令和3年度地域の元気応援プロジェクト 採択プロジェクト

採択プロジェクト一覧

レモンと共生する島 賑わい創出の島づくり

  • せとだレモン祭実行委員会×人間社会科学研究科    冨永 美穂子

せとだレモン祭を通じて瀬戸田のPRに取り組んでいるが、PRを強化しなければならない課題が浮き彫りになっている。次回開催(2022年3月20日(日)予定)に向けて、島全体を巻き込んでレモン祭を行うことで、さらなるPRにつながると考えている。令和元年度に本プロジェクトに応募し、学生と一緒に活動してきたが、コロナウィルスの影響で全ては形にならなかった。そこでコロナ禍ならではの祭への関わりや対策ができるのではないかと考えた。
現在、コロナ禍でのイベントとして来場者に安心・安全な祭であるという認識をしてもらうことが必須事項の一つに挙げられる。また、PRの確率、地元住民との一体化したイベントにすることが大切だと考えている。地元住民を巻き込むという意味でも、島外の若者の意見や新しい見方考え方を積極的に形にしていきたい。

楽しゅう飲みん茶い

  • まほろばくろたに×人間社会科学研究科    伊藤 奈保子

「まほろばくろたに」有志による浅野藩の煎茶の復活。煎茶の生産拡大と販路拡大、および広島県の伝統工芸の復興を目的におく。伊藤研究室では2014年より学生と職人、地域の方々を中心に広島の伝統工芸品のワークショップ、展覧会を外部補助金により開催してきた。今回、広島大学主催による地域との連携プロジェクトが具体化し、大学のサポートをうけながら団体、職人、地域、学生と新しいプロジェクトが組めることに喜びを感じる。培ってきた経験を活かし広島の手もみ煎茶をより魅力あるものとして提供できる方法を模索した。その結果、「煎茶を楽しむ場の空間」を広島の伝統的工芸品で演出することを提案する事となった。広島大学の学生・研究生と共に団体、職人、地域の方々と協力しながら2019、2020年度に新製品を開発し、県庁展示など高評価を得ている。今年度は販売時用に「尾道帆布の袋」制作と宮島焼の湯呑・急須セットを考えている。この活動は地方が抱える中山間地域の衰退と伝統工芸の疲弊の解決の一モデルとなり、今後の地方創生・展開に重要な示唆を与えるだろう。

コロナ禍での持続可能な地域活動のための文化・情報基盤創生プロジェクト

  •  土里夢創房 あぐり×先進理工系科学研究科    佐々木 豊

例年,当該地域では様々な文化サークルが活動し,発表の場として小学校と協力して「文化のつどい」を実施しているが,昨年からのコロナ禍で、文化行事のほとんどが中止せざるを得ない状況となり、地域活動全体が低迷し,住民間のコミュニケーションが難しくなりつつある。一方,文化サークルでは活動している団体もあるが,発表の場がないため活動自体も衰退している。
そこで,本プロジェクトでは,コロナ禍での持続可能な文化活動の形を考える。地域において意見交換を行い,様々な可能性を模索するが,プロジェクトの目標として仮想空間で展示会を実現する。そして,地域の皆さんが文明の利器を使い、意見交換したり、作品を見せ合ったりできる環境を提供する。若い人はスマホなどで、お年寄りは地域センターのPCなどで閲覧することで、より多くの皆さんの交流の場としたい。
 

中山間地域と大学を結び、世代を超えた学びの拠点を作ろう

  • つくれば工房×統合生命科学研究科    彦坂 暁

令和元年度の申請と2年度の継続申請が採択され、ものづくり環境を整備し、ものづくりを楽しみ、ものづくりを通して学ぶ活動を進めてきた。この活動の中で、地域の若者、学生、親世代、シニア世代などに様々な形で学びの場を提供することができた。ほたる荘/つくれば工房の学びの機能をさらに充実させることもできた。
この成果を継承しつつ、今年度は特に、中山間地域での持続可能な暮らしをめざして、地域の人と共に学んでいく場を作るという観点から、以下の活動を進めていきたい。
(1)地域の資源・素材を活用して、自分でものを作り、暮らしに活かす活動
(2)ものづくりプロジェクトを通して再生可能エネルギーやICTなどの新しい技術を学ぶ活動
(3)誰もが生涯、学び続けられる地域を目指す活動
これらの活動を通して、ほたる荘/つくれば工房の学びの機能をさらに充実させるとともに、志和と周辺地域の活性化につなげたいと考え、本プロジェクトを提案する。
 

丸木位里と故郷・飯室 マップ作成、作品調査プロジェクト

  • プラットホーム安芸飯室運営委員会×人間社会科学研究科    多田羅 多起子

安佐町飯室出身の画家・丸木位里が妻・赤松俊子(丸木俊)と共に描いた連作《原爆の図》は、全国に巡回展示され、被爆の実態が詳らかでなかった時期の日本各地に大きな衝撃を与えた。丸木位里の画業について、あるいは《原爆の図》についての歴史的な位置づけや学術的研究は進んでいるが、出身地であり位里の制作の原点でもある飯室で、地元が誇る画家として十分に知られているとは言い難い。背景には、戦争を知る世代の高齢化や、地元に多く残る彼の作品の所蔵者たちの世代交代という事情がある。申請者(地域団体)は、2017年から4回にわたって《原爆の図》の複製を展示するなど、位里と故郷とのかかわりを伝えるための活動をおこなっている。その過程で、今後の作品保全への危機意識と、飯室からの平和発信という課題をもつようになった。今回のプロジェクトを通して、地元における丸木位里という画家の価値の再認識を促すこと、マップを通して地域外に位里の故郷である飯室の価値を発信することを目指している。

島地域活性化「学際融合」ドキュメンタリー映画プロジェクト

  • 潮祭×人間社会科学研究科(国際共創学科)渠 蒙

 プロジェクトを通じて学生アーティストは自分の作品を制作、発表する場を持つことができます。また、御手洗の地域社会は新しい世代を迎え入れ、アートタウンとしてのイメージを醸成できます。すなわち、このプロジェクトは地域社会と意欲的なアーティストの間に相互的なつながりを作り出すことができます。近年文字だけでなく視覚的な方途を用いる学術的な研究が増えていることを鑑み、このプロジェクトではリサーチに加えてドキュメンタリー映画を製作するという形でその結果を記録し、その過程で地域の文化遺産を保護、ひいては地域文化の活性化へ繋げます。映画と研究用ポスターの成果は、御手洗のコミュニティによる地域観光のプロモーションに利用することもできます。

小原の憩いの場づくり「小屋のデザインプロジェクト」

  • NPO 法人ぷらっとほーむ小原×先進理工系科学研究科    田中貴宏

安芸高田市など、多くの中山間地域では、人口減少・高齢化等の進行に加え、人々が日常的に集う場が減少している。そのため、地域内の人々の交流や、地域内外の交流が減少しており、このことが地域の人々の活力低下につながっている。そのような状況の中、安芸高田市河田町小原地域では、地域の人々や、地域外から来訪する人々が気軽に集うことのできる「憩いの場」が求められている。そこで、本プロジェクトでは、この「憩いの場」の創出を目的とした。具体的には、地域の中心地であるJR芸備線吉田口駅周辺に、シンボルとなる「小屋」をデザインし、また地域の工務店と協力し、これを施工することを目的とする。この「小屋」を、広島大学の都市・建築計画を専門とする学生がその専門能力を活かし、地域の人々との対話を通して、デザイン・施工を行うことにより、若い学生の感性を活かしつつ、小屋を含むその周辺エリアを、小原地域にふさわしい「憩いの場」とすることを意図している。なお、3年前、当該地域において「広島大学地域連携推進事業」として、地域づくり提案を行っており、その当時の参加学生の一部が今回も主要メンバーとなる。

三段峡ミュージアム構想

  • 特定認定NPO法人三段峡—太田川流域研究会(さんけん)×統合生命科学研究科    中坪 孝之

本プロジェクトでは、これまで限定的にしか活用されてこなかったビジターセンターを博物館化させることで、来峡者に三段峡の魅力や楽しみ方を発信するとともに、主体的な体験と学びの場としての三段峡の新たな価値を確立させる。博物館化にあたっては、地域住民による知の蓄積・発信に加え、来峡者参加型の展示を導入する。これにより、地域の内外から三段峡の魅力を発見・発信する基盤を整え、地域全体の活性化を目指す。

地域と大学が連携した湯来町における、オオサンショウウオの基礎生態調査と環境保全活動

  • NPO 法人湯来観光地域づくり公社×総合博物館    清水 則雄

湯来町では今、湯来町に生息する国の特別天然記念物オオサンショウウオと湯来町特産のこんにゃくをかけ合わせた、「オオサンショウウオこんにゃく」が大人気で、Twitter でも複数回に渡って 15 万以上のいいねがつくなど、全国にその名が知られるようになった。しかしその生態については、目撃情報は毎年ある(昨年も幼体を発見)ものの、調査記録はなく生態が不明で、保護計画も存在しない。オオサンショウウオで知名度を上げている町として、これは非常に問題であると考えている。また近年は全国的に豪雨による個体群の流失が報告されており、同地における実態把握を早急に行いその保全策を立案する必要がある。

そこで、本プロジェクトでは地域住民と広島大学の教員、学生等の合同調査チームを組織し、現地での聞き取り、野外調査、環境DNA解析を用いて実態解明を進める。また、その生息状況を講演会やワークショップ等を通じて広く住民と共有し、その環境保全に向けた機運の醸成をはかるとともに経済的・環境的に持続可能なモデルの提言を行う。

移住体験ツアーの開発 × とびしまライフ

  • とびしまライフ×産学連携推進部, スタートアップ推進部門    Zollet Simona

日本全国の田舎や島のコミュニティと同じく、とびしま海道の過疎化・高齢化は急速に進んでいます。2015年〜2021年の間、とびしま海道の人口が7,496人から6,041人まで減少しました(これは、約6年間で2割の減少となります)。その上、とびしま海道全域の人口の65%は65歳以上となります。(※このデータは、とびしま海道全域のデータとなり、愛媛県今治市岡村島のデータも含まれています。)とびしま海道の高齢化率は、呉市の中でも、かなり高い方です。また、とびしま海道内の豊島の場合は、高齢化率は7割まで増加しています。空き家については、正式なデータはありませんが、とびしま海道の物件の約半分は空き家だと言われています。
日本の島コミュニティの存続と未来を確保するためには、移住者を呼び込む必要があります。しかし、とびしま海道の移住者率はまだ少なく、逆に、とびしま海道から離れる人数の方が多いです。その上、すぐ隣の「しまなみ海道」と比べると、とびしま海道はまだまだ理想な移住先として、全国的に認識されていません。上記の課題に気づいたとびしま海道の移住者仲間が「とびしまライフ」を2020年5月に立ち上げ、とびしま海道の移住促進や移住希望者のサポートを行なっています。とびしまライフのアドバイザーは、とびしまライフのHPから移住希望者の問い合わせを受け、地域と繋げたり、空き家の情報を提供したり、様々なアドバイスを提供しています。とびしまライフは、移住希望者と地域との橋になる、統一された移住相談窓口になります。
今後、とびしまライフは、とびしま海道の移住情報をさらに発信し、移住希望者を集めるイベントや移住体験ツアーを企画します。しかし、この団体は最近設立された為、移住体験ツアーに含むコンテンツや体験について十分検討できていません。広島大学がとびしまライフと連携し、学生や教員がとびしま海道の魅力やUSPを新鮮な視点から発見し、それをベースに移住体験ツアーのコンテンツを開発する事が望まれます。

「みんなの夢アイディア」の実現で「呉をワンダーランドに!」

  • 呉自社商品開発協議会×人間社会科学研究科 川田 和男

2010年から始めた「みんなの夢アイディアコンテスト」は、10年間で応募件数が13,402件であり、その約7割が小・中・高校生である。この中には、夏休みの宿題のような形で取組んでいるものが多く、自発的でないと感じる作品が多い。また、洗練できておらず完成度が低い作品や、プレゼンテーションスキルが低い作品も多くある。そこで、社会(自らの身の回りを含む)の問題を発見・解決することに、真摯に向き合い、探求し、それを上手く表現するスキルの向上を支援する環境づくりの実現を目的とする。特に、小学生においては発達の段階により、ものの見方や考え方が大きく異なるため、個に応じた支援ができる環境づくりが必要になる。また、本コンテストの特徴である夢アイディアの応募作品の具現化に関しては、現在まで、協賛企業や後援団体により、のべ21件の試作・6件の事業化に至っている。しかし、協賛企業の多くが機械系のものづくり企業であるため、実現した作品の分野が偏っている。そこで、本コンテストの更なる発展のため、教育文化系、まちづくり系、医療系、電子系、通信系、情報処理系などの幅広い分野の協力を得ることも目的とする。さらに、コロナ禍により、様々なイベントが中止または延期となっている状況がある。そこで、ICTの活用により、イベントの実施方法の開発を行うことも目的とする。

久比地区の水利用等住環境に関するサステイナビリティの確立のための広島大学の瀬戸内拠点造り(水利用実践編)

  • 一般社団法人まめな×先進理工系科学研究科 小野寺 真一

経緯:過去2年間で地域の地下水が豊富にあることがあきらかになったが、効果的に利用されていない実態である。今後に向けて、利用可能な資源を有効に利用するためには、その効果や効率を提示し実践していくことが必要である。また、地下水のもつ環境効果を広く認識することも必要である。

目的:そこで、今回は、地域の地下水資源の実践的な利用可能性を明らかにするとともに、地域環境への効果についても明らかにすることを目的とする。 


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