第12回 Nadya Berovaさん (ニュージーランド・ブルガリア)

「人生で最高の好機」

名前:ナディア・フリストバ・ベロバ
年齢:21歳
国籍:ニュージーランド・ブルガリア
専攻:法律と日本語
プログラム:教育学部 日本語・日本文化研修プログラム
趣味:外国語と文化の勉強、歴史、音楽、映画、テレビ(ドラマ、漫才)
将来の夢:国際弁護士
初めて覚えた日本語:おはようございます

『留学生インタビュー』バックナンバー

 

今日はお越し頂き有り難うございます。では、まず留学先に日本を選んだ理由は何ですか?

私の家族は6年前に、ブルガリアからニュージーランドに移住しました。ニュージーランドの高校の最初の授業は日本語の授業でした。その時から、日本語にハマって、深い興味を持ち始めました。日本語の先生もとても優れた先生だったので、先生の影響もあると思います。高校の時からずっと日本語を勉強し続けて、そして大学に入学しても、日本語の勉強をしています。

ニュージーランドの高校では日本語が必修ですか?

必修ではないんですが、とても人気がある言語の一つです。なのでほとんどの学校は日本語の授業を提供しています。

なるほど。では、日本語を選んだ理由とは?

母国語はブルガリア語ですが、英語はもちろん、スペイン語やドイツ語、色んな言語を勉強してみたんですが、やっぱり一番異国的な言語は日本語だった。実は日本語の発音はブルガリア語の発音に近いです。言葉はまったく違いますが、言語のリズムはすごく似ています。

へー意外ですね!日本語の勉強は何年目になりますか?

7年間になりますね。ニュージーランドの高校は5年間ですが、1年生や2年生向きの日本語の授業はとても易しかった。テキストはひらがなとカタカナのみだし、日本語を学べるゲームをしたりして、とても楽しく勉強ができました。でも3年生になってから漢字を学び始めて、授業がだんだん難しくなってきました。しかし、先生がすごくよかったので、諦めたりしませんでした。先生は漫才が大好きな日本人で、漫才みたいな話をしながら日本語を教えてくれました。授業が楽しかったですね(笑)。

ナディアさんは今、『源氏物語』を勉強していらっしゃると聞いたんですが、日本の文学の中でどうして『源氏物語』を勉強したいと思ったんですか?

外国で最も翻訳されているのは『源氏物語』です。高校生の時、古本屋さんで偶然『源氏物語』の英訳を発見しました。面白そうと思って読んでみたんですが、すごく感動しました。今まで読んできた本とは全然違いました。

欧米の文学では、主人公がいて、何かの事件が起こって、そして最後は事件を解決してハッピーエンドですが、『源氏物語』は主人公の人生そのものが書かれています。特に大きな事件もなくて、主人公の人生とともに、ゆっくりと話が流れていきます。それに、話は面白いだけではなく、文学の勉強も、日本文化の勉強にもなります。

日本人は誰でも『源氏物語』を知っています。『枕草子』や『平家物語』よりも、やっぱり『源氏物語』への意識が強い気がします。アニメや漫画にもなって、「源氏文化」というのもあります。『源氏物語』に関するデザインやファッション、お菓子(「源氏巻」)まであります!(笑)どうして『源氏物語』がこんなに文化に染み込んでいるのか、その理由を探りたいと、研究をしています。

私は特に生霊に関して興味を持って、「夕顔」の話を研究しています。

生霊ですか?

幽霊とか、妖魔とかは誰でも聞いたことがあるだろうけど、「生霊」は珍しいでしょう?しかも他の文学作品の中にもあまりないです。そこが魅力的でしたね。昔は、人間が二つの魂があると思われていたようです。一つは常に自分の中にある魂。そしてもう一つは強い悲しみや憎しみから生まれる魂。その魂が自分から離れて、勝手に悪いことをしたりしていたらしいです。自分はどのぐらいその魂ができるか、そういうことが気になりました。例えば、『源氏物語』の「夕顔」の話では、夕顔は六条御息所の魂に殺されたという。しかし、それは殺人事件だとか、それとも事故だとか、犯罪者になるか・・・

将来の夢は国際弁護士だというのも納得です(笑)でも国際弁護士になりたいというきっかけとは何ですか?

私は元々言語を勉強するのが好きです。国際交流も好き。そして法律にも興味があるし、議論することも大好きなので、国際弁護士に向いているんじゃないかなって思いました。できるなら、国連で働きたいんです。ちょっと甘いかもしれないけれど、少しでもこの世をよくしたいですね。なので、色んな言語ができたらな~って思いました(笑)。

素敵な夢ですね!法律に興味を持てたのはどうしてですか?

前はそんなに興味なかったですね(笑)しかし、ある日非常に優れた弁護士さんが高校に来て、自分のキャリアや経験について講演をして下さいました。とても面白い公演だったので、弁護士って楽しいかも!と思いました。そして英語の授業でスピーチや討論をするのが大好きだったので、先生が「弁護士になったらどうだ?」と(笑)。それがきっかけでした。

ここでは『源氏物語』を研究されていますが、何か国際弁護士と『源氏物語』を結ぶ点があるのですか?

そうですね。日本文化に興味を持ったので『源氏物語』を研究することにしました。日本文化を勉強すると、日本人の考え方がもっと理解できます。そして弁護士というのは、色んな人々の考え方を理解しないといけないので、そういう意味では関係があります。やっぱりそれぞれの文化にはそれぞれの価値観があります。その価値観の違いはたまに誤解を生みますが、もし相手の文化を理解しようとすれば、そういう誤解がなくなるのではと思います。

例えば、日本人はお笑い番組が好きだなんて、すごくびっくりしました!日本に来る前は、日本人はすごく真面目でおとなしいイメージがあったんですよ。でも来日して日本で生活したら、テレビ番組のほとんどがお笑い番組だと気づきました。しかもすごく面白かったの!(笑)日本のお笑い文化は昔からあって、とても深いと思います。狂言に落語、漫才・・・ずっと昔からあった文化だからこそ、現在の文化にも続いていると思います。

お笑い番組で文化の勉強(笑)いいですね!他に文化的な勉強はされたことありますか?

私はお城が好きなので、大阪や姫路など見学に行きました(笑)日本のお城って本当に素晴らしいと思います。ニュージーランドにはもちろんお城なんてありません。ブルガリアにもないです。お城があったら、見に行きたい!と友達を無理矢理に連れていったこともありますね(笑)後は記念スタンプを集るのが好き!

楽しそうですね!来日して、何かびっくりしたことがありますか?

私の場合、広大の授業はほとんど10時半なので、ニュージーランドの大学と全然違います。向こうは朝8時からです。しかも私の家は大学からかなり離れていたので、5時ぐらいに起きたりして・・・朝が弱い私にとっては、広大の方がいいですね(笑)。後は自転車ですね。ニュージーランドではバスで通学していたので、日本もそうじゃないかなと思ったけれど、みんな自転車ですね!すごくびっくりしました。私はバランス感覚が悪い方なので、自転車に慣れるまでには時間かかりました。もう大丈夫ですけどね(笑)。

よかったですね。では、最後に、留学生に何かアドバイスはありますか?

自分のことを信じて、怖がらずに人に声をかけてみて。そうするといっぱい友達ができます。私の経験では、日本人はみんなすごく優しいです。なので、恥ずかしがらずにオープンな心を持って、色んなことに挑戦してみてください。ここで、日本語の勉強だけではなく、人生の勉強もできます。こういう機会は滅多にありません。自分もちょっと成長した気がします。

いいアドバイスですね!これで今日のインタビューは終了です。有り難うございました。研究、頑張ってくださいね。

ありがとうございます!

留学生からの一言!

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留学は・・・人生で最高の好機!

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