第7回 ペ・ジュングさん(韓国)

「よりインターナショナルに」

名前:ペ・ジュング
年齢:22
国籍:韓国
専攻:生命工学
プログラム:学部生(3年生)
趣味:スポーツ(サッカーからバスケまで何でも)、アメリカンドラマ(プリゾン・ブレイク、ヒーロズ、フレンズなど)

『留学生インタビュー』バックナンバー

留学生インタビューの第7回は、韓国出身の3年生ペ・ジュングさんにお話を伺いました。
ペさんは素晴らしい日本語能力を身につけており、日本の大学院で学ぶことを検討しています。しかし、彼の言語能力は日本語のみにとどまりません。広大に入学以来、学問の為のみならず個人的にも英語学習への意欲を抱いています。どうしてなのでしょうか?続きを読んでみよう!

今日は取材させて頂き、ありがとうございます。早速ですが、どうして日本に留学しようと思ったんですか?

最初は留学に興味はなかったんですが、高校3年生の時に日本の留学プログラムがあると初めて知って、奨学金が受けられることや、プログラムの試験には苦手な国語(韓国語)が入っていなかったことから、受けてみようと思いました(笑)。また韓国よりも、日本の科学は発展しているから、教育環境がいいだろうと思ったんです。

なるほど。広島大学を選んだ理由は?

韓国の日本留学プログラムは毎年学生100人を選抜して、成績順に色んな大学に派遣しています。僕の成績だと広島大学がいいと先生に指導されて、準備を始めました。

来日する前には日本語は勉強されましたか?

実は中学1年生のころに、日本語が母国語のように出来る知り合いのおばさんがいて、1年間ぐらいその人が日本語を教えてくれました。高校では、第2言語として日本語を選んだけど、中学校のころに習った日本語の復習という感じでした(笑)。留学プログラムに受かった時、韓国のキョンヒ大学で半年間、日本語の集中授業を受けて、来日後は広大に入学前に更に半年間日本語の集中コースに入りました。

(日本語の授業が)ハードスケジュールでしたね。初めて来日して、どういう印象を受けましたか?

やっぱり韓国と日本は結構似ていますよね。「看板は日本語だけど、それ以外は一緒だね」という感じです。日本人と韓国人は外見も似ているし、あまり外国って感じじゃありません。広島大学の印象、何より建物です。どの学部でもデザインや形があまり変わらないですね。全部同じように見えました。韓国の大学は、建物のデザインがモダンでオシャレです。すごくびっくりしました(笑)。

へぇー韓国の大学ってオシャレなんですね。ぺさんの学部生活はどんな感じですか?

1年生のころはサッカーのサークルに入っていました。テニスもよくしましたね。韓国ではテニスをやったことがなくて、日本でテニス初体験だったんだけど、もうすでにサークルみたいな韓国人留学生テニス会ができていて、そこで先輩たちが教えてくれました。そのテニス会のお陰で韓国人留学生ともっと仲良くなれました。授業出たり、友達と遊んだり、飲んだり…とても楽しいです。最初はやっぱり韓国人同士で遊んでいましたね。母国語が通じるし、話も合うし、仲良くなりやすいですから。みんなお互いに助け合うし、韓国人の先輩はよくアドバイスをしてくれたり、相談に乗ったりしてくれます。僕が日本に来ている留学プログラムは毎年4、5人広大に来ます。先輩たちが後輩の面倒を見てくれるから、僕は日本に来て今まで一度も困ったことがありません。新入生がすぐ(広大に)なれるように、先輩たちが日本での生活や広大のことを説明してくれるんです。

よくサポートされていますね。広島大学に来て、印象に残ったことってありますか?

日本に留学してよかったと思うのは英語を勉強したいと初めて本気で思うようになったことです。もちろん日本語も勉強したいんですよ。ただ、広大には色んな国の留学生が周りにいて、みんな日本語も勉強しているけど、ほとんどの留学生が英語も話せるんです。「すごいなー」と感心しました。「僕も英語が出来るようになりたいなー」って。それから、学問としての英語じゃなくて、会話重視の勉強を始めました。例えばリスニングをしたり、英語のドラマを見たり、早くみんなと喋れるようになりたい一心でした。韓国でももちろん英語は勉強していましたが、受験用だったんです。いつも苦痛で「あ〜ぁやりたくないのに〜」って(笑)。だから出来はよくなかったんですね。広大では1年生の時に日本人と一緒に英語の授業を受けて、2年生になってから英会話クラスをとりました。その頃に留学生の友達のおかげで英語がすごく上達していて、外国人の先生と仲良くなれるようになっていました(笑)。

広大に来て初めて「英語の勉強って楽しい!」と思いました。留学生の友達とすぐ英語で話せるから。どんどん友達も増えて、異文化コミュニケーションが出来るようになりました。留学生とLake Party(池でのパーティー)をして、一緒に食べたり、飲んだり、コミュニケーションしたりして、英語の勉強が楽しくなったし、すごく身につきました。一番の勉強法は人との付き合いですね。

毎年の留学生懇親会に参加したことがありますか?

ありますが、よくあるのはみんなが自分の国の留学生、例えば韓国人ばかりと集っている光景ですね。そういうのって国際交流じゃないですね。もちろんそうじゃない人もいますが、やっぱりせっかくの懇親会だから、もっとOpen Mind(広い心)を持って欲しいですね。そうじゃないと国際交流なんて出来ないし、会話も始まりませんね。こういう国際交流イベントが増えたら、open mindを持つ学生も増えるんじゃないかと思います。韓国人は外国人と交流したくないというわけじゃないけれど、こういう国際交流の機会がなかったら、友達の輪を広げるのは難しいです。いきなり知らない人にアプローチしたら、なんか違和感がありますよね?でもイベントやパーティーだったら、そういう違和感がないし、逆にアプローチしやすいと思います。

そうですね。自分から輪に入るのはなかなか難しいですからね。さて、卒業したら大学院進学する予定ですか?

はい、大学院に行こうと思っていますが、他の大学に行ってみたいと考えています。誤解しないで欲しいのですが、広島大学はもちろんいい大学です。ただ、ここに残るのはある意味で楽過ぎるんです。環境もシステムにも馴れていますから。別の大学に進学するともっと色々なチャンスが広がると思うんです。今までと違って、もっと色んなことに挑戦したり、違う人と知り合って、新しい経験ができるし、自分も大きくなるだろうと。そして学位取得後はいったん韓国に帰って、もっと経験を重ねてから日本で就職したいです。

日本で就職ですか?すばらしいですね。

いずれにしろ働くんだったら、日本は条件がいいし、必死に覚えた日本語も生かせますよね。多分韓国でもある程度は日本語が使えるんだろうけど、日本ほどではないですから(笑)。

そうですね(笑)。では、広島大学で得たことと言えば、何ですか?

広島大学で得たこと…自分が国際化したことかな?もしずっと韓国にいたら、韓国のことしか知ることができなかったかもしれない。外国人を見るとすごくびっくりするような人間になったかもしれない(笑)。しかし広大に来て、色んな人と出会ったり遊んだりして、「みんな結局同じ人間だな」と分かりました。

素敵ですね。最後に留学したい学生さんや既に留学中の学生さんへのアドバイスをお願いします。

違う国の学生たちと遊ぶだけでも、勉強になることはたくさんあります。特に外国に行ったことがない学生さんには大事なことだと思いますよ。自分の国の人だけではなくて、世界の人々と幅広いネットワークを作ることは自分の糧になりますから。

ありがとうございました。とてもいいアドバイスでした。学部生活は後わずかですが、しっかり勉強して楽しんでください。そして進学も頑張ってくださいね。

ありがとうございました。

フットサルのチームメンバーと一緒に。

毎年の夏に行うINU学生セミナーにて。

留学生たちとLake Partyにて。

宮島の厳島神社にて。


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