文学部・文学研究科

あ行

いずれも、地表圏システム学に属する課題

文学研究科 伊藤 奈保子 准教授

【好きな言葉】
方便を究竟と為す『大日経』
​【休日の過ごし方】
自宅で休む
【お気に入りの場所】
ボロブドゥル、厳島。西条のお食事は、ふく政、楓、サルディーニャリゾート(Gallery 併設)。弥山からの眺望
【最近の「いいね!」】
県立歴史博物館(ふくやま草戸千軒ミュージーアム)で6月3日まで開催される「広島ものづくり―塩・備後表・備後絣・伝統的工芸品―」は当分野の学生も関わった企画。ぜひご観覧くださいませ
【専門を説明するキーワード】
密教、インドネシア、シュリヴィジャヤ、日本工芸史
【今、取り組んでいる研究】
インドからインドネシアへの密教伝播について研究をしています。また、日本の伝統工芸・手仕事を深く理解するために、毎年学生と職人、地域の方々と共に、備後藺草の植え付け、刈り取り、畳制作などを行い、15年からは、広島の伝統工芸のワークショップおよび展覧会を開催しています。

■東京都出身
■うお座 ■B型
■総合研究大学院大学文化科学研究科博士後期課程修了。ガジャマダ大学非常勤講師などを経て、07年から現職。専門は古代インドネシア宗教美術史、日本工芸史。

(第89号・2018年4月取材)

広大人通信第91号上野先生

ローマも研究も、一日にしてならず

文学研究科 上野 貴史 准教授

【好きな言葉】
ローマは一日にしてならず
​【休日の過ごし方】
研究に没頭しています
【お気に入りの場所】
フィレンツェ。町の中を歩いて回ると、よい気分転換になります
【最近の「いいね!」】
広島大学に来て1 年目に担当した学生が卒業・大学院へ進学したこと
【専門を説明するキーワード】
イタリア語、日本語、統語論、言語変化、言語進化
【今、取り組んでいる研究】
言語というのは常に変化しています。 古イタリア語における統語構造が、現代イタリア語に至るまで、どういった推移で変化しているかを研究しています。現在は、ダンテをはじめとするイタリア人作家の膨大な文献から、複文が単文化するという現象を調べています。気の遠くなるような研究も、仮説を証明できた喜びには代え難いものがあります。

■1966年 ■大阪府出身
■やぎ座
広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了。大阪女子短期大学教授などを経て、15年から現職。専門は歴史言語学・理論言語学。

(第91号・2018年6月取材)

広大ひと通信93号大野先生

文法の歴史的変遷をたどる

文学研究科 大野 英志 准教授

【好きな言葉】
行く道は精進にして 忍びて 終わり悔いなし
​【休日の過ごし方】
家族と一緒に旅行、お店巡り。自宅で撮りだめたビデオ観賞
【お気に入りの場所】
北海道のなだらかな畑。英国ウィンチェスター
【最近の「いいね!」】
広大に着任して3年、徐々に学生の顔が認識できるようになったこと
【専門を説明するキーワード】
チョーサー、文体、英語史、非人称構文
【今、取り組んでいる研究】
14世紀の詩人チョーサーの文献で用いられる、文法の研究を行っています。Dreamやlikeなどの特定の動詞にだけ見られた特徴ですが、中世では動作を行った「人」が主格ではなく目的格で使われる構文がありました(非人称構文)。どのように非人称構文から人称構文に変化していったのか―同じ文献の、異なる時代に作成された版を比較することで、その歴史的変遷を解明しようと取り組んでいます。

■1970年■岡山県出身
■みずがめ座
■広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)広島大学。倉敷芸術科学大学准教授などを経て、16年から現職。専門は文献学、特に中世英語英文学。

(第93号・2018年8月取材)

広大人通信第100号岡本先生

倫理の諸問題に幅広く挑む

文学研究科 岡本 慎平 助教

【好きな言葉】
Ars longa, vita brevis(やりたいことをやり抜くには人生は短い)
​【休日の過ごし方】
自宅でゲームか、ジムで運動
【お気に入りの場所】
学会でポルトガルに行った時に寄ったロカ岬
【あなたの100 点なところを教えてください】
広く浅く、興味を持ったらどんどん新しいことに挑戦できるところ
【専門を説明するキーワード】
ロボット倫理、メタ倫理学、価値論、理由の規範性、功利主義
【今、取り組んでいる研究】
SNS などに投稿される文章から要素を抽出し、人工知能でシミュレートすることで、人々の道徳的な発言(良し悪しについて述べている)とそうでないものの違いを分析する計画を立てています。SNS でどういう発言が炎上するのか、そのメカニズムの解明につながればと思います。ドーピング禁止など、スポーツ倫理をビデオゲーム対戦(e スポーツ)に拡張する際の可能性や問題点についても検討しています。

■1986年■広島県出身
■広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)広島大学。18年から現職。専門は英米倫理学、応用倫理学。

(第100号・2019年3月取材)

 


 

か行
人通信94号後藤先生

地理学者として常にフィールドから学ぶ

文学研究科 後藤 拓也 准教授

【好きな言葉】
一日生きることは一歩進むことでありたい
​【休日の過ごし方】
家族で買い物
【お気に入りの場所】
インド北部ハリヤーナー州の農村景観
【最近の「いいね!」】
母校の地理学教室に14 年ぶりに戻ってこられたこと
【専門を説明するキーワード】
農業地理学、アグリビジネス、企業の農業参入、日本、インド
【今、取り組んでいる研究】
現代農業において影響力を増している食品企業や商社など「アグリビジネス」と呼ばれる企業群の活動が、農業地域にどのような影響を与えるのかを、フィールドワークによって研究しています。特に近年は、日本政府が進める「企業の農業参入」に着目し、それが日本の過疎地域に与える影響を調査しています。また、これまでの研究手法を生かして、広大の地理学教室が1967 年以来進めているインドの農業・農村研究にも取り組んでいます。

■1974年 ■福岡県出身
■うお座
■広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)広島大学。九州大学研究員、高知大学准教授を経て、18年から現職。専門は人文地理学、農業地理学。

(第94号・2018年9月取材)

 


 

さ行
広大人通信79号下岡先生

テクストを読む力は己と世界を読みかえる力

文学研究科 下岡 友加 准教授

【好きな言葉】
独立独歩
​【休日の過ごし方】
元同僚に誘われて昨年からフットサルを始めました。練習時間が少なく、かなり下手ですが、体力増進?には役立っています
【お気に入りの場所】
中央図書館三階の窓際のソファー。キャンパスの自然の変化と人の行き来が一望でき、趣味の俳句をつくるヒントに
【最近の「いいね!」】
交流戦も(今のところ)、カープの調子が良いこと
【専門を説明するキーワード】
志賀直哉、白樺派、黄霊芝、テクスト分析、メディア研究
【今、取り組んでいる研究】
志賀直哉に関する単著も出版していますが、現在は台湾人日本語作家・黄霊芝(1928-2016)に関する考察を書物にまとめるべく奮闘中です。諧謔と哀感に満ち、人間中心主義を脱臼するような黄文学の世界をより多くの人に知っていただければと思っています。

■1972年生まれ ■広島県出身
■みずがめ座 ■A型
■広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。博士(学術)広島大学。台湾・銘伝大学応用日語学系助理教授、県立広島大学人間文化学部准教授などを経て、16年から現職。専門は日本近代文学、日本語文学。

(第79号・2017年6月取材)

 


 

た行
人通信第96号高永先生

コミュニケーションの現場に立ちあう

文学研究科 高永 茂 教授

【好きな言葉】
答えは既にそこにある
​【休日の過ごし方】
最近は主に執筆活動をしています
【お気に入りの場所】
今年5 月に出張で訪れたベトナムのホーチミン市。多文化が入り交じった刺激的な場所です
【最近の「いいね!」】
9月に全国学会を本学で開催しました。豪雨災害により交通機関にも大きな影響が出ましたが、目立ったトラブルもなく無事に終えることができました。教員、学生ともに有能な人が多いとあらためて感じました
【専門を説明するキーワード】
コミュニケーション、人びと、社会、暮らし、語り
【今、取り組んでいる研究】
医療コミュニケーションの研究に取り組んでいます。医師と患者という非対称の条件下で、より良いコミュニケーションを取るためにはどうすればよいのかについて医療関係者と共同で研究を進めています。

■1961年生まれ ■熊本県出身
■うお座
■広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。博士(文学)広島大学。呉大学教授、本学文学研究科准教授などを経て、09年から現職。専門は、コミュニケーション論。

(第96号・2018年11月取材)

 


 

な行
広大人通信第80号中村先生

歴史と向き合い、多文化共生の可能性を探る

文学研究科 中村 平 准教授

【好きな言葉】
やりたいことの追求
​【休日の過ごし方】
山登りや山スキー、沢登りにもっと行きたいです
​​​​【お気に入りの場所】
昨年は奥三段峡の沢を歩きました
【最近の「いいね!」】
社会的、政治的につらく悲しくなるニュースが多いですが、教育研究の活動には希望を持ちたいと思っています
【専門を説明するキーワード】
日本植民主義、歴史経験、台湾先住民、日本人、暴力の記憶
【今、取り組んでいる研究】
フィールドワークをしながら、台湾先住民と近代国家の関係を歴史経験に影響を及ぼす植民主義の観点から研究しています。『植民暴力の記憶と日本人: 台湾高地先住民と脱植民の運動』という著書を出版すべく努力しています。教育においては、留学生の教育プログラムに多く関わっています。教育研究活動を通して、歴史認識を共有・分有し多文化が共生される世界を目指しています。

■東京都出身
■台湾大学文学院人類学系修士課程修了。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程(日本学)修了。博士(文学)大阪大学。日本学術振興会特別研究員、韓国や関西の大学や専門学校の教員を経て、16年から現職。専門は日本学、人類学。

(第80号・2017年7月取材)

 


 

は行
広大人通信84号下岡先生

モンゴル帝国の多様性に迫る

文学研究科 舩田 善之 准教授

【好きな言葉】
寛容・忍耐・挑戦
​【休日の過ごし方】
映画鑑賞、食べ飲み・街歩き…と言いたいところですが、昨今は原稿執筆や雑務が多くて…
【お気に入りの場所】
クラフトビールのバー、モンゴルの大草原
【最近の「いいね!」】
オランダ・ベルギーで色々なビールを堪能
【専門を説明するキーワード】
モンゴル帝国、多様性、言語、碑文、文書
【今、取り組んでいる研究】
モンゴル帝国のさまざまな局面における多様性に関心があります。ユーラシアの13 ~ 14 世紀は、異なる言語・宗教・文化を背景とする人々が時には協力し、時には衝突した興味深い時代。帝国と征服地との間には支配・被支配の関係だけでなく、地域社会との協力関係があったことがわかり注目しています。新たな知見を提出すべく、フィールドワークで実見した碑文や近年公刊された資料集のテキストを日夜分析しています。

■1972年生まれ ■愛媛県出身
■早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。博士(文学)早稲田大学。日本学術振興会特別研究員PD、九州大学大学院人文科学研究院講師を経て、16年から現職。専門は東洋史。

(第84号・2017年11月取材)

 


 

や行
広大人通信第87号八尾先生

日本人が解き明かすヴェトナム史

文学研究科 八尾 隆生 教授

【好きな言葉】
逃げるは恥だが役に立つ
​【休日の過ごし方】
残業、買い物、洗濯など平日にできなかったことをまとめて
【お気に入りの場所】
ヴェトナム。世界遺産がたくさんありますし、ハロン湾のクルーズも楽しいですよ
【最近の「いいね!」】
東洋史学分野の4 年生10人が無事に卒業できそうなこと
【専門を説明するキーワード】
東洋史学、ヴェトナム史学、東南アジア学、文献史学
【今、取り組んでいる研究】
15~18世紀ヴェトナムの政治史、官僚制度、軍事体制、科挙制、土地開拓史など幅広い問題が研究対象。現地で自ら収集した史料を用いて分析し、その時代性の解明に取り組んでいます。最近は、漢文で書かれた刑律の原典の校訂(原文を諸本と比較して正す)作業に力を入れ、定説を覆す発見もできました。本国の研究者では解析できないことを外国人の私ができるのが醍醐味です。

■大阪府出身
■京都大学大学院文学研究科研究指導認定退学。博士(文学)大阪大学。大阪外国語大学助教授、本学大学院文学研究科准教授などを経て、10年から現職。専門は東洋史学。

(第87号・2018年2月取材)

 


 

ら行
広大人通信第98号劉先生

戦後の日本を知る

文学研究科 劉 金鵬 助教

【好きな言葉】
偏見は楽しいが、無知は楽しくない​
【休日の過ごし方】
2歳のかわいい娘と遊びます
​​【お気に入りの場所】
宍道湖畔。最近ですと上海の旧霞飛坊
【最近の「いいね!」】
教員になって最初の教え子たちが、順調に卒論を書き始めたこと。感謝感謝です
【専門を説明するキーワード】
戦後、アジア論、竹内好(よしみ)、近代化、日中文化交流
【今、取り組んでいる研究】
博士論文までは、文学者・竹内好を中心に、戦後日本の知識人のアジア論を考察しました。今は、60年代における「アジア主義」をめぐる言論に力点を置いて、研究を進めています。また、学問的に取り上げられることは少ないですが、戦後、国交正常化前の日中文化交流の歴史にも興味があります。50年代に来日した視察団は広島大学にも訪れています。団長の郭(かく)沫(まつ)若(じゃく)の足跡をたどり、当時の交流の様子を知りたいと思っています。

■1984年生まれ ■中国出身
■てんびん座
■中国・外交学院卒業、広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)広島大学。本学大学院文学研究科教育研究補助職員を経て、18年から現職。

(第98号・2019年1月取材)


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