第13回 Nuria Haristiani (インドネシア)

名前:ヌリア・ハリスティアニ
年齢:26歳
国籍:インドネシア
専攻:教育学部・言語文化教育学専攻・日本語教育学専修
趣味:読書と映画鑑賞
将来の夢:日本語の先生
初めて覚えた日本語:こんにちは

『留学生インタビュー』バックナンバー

今日はインタビューをさせて頂き、ありがとうございます。ヌリアさんが日本語を勉強するきっかけとは?

大学の専攻を何にしようかと悩んだ時、全然知らないことをやりたい!という気持ちがありました。その時、日本語を思いつきました。当然勉強したことがなかったし、全然知らない言語だったので、「やってみようかな」と日本語を専攻にしました。きっかけとは言えないですけど。

チャレンジャーですね!インドネシアでは、日本語教育はどんな感じで行われていますか?

まず私の周りにはネイティブスピーカーが1人しかいなかったです。インドネシアの大学では、そういうことが結構普通ですね。会話も作文も勉強したんですが、実際は日本語で会話する機会があまりなかったかもしれません。クラスメイトと日本語を話してみた方がよかったのにと今思いますが、お互い喋る自信がなくて・・・(笑)

そうだったんですか。では、広島大学に入学した理由とは?

来日する前は、ジャカルタで仕事をしていましたが、自分のためにしか仕事をしていないという気がしました。給料はもらうけれど、もっと何かできないのかな?と思いました。自分のために仕事をするだけじゃ足りないという気がしました。

そこで、勉強を続けようと思いついたのです。広島大学に留学した先輩から広島大学の話を色々と聞いて、とても良い大学だと思ったので、広島大学にしました。後は、原爆を経験した広島について興味を持ったので、入学してみたいと思いました。

今は日本語教育について勉強をしています。例えば、日本語の言語的な知識(文法、言語学など)から教育学またはその方法論について勉強をしています。今は社会言語学、日本語とインドネシア語の対照研究をしています。

日本は始めてですか?

いいえ。日本の文部科学省は日本語・日本文化研修生のプログラムを提供していますが、毎年、インドネシアにある日本大使館がプログラムの試験が行われて、受かった学生が日本の大学で研修をすることができます。そのプログラムで来日して、1年間奈良教育大学で留学しました。その時は弓道部に入部して、日本の伝統文化、礼儀作法、先輩後輩(上下)関係、日本人の輪などなど、たくさんのかけがえのないことについて学びました。涙あり、笑いあり、とても印象に残る一年間でした。いつまでも素晴らしい思い出として誇りに思っています。 その留学の間に、審査を受けて「初段」を取っています。上手だとは言えないのですが、全国大会に一回出させてもらいました。それもとても貴重な経験でした

素晴らしい経験みたいですね。インドネシアでは、そういう上下関係がありますか?

あまりないような気がします。部活に入っても、メンバーと親しくなったら、先輩・後輩はあまり関係ないですね。言葉使いも全く気にしません。日本だと、先輩に対しては言葉も行動も気をつけないといけないけれど、インドネシアでは違います。最初はやっぱり、ちょっと納得できなかったですね(笑)「なんでこんなに気を遣わないといけないの?」って。部活で掃除などが分担されていたけど、矢を拭いたり、マットを外したりすることなどの大変な仕事は1年生の仕事になります。2年生からは「先輩」になるので、掃除などやらなくていいけれど、1年しかいない私にはやっぱり納得できませんでした(笑)。最初は苦労したけど、最後にはやってよかった、楽しかったと思いました。みんなは家族みたいだった。

いいですね。弓道を選んだ理由とは?

実は剣道部に入りたかったけれど、剣道だったらインドネシア人でも誰でも知っているスポーツなので、それと違うスポーツがしたくなったです。弓道はインドネシアでよく知られてないし、弓を引いた姿がとても美しくて、惹かれました。ちょっと恥ずかしいですが(笑)

そして私はムスリムなので、ジルバブ(jilbab)を被っていますが、これを被って弓道をやっていいのかな?とちょっと不安があったけれど、みんなが「大丈夫ですよ」と優しくしてくれました。でもやっぱり見慣れていないせいか、最初は同級生と仲良くなれるまでは時間かかりましたね。でも、親しくなったら、みんなが自分の妹みたいに思えるようになりました。

帰国しても、卒業した弓道部のメンバーから連絡があったり、先輩からも後輩からもたくさんのメッセージが来ました。みんながとても優しくて、逆にびっくりしました。実は、そんな中、今年に結婚する友達もいます。せっかく日本にいるので、結婚式に参加しようと思っています!

優しいだけではなく、かなり深い絆がありますね。イスラム教とおっしゃいましたが、日本に来て、何か困ったことがありますか?

お酒・豚肉や油が食べられないので、食べ物を買う時に必ず材料をチェックしないといけないし、外食をする時は注文の時に確認しなきゃいけないので、それがちょっと面倒くさいですね(笑)。インドネシアではそういうことを心配する必要がなかったからね。でも、今はもう慣れていますし、日本食もとてもおいしいので、たくさん食べています!

ヌリアさんは日本語とインドネシア語の対照研究をしていらっしゃいますが、その研究を活かして、将来はどんな仕事をしたいですか?

日本語の先生になりたいです。日本では、対照研究がすごく進んでいますが、インドネシアではそうでもありません。なので、帰国しても対照研究を続けて、インドネシアでの対照研究に貢献し、発展させたいです。

今の研究の中で一番面白いと思ったことはなんですか?

対照研究は日本語の勉強だけではなく、インドネシア語の勉強にもなるということです。意外と自分の母国語(インドネシア語)についてあまり詳しく知らないということが気付かされました。そして広島大学に来て、日本語の音声やアクセントの勉強は初めてでした。言語学というのは本当にゼロから勉強しないといけなかったので、言語だけではなく、その言語の文化を学ぶことも重要だということがはじめて知りました。

楽しい研究をされていますね!初めて西条に来て、驚いたことがありますか?

西条の静かさには少し驚きました。先輩の話では、西条が田舎だってことがあまり強調されていなかった。田舎って言われても、日本だからまさかそんな田舎でもないだろうと思っていたけれど、私の勘違いでした(笑)。

正直、最初は不便だと思いました。私はムスリムなので、モスクがないことや、お祈りの時間・断食の時に少々不便さを感じていましたが、最近は西条の雰囲気が慣れてきて、好きになりました。逆に大都市に行くと「うるさい」と思ってしまいます。

去年の夏にインドネシアに1ヶ月ぐらい帰国したんですが、インドネシアの騒音、空気汚染、ポイ捨てにびっくりして、逆カルチャーショックを受けました。でも、嬉しいことは自分の国の雰囲気やカルチャーを改めて味わえたことですね。

実は、広島大学にはインドネシア人の留学生が多くて、特に去年からは急激に増えましたが、「インドネシア人留学生会」という、インドネシア人学生の生活を補助する目的を持つ会があります。その目的の他にも、そこで皆が力を合わせて年間様々な活動(例えば、歓迎会・送別会、独立記念日、イスラムの祭日など)を行ったり、インドネシアで学校に行けない子供達のための奨学金を集めたり、何年一度に大きな文化交流イベントを行ったりしています。

去年の8月もこの大きなイベントを行って、約1000人の観客に参加していただきました。広島大学もその時一つのスポンサーでした。

留学の経験がとてもいい勉強になっているみたいですね。留学生へのアドバイスありますか?

留学を楽しんで欲しいです。大変なことがあっても、それは必ずもう一つの勉強になると思うので、前向きに向き合ってください。

とてもいいアドバイスですね。ありがとうございました。勉強を頑張って、留学生生活を楽しんでくださいね。

ありがとうございます!

 

留学生からの一言!

広島大学は・・・勉強するための最高の環境です。

留学は・・・人生最高の楽しいチャレンジ!と、自分の様々な面を成長してくれる貴重な機会!

Photo Gallery

広島インドネシア協会のパーティにて。

バーベキューにて。

弓道仲間と一緒に。

クラスメイトと一緒に。


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