INU修士サマースクール'Global Environmental Sustainability'開催報告

2014年INU修士サマースクール(環境科学分野)

INU環境系修士サマースクール”Global Environmental Sustainability - Water Security-“が、2014年8月3日から9日までの日程で開催されました。本サマースクールは、今回が3回目で、広島大学がホストを務め、INU加盟大学を中心に7つの大学から学生や教員が参加しました。

本 サマースクールでは、講義やフィールドワーク、学生による発表やそれに基づく議論等で構成されました。海岸ゴミの調査、河川および海域での水質調査、河川 の開発・利用とその問題点に関する講義、学生による母国の水環境事情に関する課題発表、河川の上流・下流に立場分けした模擬国連形式の討論等が行われまし た。また、日本文化体験としては、平和記念式典への参列、西条の酒蔵訪問(オプショナル)、カラオケ体験(オプショナル)等が行われました。

ほとんどの学生が、今回のサマースクールに参加する価値があったと感じており、終了後に行った無記名のアンケート(5点満点)の結果では、アカデミックな事柄(講義、フィールド調査等)に関しては4.6、アカデミック以外の事柄(平和記念式典や学生交流等の異文化交流や体験)では4.8と高評価を得ました。また、外国からの参加教員からも本サマースクールに対し、全般にわたり高評価を得ており、特に、今年度から取り入れた模擬国連形式での討論や看護グループとのジョイント・レクチャーは、大変有意義なものになったとの意見がありました。

サマースクール期間中、参加者は積極的に交流を深めており、さらにはサマースクール修了後にも電子メールその他のコミュニケーションツールを使用して、様々なイベント・近況について連絡を取り合っており、極めて強い絆が築かれたと思われます。 以上、本サマースクールは、水域環境分野のスペシャリストを養成するという教育目標に加え、広島大学のみならず世界各国の参加大学の修士学生および教職員の国際化に対して大きな貢献をしたと考えます。

2013年INU修士サマースクール(環境科学分野)

2013 トピック: 「地球環境の持続性-気候変動と沿岸域における災害

【プログラム概要】

・各国環境学者による講義と演習
・フィールドワーク(練習船や海岸探索)を通して、沿岸域の環境評価手法を学びます
・世界各国からの参加学生による自国の水環境の諸問題の紹介があります
・平和式典への参列、日本文化体験など、広島ならではの体験もあります

【主な学習目的】

・世界各国の教員や学生の発表や議論を通して、気候変動と沿岸域における災害に関する問題で共通点や相違点を認識できるようにする
・これらの問題の解決法を他国の例から学ぶ

【単位について】

本サマースクールにおいて、すべての日程に参加し、所定のレポート等を提出した生物圏科学研究科の学生は、指導教員に申し出ることにより、以下の単位を取得することが可能です。他研究科の学生は、各研究科のルールに従い、選択科目として同様の単位取得が可能となるよう、それぞれの指導教員と相談ください。

・学術ボランティア演習(1 単位)
・外国語コミュニケーション(A)(1 単位)
・プレゼンテーション(A) (1単位)

 【参加資格】

・INU加盟大学(広島大学を含む)の博士前期課程(修士課程)に在籍する学生
・英語による講義や議論に参加できる者
・全ての行事に参加できる者

【開催期間】 2013年8月3日(土)~9日(金)

【プログラム日程】

日付 活動内容
8月3日(土) 懇親会、および生物生産学部竹原実験所訪問(磯生物観察、講義)等
4日(日) サマースクールの概要紹介、カントリー・レポートの発表、およびウェルカムレセプション等
5日(月) 練習船豊潮丸による広島湾の水質・底質調査演習等
6日(火) 平和記念式典参加等
7日(水) 気候変動と沿岸域における災害に関連する講義等
8日(木) 宮島訪問、および研究所訪問等
9日(金) サマースクールのまとめ、議論、修了式、およびフェアウェルレセプション等

 

2012年INU修士サマースクール(環境科学分野)

広島大学をホストとして開催された、第1回INU修士サマースクール「地球環境の持続性:沿岸域の環境再生技術と管理手法」は、海外および日本のINU加盟大学8校に非加盟校1校を加え、成功裏に幕を閉じました。詳細は以下の通りです。

【参加大学】 広島大学、ジェームス・マディソン大学(アメリカ)、マルメ大学(スウェーデン)、キョンヒ大学(韓国)、フリンダース大学(オーストラリア)、ロヴィ ラ・イ・ヴィルジリ大学(スペイン)、カトリック・パラヤンガン大学(インドネシア)と立命館アジア太平洋大学およびグリフィス大学(オーストラリア)

【参加者】 学生16名(うち7名が海外)、教員16名(うち7名が海外)、計32名。

【開催期間】 2012年8月3日(金)~8月9日(木)

【プログラム日程】

日付 活動内容
8月3日(金) 参加学生によるカントリー・レポート、ウェルカムレセプション
4日(土) 生物生産学部附属練習船豊潮丸を用いたフィールドワーク
5日(日) 瀬野川河口での干潟修復状況の視察とカキ殻加工場見学
6日(月) 平和記念式典参加、被爆樹木見学、原爆資料館見学
7日(火) 宮島水族館および厳島神社見学、瀬戸内海区水産研究所訪問
8日(水) 外国人教員による講義(藻場の保全と海洋保護区)
9日(木) グループ・ディスカッション、フェアウェルレセプション

参加者から の評判は極めて良好で、特に豊潮丸の乗船体験や広島平和式典への参加には、高い興味を示していました。参加学生たちからは、沿岸環境問題に関する国家間の 相違点や共通点を認識することができたという声が高くありました。当初はなかなか英語がすぐに出てこなかった日本人学生も、終盤にはかなり積極的なコミュ ニケーションをとれるようになっていました。外国人学生は、初めて日本の文化に触れることができ、是非また必ず日本に来たいという意見がありました。彼ら の帰国後も、交換したメールアドレスやフェイスブック等を通して情報交換が盛んに行われています。

このように、本サマースクールは、水圏環境科学の専門知識を向上させるという教育効果だけでなく、広島大学大学院学生の国際対応力の強化、さらには広島大学教員および職員の国際発信力強化にも大きく貢献したという実感が持てました。

豊潮丸上におけるサンプリングの様子

8月9日に行われたグループ・ディスカッションの様子

参加者による集合写真


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