医学部・歯学部・薬学部・医歯薬保健学研究科

あ行
人通信88号大野先生

「蓄える」と「燃やす」脂肪の2つの機能

医歯薬保健学研究科 大野 晴也 助教

【好きな言葉】
一期一会
​【休日の過ごし方】
家族でバーベキュー。広島県内のデイキャンプ場によく行きます
【お気に入りの場所】
元宇品の海岸、比治山
【最近の「いいね!」】
6歳の娘の甘いもの好きさ加減。桜餅や洋酒ケーキ、シナモンロールも大好きで食べっぷりがいいね!です
【専門を説明するキーワード】
代謝学、糖尿病、褐色脂肪細胞、エピゲノム
【今、取り組んでいる研究】
脂肪細胞はエネルギーを貯蔵する白色脂肪細胞と、熱を産生する褐色脂肪細胞の2つに分けられます。白色脂肪細胞は昔から研究が進んでいる一方、褐色脂肪細胞は最近になって研究が盛んになってきている注目の細胞です。褐色脂肪細胞の分化機構を解明することが大きなテーマです。褐色脂肪細胞を増やして、エネルギーを燃焼させることで肥満症や糖尿病への治療応用ができないかと試行錯誤しています。

■1977年生まれ ■広島県出身
■かに座 ■A型
■広島大学大学院医歯薬学総合研究科博士課程修了。カリフォルニア大学サンフランシスコ校糖尿病センター博士研究員を経て、15年から現職。専門は内分泌・糖尿病学。

(第88号・2018年3月取材)

人通信第96号大澤先生

細胞をストレスから守る!

医歯薬保健学研究科 小澤 孝一郎 教授

【好きな言葉】
継続は力なり(実家で母が掲げてくれていました)
​【休日の過ごし方】
読書か草抜き。どちらも没頭できます
【お気に入りの場所】
日本海に沈む夕日が見られる、地元の母校
【最近の「いいね!」】
終わってしまいましたが、日本シリーズ。実はパ・リーグが好き
【専門を説明するキーワード】
薬物治療、薬理作用、小胞体ストレス、疾病発症機序解明、創薬
【今、取り組んでいる研究】
精神的ストレスや体内の酸化ストレスなどにより、細胞内の小胞体がストレスを受けると、不良タンパク質が蓄積し、細胞が機能しなくなります。これが、がんやアルツハイマー、肥満、糖尿病などを引き起こす要因の一つとなります。小胞体ストレスを軽減する薬の開発のために、これらの病気の発症メカニズムに、小胞体ストレスがどのように関わっているのかを解明したいと思っています。

■1959年生まれ ■島根県出身
■かに座
■広島大学大学院医学系研究科博士課程後期修了。薬学博士(広島大学)。日本学術振興会特別研究員、米国留学、本学医学部助手などを経て、99年から現職。専門は薬物治療学。

(第96号・2018年11月取材)

立体構造からウイルスの本質を探る

医歯薬保健学研究科 小田 康祐 助教

【好きな言葉】
千里の道も一歩から
​【休日の過ごし方】
ドライブ、映画観賞、麻雀
【お気に入りの場所】
実家。呉の工場の夜景。子どもの頃に遊んでいた神社に雰囲気が似ている大三島の大山祇神社
【最近の「いいね!」】
家族旅行が増えたこと。今年の夏は北海道に行きますが、計画はほとんど弟妹にしてもらうので、頭が上がりません
【専門を説明するキーワード】
X線結晶構造解析、構造生物学、パラミクソウイルス、抗ウイルス薬
【今、取り組んでいる研究】
麻疹ウイルス等ヒトに感染するウイルスを多く含むパラミクソウイルス科では、ウイルスの増殖に極めて重要な役割を持つアクセサリータンパク質が、ウイルス生活環の複数のステップに影響を及ぼします。この物質がどのように病原性を高めるのかという研究を通して、抗ウイルス薬を開発し、医学に貢献したいと考えています。

■1981年生まれ ■広島県出身
■ふたご座
■広島大学大学院医歯薬学総合研究科博士課程修了。本学医歯薬学総合研究科助手などを経て、12年から現職。専門はウイルス学、構造生物学。

(第92号・2018年7月取材)

 


 

か行
広大人通信86号加藤先生

多様なアプローチで挑戦し続ける

医歯薬保健学研究科 加藤 功一 教授

【好きな言葉】
ユニーク
​【休日の過ごし方】
ドライブ
【お気に入りの場所】
家族の集う自宅、一人きりの車中、メンバーと苦楽を共にする研究室
【最近の「いいね!」】
山陽道の吉備SAから大阪までセルビア人を乗せました。話を聞いて、セルビアに行ってみたくなりました
【専門を説明するキーワード】
再生医療、生体材料学
【今、取り組んでいる研究】
顎や歯などの口腔治療においても、再生医療が注目されています。これを一般の医療に普及させるには、移植に適した細胞を安定供給できる仕組みが必要です。意図した細胞を大量に作り出せる技術の確立、移植細胞の分化を促す材料や品質を管理する方法の開発など、工学的なアプローチを行っています。今後、臓器や複雑な組織を再現できる、ハイレベルな技術開発に取り組みたいです。学生には、留学などを通じて多様性を身に付けてほしいです。

■1965年生まれ ■三重県出身
■やぎ座 ■A型
■京都大学農学部卒、同工学研究科博士課程退学。博士(工学)京都大学。同再生医科学研究所准教授などを経て、11年から現職。16年から歯学部長。専門は生体材料学。

(第86号・2018年1月取材)

広大人通信第第84号小藤先生

代謝からがんを読み解く!

医歯薬保健学研究科 小藤 智史 助教

【好きな言葉】
実るほど頭を垂れる稲穂かな
​【休日の過ごし方】
広島の街をぶらぶらと歩くこと
【お気に入りの場所】
高速道路のサービスエリア
【最近の「いいね!」】
テニス界のベテラン、ナダル選手フェデラー選手の復活
【専門を説明するキーワード】
がん、代謝
【今、取り組んでいる研究】
がん細胞の代謝の仕組みを調べ、正常細胞に悪影響を与えない(副作用の少ない)薬の開発につながる研究をしています。がん細胞は多くのエネルギーやアミノ酸などの物質を必要としており、その需要を満たすために細胞内で代謝のリプログラミング(再編成)を行っています。がん細胞のみで活性化する(よく使われる)代謝経路を見出し、その意義を解明することが目下の課題です。

■香川県出身
■東京大学大学院薬学系研究科博士課程単位修得退学。博士(薬学)東京大学。秋田大学特任助教、米国シンシナティ大学研究員などを経て、17 年から現職。専門はがん代謝。

(第84号・2017年11月取材)

 


 

さ行

“熱い気持ち”で創薬に貢献する!

医歯薬保健学研究科 佐能 正剛 助教

【好きな言葉】
昇ってこいよ!君は太陽だから!失敗しても全然OK !できる!できる!君ならできる!など(松岡修造)
​【休日の過ごし方】
子供たちと一緒に遊んだり、勉強したり、ショッピングモールに行ったりしています
【お気に入りの場所】
牛田周辺の旧太田川・京橋川分岐あたりの河川沿い、工兵橋周辺
【最近の「いいね!」】
1991年の優勝以来、ずっと応援してきたカープが、2年連続で優勝したこと
【専門を説明するキーワード】
化学物質(医薬品など)、薬物代謝、毒性
【今、取り組んでいる研究】
体内に入った化学物質が、小腸や肝臓を通過し、血液中に循環される過程において発現する毒性メカニズムの解明に取り組んでいます。その中で、モデル動物や細胞を用いて、ヒトに化学物質を直接投与することなく、その安全性を予測する研究も進めています。

■1976年生まれ ■兵庫県出身
■てんびん座 ■B型
■広島大学大学院医歯薬学総合研究科博士後期課程修了。アステラス製薬(株)研究員、本学医歯薬学総合研究科助手を経て、12年から現職。専門は医薬学。

(第90号・2018年5月取材)

人通信第78号宿南宿南先生

新しい分野を開拓する!

医歯薬保健学研究科 宿南 知佐 教授

【好きな言葉】
成功体験を捨てる
​【休日の過ごし方】
読書、ヨガ、講義の準備、論文執筆
【お気に入りの場所】
宮島の弥山。景色がいい!瀬戸内海が一望できます
【最近の「いいね!」】
国際学会での研究者との新しい出会い。刺激を受けます
【専門を説明するキーワード】
軟骨、腱/ 靭帯、運動器、遺伝子改変動物、ゲノム編集
【今、取り組んでいる研究】
体を動かし支えるのに必要な筋骨格系をつなぐ腱/ 靭帯・線維軟骨の形成や再生に関する研究。骨や軟骨と違って、組織を特徴づける分子マーカーがなかった腱/ 靭帯は、長い間、研究が進んでいない分野でした。別の研究の過程で見つけたテノモジュリンという分子が、腱/靭帯で発現していることを発見したことをきっかけに、この分野を開拓しています。最近の目標は、腱/靭帯の分化誘導系を作ることです。軟骨の分化誘導系構築を報告した博士論文を超えるくらい引用される論文を発表したいですね。

■1967年生まれ ■兵庫県出身
■やぎ座
■大阪大学大学院歯学研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、京都大学再生医科学研究所助教授・准教授などを経て、13年より現職。専門は分子生物学。

(第78号・2017年5月取材)

人通信97号杉山先生

世界に向けて、疾病予防に役立ちたい

医歯薬保健学研究科 杉山 政則 共同研究講座教授

【好きな言葉】
その人との出会いは奇跡、頼まれたら断らない(信条)、偉い人よりもありがたいと思われる人になれ(母親の言葉)
​【休日の過ごし方】
音楽を聴きながら本や論文を読む
​​​​【お気に入りの場所】
クラシック音楽会(15年間、霞管弦楽団の顧問)
【最近の「いいね!」】
学術雑誌『PLoS Biology (IF = 9.1)』に論文が最近受理されたこと
【専門を説明するキーワード】
抗生物質、植物乳酸菌、マイクロバイオーム解析(腸内細菌と病気の関わり合いの解析)、放線菌(抗生物質をつくる微生物)
【今、取り組んでいる研究】
果物、花、薬用植物などに特化して分離した植物乳酸菌とその代謝産物を創薬や疾病の予防改善に利用するため、産学連携を推進しています。数多くの関連特許(国内外で20件を超える)を保有。腸内フローラと疾病との関連性を明らかにするため、マイクロバイオーム解析科学に取り組んでいます。

■静岡県出身
■てんびん座
■広島大学工学研究科修士課程修了。本学工学部助手、87年パリ・パストゥール研究所研究員、92年本学医学部教授、薬学部教授、薬学部長を経て16年から現職。専門は微生物学、微生物薬品学。

(第97号・2018年12月取材)

 


 

た行
人津新81号田原先生

癌を治療する創薬の実用化に向けて

医歯薬保健学研究科 田原 栄俊 教授

【好きな言葉】
Now or Never
​【休日の過ごし方】
子ども達や家族と買い物
【お気に入りの場所】
しまなみ海道、カリフォルニア州ナパバレーのワイン畑
【最近の「いいね!」】
世界の研究室を調べていたニュージャージー高校の学生から直接メールでアプローチがあり、夏休みの期間中研究室で受け入れている
【専門を説明するキーワード】
マイクロRNA、テロメア、老化、がん、抗がん剤
【今、取り組んでいる研究】
人の体内にあるマイクロRNA の特殊性を利用し、癌細胞に加えて抗がん剤耐性癌細胞や、癌幹細胞の増殖を抑えることにより癌の進行を遅らせる仕組みを開発しました。簡易化や自動化の研究を進めて実用化につなげたいです。また、本学の自立型研究拠点では、学問領域を超えた国内外の学生の討論会や交流会などを重ね、世界に通用する若手研究者を継続的に育成する仕組み作りをしていきたいです。

■1965年 広島県出身
■やぎ座■B型
■広島大学大学院医学系研究科博士課程後期修了。本学医学部総合薬学科に着任、06年から現職。日本RNAi研究会会長、日本癌学会評議員を務める。専門は細胞分子生物学。

(第81号・2017年8月取材)

 


 

な行
広大人通信93号ナランダライ先生

「おいしい」乳酸菌で、病を予防!

医歯薬保健学研究科 ダンシーツオーダロ ナランダライ 特任助教

【好きな言葉】
努力は必ず報われる。報われない努力があるとすれば、それはまだ努力とは言えない(王貞治)
​【休日の過ごし方】
息子たちと散歩。映画やスポーツ観戦も
【お気に入りの場所】
宮島の大聖院。無になれる、癒しのスポットです
【最近の「いいね!」】
今年のサッカーW杯。選手のプレーはもちろん、戦い方や感情表現、サポーターのマナーも国ごとに異なり、魅了されました
【専門を説明するキーワード】
乳酸菌、麹菌、腸内細菌、マイクロバイオーム
【今、取り組んでいる研究】
薬用植物に含まれる乳酸菌の機能性を研究しています。最近は特に、マタタビの花から分離したラクトバチルスロイテリ菌に着目中。植物由来の乳酸菌は耐性に強くて腸まで届きやすいという特徴があります。メタボ・肥満などに効き、食べ物として(ゼリー状など)おいしく摂取できる創薬を目指しています。

■1974年生まれ ■モンゴル出身
■かに座
■広島大学大学院医歯薬学総合研究科博士課程後期修了。博士(医薬学)広島大学。本学薬学部研究員などを経て、16年から現職。専門は微生物学。

(第93号・2018年8月取材)

 


 

ま行
広大人通信91号前田先生

障がい者スポーツを通じて、心をつなぐ

医歯薬保健学研究科 前田 慶明 講師

【好きな言葉】
粒々辛苦
​【休日の過ごし方】
家族とお出かけ
【お気に入りの場所】
ザルツブルク(オーストリア)の街
【最近の「いいね!」】
日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー資格の取得
【専門を説明するキーワード】
障がい者スポーツ スポーツ外傷・障がい予防
【今、取り組んでいる研究】
障がい者スポーツの支援と普及に取り組んでいます。学生が設立したアダプテッドスポーツクラブの部員たちとともに、障がいのある方といろいろなスポーツを楽しみながら、多くのことを学んでいます。また、小学校で障がい者スポーツを紹介する活動もしています。子どもたちが相手の気持ちを思いやることのできる大人になって、共生社会を築いていくきっかけとなればうれしいです。2020 年の東京パラリンピックに、シッティングバレーボール日本代表チームのトレーナーとして参加します。

■1977年 ■兵庫県出身
■おうし座
■神戸大学大学院医学系研究科博士後期課程修了。本学医歯薬保健学研究科助教を経て、17年から現職。

(第91号・2018年6月取材)

 


 

や行
人通信82号柳瀬先生

アレルギー克服の可能性を拓く

医歯薬保健学研究科 柳瀬 雄輝 助教

【好きな言葉】
最小の努力で最大の成果
​【休日の過ごし方】
フットサル、子どもと遊ぶ
【お気に入りの場所】
宇品波止場公園
【最近の「いいね!」】
サッカー日本代表ワールドカップ出場決定
【専門を説明するキーワード】
アレルギー、皮膚、バイオセンサ、マスト細胞、好塩基球
【今、取り組んでいる研究】
生きた細胞の刺激応答を、特別な目印をつけることなく可視化・画像化できるバイオセンサを開発し、アレルギー診断技術の向上に努めています。また、慢性蕁麻疹の発症原因は複雑で、未だ解明されていませんが、ヒスタミンと微生物由来成分(感染)が同時に作用すると、局所的に血液凝固反応が起こり、それが慢性蕁麻疹を引き起こすというメカニズムをつきとめました。今後はこれらの成果を新しいアレルギー治療薬の開発に応用できるよう研究を進めます。

■1978年 ■大分県出身
■てんびん座 ■A型
■広島大学大学院医歯薬学総合研究科博士課程修了。University College London, Research fellowなどを経て、09年から現職。専門はアレルギー、バイオセンサ。

(第82号・2017年9月取材)

薬草の効能解明を求め、可能性の種をまく

医歯薬保健学研究科 山野 幸子 准教授

【好きな言葉】
まかぬ種は生えぬ
​【休日の過ごし方】
文鳥と遊びながら録画したTV番組を楽しむ。映画観賞(SF、ホラー以外)、麻雀
【お気に入りの場所】
自宅。愛媛県の亀老山展望公園。壮大な景色が楽しめます
【最近の「いいね!」】
国際学会に行く途中、海外の空港で荷物を紛失したが、何とか翌日に取り戻し無事に発表できたこと
【専門を説明するキーワード】
天然物化学、薬用植物学、構造解析、生物活性物質
【今、取り組んでいる研究】
薬学部附属薬用植物園の維持管理。最近は、生薬の原料となる薬用植物(カンゾウやムラサキなど)を、筒栽培という方法を用いて育てることに挑戦しています。また、植物を抽出したエキスから、肥満に効果のある成分を探索する研究も行っています(生物活性試験法といいます)。試行錯誤の日々ですが、悩むよりとにかくやってみよう!の精神で取り組んでいます。

■1981年 ■兵庫県出身
■さそり座■B型
■京都薬科大学大学院薬学研究科博士後期課程修了。本学医歯薬保健学研究科講師などを経て、15年から現職。専門は天然物化学。

(第89号・2018年4月取材)


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