先端物質科学研究科

あ行

微生物の無限の可能性に魅せられて

先端物質科学研究科 青井 議輝 准教授

【好きな言葉】
Connecting the Dots
​【休日の過ごし方】
テニス、娘(1歳半)とデート
【お気に入りの場所】
グリーンランド。氷床から解け出した水が作り出す無数の小川が、太陽に照らされて地平線の果てまで銀色に輝く景色は一生忘れられません
【最近の「いいね!」】
中学生に「研究で一番楽しいことは?」と聞かれ「自分にしか見えない未来が見えること」と答えたとき、生徒たちの目がさらにキラキラ輝いたこと
【専門を説明するキーワード】
未知微生物、難培養、休眠・覚醒
【今、取り組んでいる研究】
環境中の99%以上の微生物は培養できません(つまり未解明・未利用)。なぜ培養できないのか?培養可能にする新しい方法は?微生物学上の大難題の解明に取り組んでいます。培養可能になったとき、医薬品の開発や新しい学術体系の確立など、人類に与えるインパクトは極めて大きいと思います。

■1976年生まれ ■東京都出身
■しし座 ■AB型
■早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。同大助教、Northeastern大学Visiting Scholar、本学テニュアトラック講師などを経て、17年から現職。専門は環境微生物学。

(第88号・2018年3月取材)

広大人通信80号池田先生

バイオミネラリゼーションから新たな機能を

先端物質科学研究科 池田 丈 助教

【好きな言葉】
合理的
​【休日の過ごし方】
よく眠る。ときどき子供と遊ぶ(虫捕り・TV ゲームなど)
【お気に入りの場所】
義母の実家のある和歌山の山の中。近くの川で、毎年夏休みに家族で釣りや水遊びをしています
【最近の「いいね!」】
昨年発表した論文が生物工学論文賞を受賞しました
【専門を説明するキーワード】
細菌、バイオミネラリゼーション、固体結合タンパク質、バイオ融合デバイス
【今、取り組んでいる研究】
細菌が鉱物であるシリカを細胞内で形成するメカニズムの解析を通して、生物による鉱物形成(バイオミネラリゼーション)に関与するタンパク質を探索しています。得られたタンパク質はシリカに対する親和性を有しており、このようなタンパク質を接着材として利用することで、産業的に広く用いられているシリカの表面に別の有用タンパク質を固定化し、新たな機能を創出するという研究を進めています。

■1980年生まれ ■福井県出身
■うお座 ■A型
■東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。本学ナノデバイス・バイオ融合科学研究所研究員、特任助教などを経て、11年から現職。専門はタンパク質工学。

(第80号・2017年7月取材)

人通信94号井村先生

ギャップ萌えの物理学

先端物質科学研究科 井村 健一郎 助教

【好きな言葉】
一期一会
​【休日の過ごし方】
知的発見の旅に出ています
【お気に入りの場所】
奈良興福寺の阿修羅像
【最近の「いいね!」】
大坂なおみ選手の全米オープン優勝
【専門を説明するキーワード】
理論物理学、トポロジカル絶縁体、原子と電子の世界
【今、取り組んでいる研究】
トポロジカル絶縁体の研究。通常の絶縁体の場合、電子のエネルギー準位にギャップがあるため電気が流れません。一方、トポロジカル絶縁体はギャップがあるのに電気を通し、多くの物理学者がこの性質に注目しています。ギャップ萌えです。トポロジカル絶縁体では電気が物質の内部ではなく、表面のみに流れます。また、不純物などは避けて流れます。この性質を生かした超低消費電力デバイスを可能にし、エネルギー・環境問題の解決に貢献できないか研究しています。

■1973年生まれ ■東京都出身
■東京大学工学系研究科博士課程修了。パリ第11大学、カールスルーエ大学、理化学研究所などでポスドク研究員、東北大学理学研究科助教を経て、10年から現職。専門は理論物理学・物性物理学。

(第94号・2018年9月取材)

染色体の不思議を研究

先端物質科学研究科 上野 勝 准教授

【好きな言葉】
人間万事塞翁が馬
​【休日の過ごし方】
テニス、バンド(電子ドラムとコーラス)、ギターの練習、映画観賞
【お気に入りの場所】
春は鏡山の桜、夏は瀬戸内海や日本海の海岸、秋は宮島の紅葉、冬は芸北のスキー場と露天風呂
【最近の「いいね!」】
テニスでいいショットが打てた時やギターのコードがキレイに鳴った時
【専門を説明するキーワード】
染色体、テロメア、DNA 修復、がん、蛍光顕微鏡
【今、取り組んでいる研究】
がんは遺伝子の変異による生命の設計図(染色体)の異常によって生じますが、まだまだわからないことがたくさんあります。現在、酵母や遺伝病患者の血液細胞などを用いて、染色体がどのように安定に維持され、機能を発現するのかなどの研究を行っています。これらの研究を通じて、がん治療や予防、さらには早期発見の研究にも挑戦したいと考えています。

■1967年生まれ ■大阪府出身
■いて座 ■B型
■京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程修了。マサチューセッツ工科大学ポスドク、静岡大学理学部助手を経て、05年から現職。専門は生物学。

(第90号・2018年5月取材)

 


 

か行
広大人通信98号加藤先生

未開の分野 微生物の細胞死を解明したい

先端物質科学研究科 加藤 節 助教

【好きな言葉】
人生は選択の連続である
​【休日の過ごし方】
子どもとひたすら遊び、一緒に昼寝する
​​​​【お気に入りの場所】
先端物質科学研究科棟の7階から眺めた満月
【最近の「いいね!」】
レモン
【専門を説明するキーワード】
表現型の多様性、1細胞観察、定量生物学
【今、取り組んでいる研究】
微生物は有用物質を生産したり、発酵食品を作ってくれたりと、私たちの生活を豊かにするために欠かせない生物です。私は微生物の形態や増殖の様子を顕微鏡で観察し、その特性を定量的に理解することを目的に研究を行っています。最近は特に「微生物における細胞死はどのように起こるのか」という疑問に興味を持って研究を進めています。細胞の死については、まだ不明な点が多く、これからの研究で定量的な解析(数値)により死への過程を理解していきたいです。これらの知見がいずれ応用研究の基盤となることを期待しています。

■1982年生まれ ■神奈川県出身
■さそり座
■東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。博士(農学)東京大学。イェール大学博士研究員を経て、17年から現職。専門は微生物学。

(第98号・2019年1月取材)

 


 

た行

広島大学からノーベル賞を!

先端物質科学研究科 登田 隆 特任教授

【好きな言葉】
平常心是道
​【休日の過ごし方】
Sunday Trip 日曜日ごとにいろんな場所に遊びに行っています
【お気に入りの場所】
弥山、竹林寺、三段峡、西国街道沿いの古い町並み
【最近の「いいね!」】
広島カープが首位を独走していること
【専門を説明するキーワード】
生命科学、細胞分裂、ガン化、健康長寿、酵母
【今、取り組んでいる研究】
細胞分裂に関する我々の研究を、人の健康長寿・幸福社会の実現に役立てたいと思います。具体的には、新規抗がん剤の探索と開発や未知の新分野開拓を目指して、研究にまい進しています。また、ノーベル賞を受賞するような科学界を背負う広島大学若手研究者の育成や、学部・大学院生に対する教育活動に取り組んでいます。サイエンスの楽しさ、科学者であることの幸福感を伝え、広島大学において研究者を目指す学生さんが、より増えてほしいと思います。

■山口県出身
■京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了。コールドスプリングハーバー研究所上級研究員、京都大学理学部講師、フランシス・クリック研究所部門長を経て、15年から現職。専門は分子細胞生物学。

(第92号・2018年7月取材)

 


 

な行
ひと通信99号中の先生

糖と私のパワーで癌の早期発見に挑む!

先端物質科学研究科 中の 三弥子 准教授

【好きな言葉】
明日できることも今日する
​【休日の過ごし方】
研究とテニス。目標はウィンブルドン
【お気に入りの場所】
広大第5テニスコートと一人カラオケボックス
【最近の「いいね!」】
私とプレースタイルの似ている(パワーテニス!)大坂なおみ選手が全豪オープンで優勝
【専門を説明するキーワード】
糖鎖生物学、分析化学、グライコプロテオミクス
【今、取り組んでいる研究】
我々の赤血球の表面には、ブドウ糖などが鎖状につながった「糖鎖」が存在し、つながっている種類によりABO血液型が決定します。また、糖鎖の糖は病気になるとつながり方や種類が変化すると言われています。私は、この変化を癌の早期発見に使えないか、病気の治療に応用できないかという研究をしています。血液を調べただけで、体のどこにどんな癌があるかが分かる日も遠くはありません。

■1973年生まれ ■大阪府出身
■かに座
■薬剤師として薬品会社で勤務。退職後、近畿大学薬学研究科博士後期を修了。米国ジョンズ・ホプキンズ大学、大阪大学医学研究科、豪州マッコーリー大学を経て、12年から現職。専門は糖鎖生物学。

(第99号・2019年2月取材)

 


 

は行

広大人通信第78号廣田先生

すごいぞ!微生物の力

先端物質科学研究科 廣田 隆一 助教

【好きな言葉】
創意工夫
​【休日の過ごし方】
発酵(飲)食品、いわゆるお酒を堪能。体の疲れをとるように時々ランニング、山歩きなどをしています
【お気に入りの場所】
池と山が見える宿舎からの美しい眺め
【最近の「いいね!」】
割と近くにおいしいパン屋ができたこと
【専門を説明するキーワード】
微生物、環境、リン、バイオテクノロジー
【今、取り組んでいる研究】
微生物の仕組みを解き明かす基礎研究と、微生物の特殊な機能をうまく生かして、環境や資源、エネルギーなど、人類社会が抱える諸問題の解決に貢献できる応用研究を行っています。特に、あらゆる生命に欠かすことができない元素「リン」に注目しています。微生物を用いてリンの代謝メカニズムを解明し、リンをコントロールすることで、リン資源枯渇問題の解決や遺伝子組み換え微生物の安全な利用を目指します。

■1974年生まれ ■熊本県出身
■おうし座 ■A型
■広島大学大学院先端物質科学研究科博士課程後期修了。筑波大学博士研究員等を経て07年から現職。専門は応用微生物学。

(第78号・2017年5月取材)

広大人通信第86号舟橋先生

生物の機能を積極的に活用する!

先端物質科学研究科 舟橋 久景 准教授

【好きな言葉】
武士は食わねど高楊枝
​【休日の過ごし方】
ドライブ、子供と遊ぶ
【お気に入りの場所】
瀬戸内の島々
【最近の「いいね!」】
広島には海の幸も山の幸も、またそれらに合うお酒やお醤油もたくさん。海の幸には海沿いの醸造所のお醤油が合うなど発見も多いです
【専門を説明するキーワード】
バイオセンシング、ライブセルイメージング、遺伝子組換えタンパク質、DNAナノテクノロジー
【今、取り組んでいる研究】
タンパク質などの機能を活用し、糖尿病・がんなどの病態が判断できる指標(バイオマーカー)を測定する方法を探求中。専門技術や機器を用いなくても、簡単に病気を発見できるようなツールの開発を目指しています。また生細胞の機能を有効に活用するため、細胞を殺すことなく内部情報を測定する技術の開発にも取り組んでいます。

■神奈川県出身
東京工業大学大学院生命理工学研究科博士後期課程修了。Cornell University Post-Doctoral Associate、東京農工大学助教、本学テニュアトラック講師などを経て、16年から現職。

(第86号・2018年1月取材)

 


 

ま行

広大人通信82号水川先生

10年先、当たり前になるデバイスを作りたい

先端物質科学研究科 水川 友里 助教

【好きな言葉】
かなしみはちからに、欲りはいつくしみに、いかりは智慧にみちびかるべし(宮沢賢治の名言)
​【休日の過ごし方】
サイクリング、映画鑑賞、読書、釣り。長期休暇は旅行
【お気に入りの場所】
鞆の浦、尾道
【最近の「いいね!」】
カープ、リーグ優勝おめでとう!
【専門を説明するキーワード】
総合理工、半導体工学、薄膜作製、電磁気学
【今、取り組んでいる研究】
シリコンからトランジスタ(電気の流をコントロールする部品)を作成する研究を行っています。シリコンを低温で結晶化させることができれば、より薄くて軽い曲面ディスプレイなどの開発が実現できます。元々は医療工学系で、磁場と生物を扱う分光計測をやっていたので、遠い将来には、医療分野で使用されるセンサーの改良、小型化・ウェアラブル化ができたらと考えています。

■岡山県出身
■広島大学大学院先端物質科学研究科博士課程後期修了。日本学術振興会特別研究員PDを経て17年から現職。

(第82号・2017年9月取材)

 


 

や行
人通信大学96号湯川先生

酵母をパートナーに、薬の種を探索

先端物質科学研究科 湯川 格史 特任助教

【好きな言葉】
虚心坦懐
​【休日の過ごし方】
ラーメン屋巡り、スポーツ観戦、映画観賞
【お気に入りの場所】
しまなみ海道、地元の大原野神社
【最近の「いいね!」】
東広島市高屋町にあるラーメン屋さん
【専門を説明するキーワード】
染色体分配、微小管、キネシンモーター、酵母、抗がん剤
【今、取り組んでいる研究】
細胞の形を維持している 細胞骨格の一つ、微小管は、細胞分裂期に染色体を娘細胞に均等分配するための装置として働きます。この分配装置の形成メカニズムには、キネシン(微小管上を移動するモータータンパク質)が関わっています。キネシンの動きを制御できれば、がん細胞の増殖を抑制できるかもしれません。このことを、酵母を使って研究しています(酵母はヒトの細胞に近いと言われています)。副作用の少ない抗がん剤をはじめ、“ 薬の種”になるような物質を見つけたいです。

■1972年生まれ ■京都府出身
■さそり座
■広島大学大学院工学研究科博士課程後期修了。博士(工学) 広島大学。05年本学工学部助手、13~15年英国癌研究所客員研究員を経て、17年から現職。専門は分子細胞生物学。

(第96号・2018年11月取材)


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