一般社団法人ひろしま好きじゃけんコンソーシアム
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「東広島市・学生発スタートアップチャレンジ2024」では、広島大学・近畿大学工学部・広島国際大学の学生による、自由で創造的なアイディアや起業してみたいという意識の具体化に向けた活動を支援しています。
このたび、12月21日(土)に開催する成果発表会(Demo Day)に向けて、本事業に採択されている13チームのインタビュー記事を掲載いたします。
第7回は、「トレンドを見逃さない位置ベース情報プラットフォーム「.pal」」のテーマで活動している千田太志さんがインタビューを受けてくれました。
(記載の情報は掲載時点のものです。)
※DemoDayへの参加申し込み及び詳細はこちら(参加費無料)

スタートアップチャレンジで事業化を目指すテーマについて教えてください!
.palのテーマは、現代社会における情報過多の課題を解決し、ユーザーが必要な情報を効率的に取得できる仕組みを提供することです。このアプリは、リアルタイムで地域や世界中のトレンドやイベント情報を視覚化する独自の「バブルマップ」インターフェースを採用しており、情報の重要性や盛り上がり度を一目で把握できるのが特徴です。
情報がリアルタイムで更新され、イベントや地域情報を見逃さずにキャッチできるため、日常生活の効率化や旅行計画の充実をサポートします。また、ユーザー同士がつながり、信頼性の高い情報を交換することを重視しているため、新しい地域でも簡単に必要な情報を得られるよう設計されています。
さらに、バブルマップは、地理的範囲の調整が可能で、ローカルからグローバルレベルの情報まで幅広く対応。従来のプラットフォームとは異なり、直感的で使いやすいビジュアル表示とパーソナライズされた情報提供が特徴です。このアプローチにより、情報を見逃すことなく、日常生活やビジネス、旅行のあらゆる場面で役立つ革新的なソリューションを目指しています。
このテーマはどのようにして思いつきましたか。
情報があふれる現代社会において、本当に必要な情報を効率的に、そして迅速に取得できる仕組みを提供することです。このアイデアは、私たちが日常的に直面する「情報過多」という課題を解決するために生まれました。
多くの人が、重要なイベントやセール情報、地域のトピックスなどを知るのが遅くなり、参加や利用の機会を逃してしまうという現実があります。たとえば、SNSやウェブのタイムラインでは、膨大な投稿や広告に埋もれて必要な情報が見逃されがちです。また、時間に依存するイベント情報や地域限定のニュースは、さらに入手が難しいことがしばしばです。
こうした問題を解決するために、.palでは「リアルタイム性」と「視覚的な情報の可視化」に重点を置きました。情報をリストやテキストではなく、バブルの形で地図上に表示することで、直感的に重要な情報を見つけられる仕組みを考案しました。バブルは情報の盛り上がり具合に応じてサイズが変わり、一目でその重要度や人気を把握できます。
さらに、友人やコミュニティを通じた信頼性の高い情報共有を可能にする仕組みも採用しています。これにより、オンラインでも現実世界のように、信頼できる情報を効率的に収集できます。このアイデアは、ユーザーからのフィードバックや調査結果、そして日々の情報取得に感じるストレスからインスパイアされ、より良い情報体験を提供するための基盤として生まれました。
チームメンバーにはどんな方がいますか。また、どのようにしてこのチームメンバーが集まったのですか。
多様なバックグラウンドと専門性を持つメンバーによって構成されています。それぞれが自分のスキルと経験を活かし、「情報過多を解消し、必要な情報を効率的に届ける」という共通の目標に向けて活動しています。
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Taishi Senda(プロジェクトオーナー)
広島大学総合科学部国際共創学科に所属。シンガポールで10年間育ち、そこでのビジネス観に影響を受けて、日本に帰国後、映像制作事業を開始。2022年に法人化し、合同会社Clark'nを設立。現在は.palのビジョンをリードしています。 -
Ajdari Mohammad(プロジェクトマネージャー)
イラン出身で、広島大学国際共創学科に所属。祖国で家族のエビ養殖場を手伝った経験を持つ一方、日本での学業を追求するために単身渡航。2023年5月から.palのプロジェクトマネージャーとして活躍中。 -
Jeffrey Skinner(バックエンドエンジニア)
ネバダ大学リノ校在籍。Googleのメンターシッププログラムでアルゴリズムの開発に従事したほか、ゲーム開発や店舗マネジメントの経験を持つエンジニア。
このチームは、広島大学を中心に自然な形で集まりました。「情報過多の解消」というビジョンに共感し、それぞれが持つスキルを活かして役割を果たしています。広島大学の学生としてのネットワークや、異なる分野での専門性が融合することで、.palの革新的なプラットフォームが形作られています。
このプログラムに応募しようと思ったきっかけを教えてください。
去年不採択だったのでリベンジとして。
スタートアップチャレンジ2024への応募前からすでに始めていた活動はありますか。
2023年5月から本プロジェクトをはじめ、応募前までに以下の賞を受賞しました。
広島県 Camps アクセラレーションプログラム トップクライム採択
広島県 Camps アクセラレーションプログラム ベストトップクライム賞(最優秀賞)
公益財団法人ひろしまベンチャー育成基金 ひろしまベンチャー助成金 ひろしまヤングベンチャー賞 金賞(科学・技術分野)
キャンパスベンチャーグランプリ中国 特別賞 中小企業基盤整備機構中国本部長賞
JETRO J-StartX U25起業家コース 採択
広島大学 Independent Project採択
日本科学振興協会 学生アイデアファクトリー 採択
スタートアップチャレンジの支援期間中はどのような活動をしていますか。
事業計画のブラッシュアップ、ターゲットの明確化を中心に活動中。
ベンチャーキャピタルのメンタリングを受けながらプロジェクトを進めていると思いますが、どんな学びがありますか。
ベンチャーキャピタルのメンタリングを通じて、事業戦略や市場分析の重要性を深く学びました。特に、ターゲット市場への効果的なアプローチや、収益モデルの最適化について具体的な指導を受け、プロダクトの価値を明確に伝える方法を磨くことができました。また、スケーリング戦略やチームビルディングのポイントも学び、プロジェクトを持続可能で成長可能なものにするための視点を得ました。これらの学びが、.palを市場で成功させるための土台を強化しています。
プロジェクトを進める中で、難しいと感じる部分はありますか。
プロジェクトを進める中で、特に難しいと感じるのは、初期段階でのユーザー基盤の構築と、リアルタイムで質の高い情報を提供する仕組みの精度を高めることです。
ユーザーが増えないと情報の流通量が限られ、逆に情報が不足しているとユーザーの定着が難しくなるという「鶏と卵」の課題に直面しています。また、リアルタイムで動的に変化する情報を効率的に視覚化するシステムを開発する上で、技術的なハードルも高く、常にユーザー体験を最適化する必要があります。
さらに、地域に根ざした情報を収集しつつ、グローバル展開の可能性を見据えたスケーラブルな戦略を練ることも挑戦です。これらの課題を一つひとつ解決することで、ユーザーと地域社会に価値あるサービスを提供することを目指しています。
最後にDemo Dayを見に来る方々に向けて、一言お願いします!
.palは「情報過多」の時代に、必要な情報を迅速かつ効率的に届けることを目指して開発を進めてきました。この場を通じて、私たちが描いている未来と、ここまで積み重ねてきた努力の成果を皆様と共有できることを大変嬉しく思っています。
ぜひ、私たちのビジョンやプロダクトの可能性を感じていただき、今後の成長に向けた貴重なフィードバックをいただければ幸いです。一緒に新しい情報体験の未来を創り上げていきましょう!