原爆放射線医科学研究所

あ行
広大人通信80号一戸先生

星の数ほどあるT細胞の個性を一つずつ解析

原爆放射線医科学研究所 一戸 辰夫 教授

【好きな言葉】
他力本願
​【休日の過ごし方】
雑読(国際情勢、ビジネスなど)、初級仏語(やり直し中)
​​​​【お気に入りの場所】
野母崎(長崎県)、都井岬(宮崎県)。風や波の音に「最果て」を感じる場所
【最近の「いいね!」】
診療・教育・研究のいずれも課題が山積ですが、少ない教室員全員の努力で一歩ずつ前に向かって進んでいること
【専門を説明するキーワード】
造血細胞移植、免疫療法
【今、取り組んでいる研究】
T細胞には、からだを守るたくさんの働きがあります。ヒトには数百万個以上の異なったクローンが存在しますが、その顔や形、性格はさまざま。その一つひとつを解析することによって、免疫系のバランスを失った患者さんに「足りないT細胞」を補う治療法の開発を目指しています。教育では「教」よりも「育」に力点を置き、未来を作る若者の伴走者となることが目標です。

■1964年生まれ ■宮城県出身
■しし座 ■B型
■京都大学大学院医学系研究科博士課程修了。京都大学医学部附属病院助手、佐賀大学医学部附属病院准教授などを経て、13年から現職。専門は血液学、移植免疫学。

(第80号・2017年7月取材)

 


 

か行
広大人通信81号久保田先生

記録を守り、記憶を伝える

原爆放射線医科学研究所 久保田 明子 助教

【好きな言葉】
止まない雨はない、明けない夜はない
​【休日の過ごし方】
お散歩
​​​​【お気に入りの場所】
大國魂神社(東京都府中市)、山崎蒸溜所、中国・貴州省、スコットランド・アイラ島
【最近の「いいね!」】
大國魂神社・すもも祭りで限定頒布されるからす扇を今年も入手できたこと
【専門を説明するキーワード】
アーカイブズ学、科学史資料、医学、物理学、原爆学術調査
【今、取り組んでいる研究】
科学研究を行う機関や研究者の歴史的な資料を、いかに整理し、今後活かしていくのかが大きなテーマです。今まで寄生虫学、精神医学、遺伝学、物理学などの資料研究をしてきましたが、目下のところ、所属先にある膨大で貴重な原爆資料が調査対象です。戦後70 年以上経ち、当時の記憶が薄れる中、文書や資料を広く一般に公開して社会に知ってもらうことが一層大切だと感じています。

■1970年生まれ ■東京都出身
■かに座 ■B型
■学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了。15年から現職。専門はアーカイブズ学。

(第81号・2017年8月取材)

 


 

さ行
広大人通信98号孫先生

「二次がん」防止へ、一歩ずつ

原爆放射線医科学研究所   孫 継英 講師

【好きな言葉】
千里の行も足下に始まる
​【休日の過ごし方】
テレビ観賞(大河ドラマなど)や家事。休日も実験が多いです
​​​​【お気に入りの場所】
家族でドライブに行ったしまなみ海道
【最近の「いいね!」】
原医研の実験棟が新設される予定と聞いたこと。研究室から近くなるので、楽しみ
【専門を説明するキーワード】
DNA修復機構、染色体異常
【今、取り組んでいる研究】
がん治療における放射線や一部の抗がん剤は、がん細胞の周囲の正常な細胞のDNAまでも損傷し、新たながんの発症(二次がん)を引き起こすことがあります。私の研究では、DNAの修復機能をコントロールする働きを持つリン酸化酵素(ATM)やクロマチン構造変換因子に着目し、DNAが損傷し染色体異常となる際のメカニズムを探っています。二次がんの防止に役立つ薬の開発につながればと思い、日々実験を重ねています。

■中国出身
■東北大学大学院医学系研究科修了。博士(医学)東北大学。日本学術振興会外国人特別研究員、本学医学部、原医研助手などを経て2010年から現職。専門は分子生物学。

(第98号・2019年1月取材)

 


 

な行
広大人通信86号仲先生

病気で苦しむ人たちの力になる研究を

原爆放射線医科学研究所 仲 一仁 准教授

【好きな言葉】
継続は力
​【休日の過ごし方】
歴史や地理、語学などをのんびり勉強中(マヤ文明のピラミッドにのぼりました)
​​​​【お気に入りの場所】
きれいな川や滝
【最近の「いいね!」】
高校の生徒さんが私のような研究者になりたいと言ってくれたこと
【専門を説明するキーワード】
幹細胞、がん幹細胞、栄養・代謝制御、放射線障害
【今、取り組んでいる研究】
私たちの体の細胞を作りだす幹細胞(若さを保つには大事です)。この幹細胞の力を最大限に引き出して病気の治療に役立てたいと思っています。一方、幹細胞ががん化すると(がん幹細胞と言います)再発や転移を引き起す諸刃の剣となります。このがん幹細胞の生存に必要な栄養素を特定し、治療したいと考えています。幾多の失敗の積み重ねも成功につながる大切な一歩。いつか出会う新しい治療法を求めて研究を続けています。

■1968年生まれ ■三重県出身
■てんびん座 ■O型
■広島大学医学系研究科博士課程修了。民間企業に就職後、岡山大学、金沢大学を経て、15年より現職。専門は幹細胞生物学。

(第86号・2018年1月取材)


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