名前：キアラ・コマストリ
国籍：イタリア
専門：日本語・日本文化
所属：国際センター日本語日本文化研修プログラム
趣味：音楽、料理、ジョギング

去年（２０１０年）の十月です。日本語日本文化研修プログラムは９月（２０１１年）いっぱいで終わってしまいますが、大学院に進学したいので、入学試験を受けたいです。広島が大好きですし、ここで過ごした一年は一生忘れられないと思いますが、以前から日本の他地域に住んでみたいという好奇心もあり、大学院を受験することにしました。受かれば来年（２０１２年）の４月から入学することになります。合格できるかどうか自信はないですが、文学研究科に入学したいです。文学を通してイタリアと日本の架け橋になりたいので、人類学や文化交流の研究をしたいです。

高校生の時にたまたまテレビで日本の歌を聴いたのです。たぶんアニメの主題歌です。私はあまりアニメには興味がなかったのですが、それを聞いて日本語っておもしろいなと思いました。それから独学で勉強し始めました。インターネットでいろいろな情報を調べて、自分でひらがな、カタカナを勉強しました。

はい、高校を卒業してからベネツィア大学の東アジア科に入学して、その時から積極的に日本語の勉強をしたのですが、最初は自分で勉強しました。でも最初は 独学など本当に無理かと思っていました。特に音読みや訓読みが難しく、説明してくれる人もいなかったので大変でした。でも本当に日本に行きたいという気持 ちが強かったので頑張りました。教科書はイタリア語で書かれたものを本屋で買いました。最初は本当に難しかったです。でも毎日新しいことを覚えて楽しかっ たですよ。特に漢字の書き順や書き方がおもしろかったです。     

日本語を専攻して、日本の歴史や文化、経済など日本に関する科目をいろいろと勉強しました。

そうですね。本当に昔ながらの街で、特徴はポルティコというアーチです。写真があればいいのですが、街の中心全体にこのアーチが築かれてあって、街のシンボルです。

はい、すごく古い街です。ローマ時代に建てられました。大学自体も１０４０年に建てられたヨーロッパで一番古い建物です。でもアジアについて学ぶのであれば，ベネツィア大学がイタリアでは一番良かったので、私はベネツィア大学に入学しました。

日本で一番好きなのは人です。初めて日本に来た時、「皆が愛してくれる」と感じました。これまで、みんなすごく優しくしてくれるので困ったことは一度もなかったです。

4回目に日本に来た時に、九州に行ったのですが、西日本っていいなと思いました。関東よりも落ち着いている感じがしました。その後5月に広島に旅行に来て、「広島っていい雰囲気の所だな。」って思いました。文部科学省の国費留学に申し込んだ時、日本全国の大学からパンフレットが届きました。その中でも広 島大学の紹介がよくて、興味が湧いたので広島大学にしようかなって。あとお好み焼き大好きですから！（笑）

特になかったですが、広島大学は広島市内から結構離れていたので驚きました。でも キャンパスの雰囲気がいいなと思いました。イタリアの大学はほとんどキャンパスがないんですよ。すごく古いですから、街の中にあちこちに校舎があるんです。文学部は文学部、経済学部は経済学部の校舎があるだけです。だから初めてキャンパスの雰囲気を味わえて嬉しかったです。田舎だけど緑も多いしすごく住 みやすいからちょうどいいですね。

全く違いますね。３月（２０１１年）に両親がイタリアから３週間遊びに来て、このキャンパスはステキだと言っていました。やはりイタリアにはこういうキャンパスがないからすごく新鮮です。日本は発展しているなとも言っていました。イタリアの大学は建物はきれいですが古く、最近不景気なのでいろいろな問題が起きています。

そうですね。本当に高校生の時から日本に惚れ込んでいましたから。両親もだんだん慣れてきて、「行ってらっしゃい」という感じでした。日本に来てから両親もとても日本のことを気に入ってくれて、本当に私が日本にいたいことを認めてくれたんですよ。とても嬉しかったです。

お好み焼きも食べてくれました。３週間ずっと日本のあちこちを旅行していて、ちょうどその時東北大地震があったんですけど、宮島にいたので全く揺れは感じなかったです。でも東京に行く予定をやめて、大阪や京都に行きました。この大震災があって、もちろん両親は「一緒に帰りましょう」と言ったけど、大震災があったからこそ私が日本にいて、日本人と一緒に頑張りたいなと思いました。私は本当に日本が大好きですから。私は日本を愛しているし、日本に愛されている感じもします。すごく居心地がいいです。

最近は大学院の入学準備のために、図書館で勉強しています。あとは友達と一緒に広島市内に行って買い物をしたり、イタリア語も教えたりしています。でも私は先生ではないので、文法を教えたりするのではなく、会話の練習をしています。イタリア語を教えながら、日本語も教えてもらっている感じですね。

茶道のサークルに通い始めました。本当にステキです。難しいですが、いつかできるようになりたいなと思っています。先生もステキな方ですし。

ここに来てから日本料理も食べたいと思っていろいろ試してきました。肉じゃがとか筑前煮とか家庭的な料理が好きで作ります。日本人の友達に食べさせてあげたりもします。「これどう？」「いや、これまだまだだね。」という感じです。もっと日本料理を頑張ります。パスタなどイタリア料理も作ります。この間ティラミスも作りました。国際交流会館で友達みんなを呼んで食べました。日本のティラミスは本場のティラミスと全く違うんですよ。

ちょっと違いますね。パスタはまあまあなんですが、ピザは全く違いますね。イタリアのピザはカリッとして薄いんですよ。日本のピザは小さくて柔らか過ぎですね。

うーん。ピザはモチモチしていたらちょっとダメですね。（笑）でも、以前デパートでイタリアンフェアがあったんですよ。行ってみたらいろんな輸入したものがあって、ジェラートはイタリアの味がしておいしかったです。

できれば日本で働きたいですね。イタリアと日本の架け橋になりたいです。

そうですね。できれば学者になりたいですね。先生の仕事にも結構興味があります。できれば翻訳もしたいし。イタリアで知られている日本人の作家さんは少ないんですよ。吉本ばななと、村上春樹くらいです。でも日本の文学はおもしろいものがいっぱいあるからイタリア人にも知ってもらいたいなと思います。

実は今は太宰治にハマっています。日本のデカダンティスムに興味があります。あと谷崎潤一郎とか。

知られてないですね。日本人に紹介したい小説もありますが、私は文化、特に料理や美術を紹介したいです。広島大学にはイタリアの観光地の研究はありますけど、やはりそれは日本人の視点ですよね。私はイタリア人だから違う視点からイタリアを紹介したいと思います。日本人が思っているイタリアのイメージは何か 現実から離れています。

まず日本語を一生懸命勉強して、あとは偏見を持たず、日本に来たらなるべくたくさん日本人の友達を作ることです。留学生は日本人とあまり遊ばず、留学生だけでかたまってしまうことがあるので、それではもったいないなと思います。せっかく日本に来ているので、恥ずかしがらず、日本人の友達をたくさん作り日本の文化をいろいろ体験してみることが大事だと思います。

日本では皆優しいし治安もいいですが、海外に行くとそうとは限りません。いろいろと不便で大変なことも多いと思うので、行く前に準備・覚悟しておいた方がいいと思います。 海外でいろんな人に接して、自分の文化を紹介しながら、その国の文化もたくさん学ぶ。そしてまた日本に帰った時に日本人の友達に 紹介するといいかもしれませんね。やはり今の世界では違う文化を分かち合えるのが一番大事なのかなと思います。皆が仲良くできたら、本当に世界平和はあり 得るのではないかと思います。

私が住んでいる国際交流会館にはいろいろな国の人が住んでいます。パキスタンの人もいるし、南アフリカ、ドイツ、セルビア、本当に世界中から。いつもみんなで話したり、パーティーしたりします。世界がこんな感じになったらいいなと思いますね。だってみんなが自分の国の代表として来てるいでしょう？いいですよね。この間パキスタンの料理を作ってもらって、おいしかったですね。楽しいですよ。

本当に日本が大好きです。これからますます好きになる気がします。毎日新しい人と出会い、楽しいです。

ありがとうございます。

（紅葉狩り）河内にて    

広島のフラワーフェスティバルにて

宮島

竹原（ひな祭りの展示会のとき）

尾道（林芙美子像）