための勉強をしました。
 
大学院入学後は先生と研究に関する相談をしながら研究を続けています。先生は学生の意見をしっかり聞いた後、「こういうふうに考えてみてもそのように言えるか」「こういう視点で見ると違うのではないか」と他の考え方を提案してくださいます。研究がなかなか思うようにできない時でも、先生はとても優しく、研究以外のことであっても相談にのっていただき、この先生の元であったら研究を続けられると感じています。

4. 研究室の雰囲気はどのような感じですか?

研究室には16人ほど院生がいますが、その約3分の2は留学生です。堅苦しい雰囲気ではなく、中国、台湾、インドネシアなどさまざまな国の人がいるので、研究室にいるだけで国際交流ができます。私は研究室に住んでいると言えるほど、平日はずっと研究室で論文を読んでいます。それほど研究室は居心地が良いです。

李 在鉉

5. 将来の目標について聞かせてください。どのような仕事に就きたいですか?

韓国か日本の大学教員として働きたいと思っています。日本語と韓国語の似ている部分だけでなく違うところに焦点を当てて、韓国における日本語教育に貢献したいと思います。

6. 日本へ留学を考えている後輩たちに、アドバイスをいただけますか?

広島大学の日本語教育は日本の中で一番規模が大きいと聞きます。有名な先生方が多くいらっしゃるので、幅広く学べる環境だと思います。日本語教育の勉強を考えている方は広島大学へ留学したら間違いないと思います。


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