総合科学部・総合科学研究科

あ行
ひと通信99号浮穴先生

総合科学研究科 浮穴 和義 教授

【好きな言葉】​
人間万事塞翁が馬
【休日の過ごし方】
家族と買い物
【お気に入りの場所】
カリフォルニアのヨセミテ国立公園。自然豊かな絶景が広がります
【最近の「いいね!」】
DP(特に優れた研究を行う教授職)に選ばれたこと。その名にふさわしくなれるよう、より一層研究教育に励んでいきます
【専門を説明するキーワード】
食欲、肥満、脂肪蓄積、エネルギー代謝、脳
【今、取り組んでいる研究】
動物の脳・視床下部から出る、食欲をつかさどる脳内物質(小さなタンパク質)を世界で初めて発見して以来、その機能解析を進めています。この脳内物質は、実験動物を使って調べていくと、哺乳類では食欲増進、別の種では食欲減退に働くことが分かってきました。今後もあらゆる動物種を試すことで、この脳内物質の機能を解明したいと思っています。ヒトの肥満対策に応用できる可能性も。

■1971年生まれ ■愛媛県出身
■てんびん座
広島大学大学院理学研究科博士課程前期修了。博士(学術)広島大学。本学総合科学部助手、助教授を経て、16年から現職。専門は神経内分泌学・代謝学。

(第99号・2019年2月取材)

広大人通信86号大嶋先生

言葉は人類の財産

総合科学研究科 大嶋 広美 准教授

【好きな言葉】
徳不孤、必有隣
​【休日の過ごし方】
芸術鑑賞(特に絵画や陶器)、ジョギング、プチ旅行
【お気に入りの場所】
瀬戸内海の島々
【最近の「いいね!」】
岡山県北部と三江線の車窓から望む美しい風景
【専門を説明するキーワード】
中国語学、中国南方方言、音声学、中国音韻学
【今、取り組んでいる研究】
中国南方の少数民族畲(ショー)族が話す言語の音声、音韻の研究です。現在山奥にある中国の畲族の村でのフィールドワークを繰り返しています。畲族の言語には「本来の南方民族の言葉」と「漢民族の言葉が交じった言語」の2種類があり、収集した音声データを基に南方言語の音韻体系を比較します。文献には誤りも多く、現地に赴き調査をすることが不可欠です。村には若者が少なく、50-100 年後には消滅してしまう言語かもしれません。だからこそ、研究に熱が入ります。

■東京都出身
■筑波大学大学院博士課程言語・文芸研究科言語学(中国語学)専攻単位修得退学。中国中山大学大学院中文系修了。16年から現職。専門は中国語学。

(第86号・2018年1月取材)

 


 

か行
人通信第97号春日先生

丹念に歴史を追って

総合科学研究科 春日 あゆか 准教授

【好きな言葉】
働き方改革
​【休日の過ごし方】
家事と仕事とくだらない小説を読む
【お気に入りの場所】
研究室からの眺め。東広島キャンパスの豊かな自然や遠くの山々に癒されます
【最近の「いいね!」】
働き方改革をしたいです。良い案があったら教えてください
【専門を説明するキーワード】
イギリス近代史、環境史、煤煙問題、言説対立、技術的解決
【今、取り組んでいる研究】
産業革命を経験した19世紀のイギリスで、煤煙問題(煙による公害)がなぜ長期にわたって解決されなかったのかを研究しています。背景には、燃焼効率を上げて煙を少なくするという技術的対策が、有効か有効でないかという対立がありました。当時の文献を探し、記録を読み解きながら、真実を探りたいと思っています。

■1983年生まれ ■福井県出身
■京都大学大学院地球環境学舎修士課程修了。ノッティンガム大学地理学部(環境史コース)でMScとPhD取得。18年から現職。専門はイギリス近代史。

(第97号・2018年12月取材)

広大人通信78号桑島先生

「美」や「悲哀」は人間のみに許された感性だ!

総合科学研究科 桑島 秀樹 教授

【好きな言葉】
肉の悦びと悲しみ(桑島美学の鍵語)
​【休日の過ごし方】
娘二人(現在6歳と3歳)と映画の鑑賞・野辺の散策。原稿の執筆
【お気に入りの場所】
ふるさと群馬渋川の「御袋山」一帯の里山(落ち葉が厚く積もった冬場が特によい)
【最近の「いいね!」】
二冊目の単著『生と死のケルト美学―アイルランド映画に読むヨーロッパ文化の古層』(法政大学出版局、2016年)が、第14回木村重信民族藝術学会賞を受賞
【専門を説明するキーワード】
美・感性・崇高・大地・アイルランド
【今、取り組んでいる研究】
「崇高の美学」の祖で18世紀アイルランド人E・バークを焦点に、彼や周囲の人々がみた風景を「肌」の温もりまで再現する伝記研究の試みを続けています。また、司馬遼太郎の『街道をゆく』を援用し、国内外の「風景」「歴史」を美学=感性哲学的視点から論ずる感性紀行集も構想中。

■1970年生まれ ■群馬県出身
■うお座 ■O型
■大阪大学大学院文学研究科博士課程後期単位修得退学。博士(文学)大阪大学。JSPS ポスドク特別研究員を経て、04年本学総合科学部助教授。16年から現職。専門は美学・芸術学・感性哲学。

(第78号・2017年5月取材)

 


 

さ行

食欲とこころ、そのつながりを探る

総合科学研究科 斎藤 祐見子 教授

【好きな言葉】
Imagination is more important than knowledge(アインシュタイン)
​【休日の過ごし方】
家の改築。今はらせん階段を製作中
【お気に入りの場所】
培養室、脳の海馬CA1 領域(記憶形成に関係する部分)、ハワイ島のコナ地区
【最近の「いいね!」】
セクハラ被害告発# MeToo #WithYou の動き-フェミニズムにも強い関心を抱いています
【専門を説明するキーワード】
G タンパク質共役型受容体(GPCR)、一次繊毛、神経細胞、摂食、情動
【今、取り組んでいる研究】
摂食・うつ不安に関連するタンパク質(メラニン凝集ホルモン受容体(MCHR1))の構造と機能を解析しています。いずれは難治性うつ病の方に作用できる創薬のヒントにつながれば幸いです。最近では、ヒト神経細胞を用いた新たな生物評価方法の構築にも取り組んでいます。

■東京都出身
■みずがめ座■ O 型
■お茶の水女子大学大学院修士課程修了。博士(理学)東京大学。民間企業、東京都臨床医学総合研究所研究員、カリフォルニア大学研究員、埼玉医科大学講師を経て、06年から現職。専門は神経科学。

(第90号・2018年5月取材)

広大人通信88号佐藤先生

視細胞からヒトのフシギの核心に迫る

総合科学研究科 佐藤 明子 准教授​

【好きな言葉】
ベストをつくす
​【休日の過ごし方】
家で家族とゆっくり。皆でお茶をしたり、餃子を作ったり
【お気に入りの場所】
顕微鏡前、ゴルジ体(タンパク質を蛍光試薬で染色して観察する眺めが美しい)
【最近の「いいね!」】
羽生結弦選手の五輪2連覇。娘の中学卒業
【専門を説明するキーワード】
視細胞、ショウジョウバエ、極性形成、ゴルジ体
【今、取り組んでいる研究】
私たちの体を形作る細胞の中には、非常に複雑な形を持ったものがあります。その代表格は光を感知する視細胞。視細胞を形成するのに必要な細胞内メカニズム、タンパク質の選別輸送(細胞小器官の一つゴルジ体で選別されたタンパク質が、それぞれの最終目的地へと運ばれる仕組み)を研究しています。また、さまざまな細胞小器官について、従来の定義を超えて、そのアイデンティティを追求しています。

■1970年生まれ ■奈良県出身
■かに座 ■O型
■大阪大学大学院理学研究科博士課程後期修了。パデュ大学ポストドクトラルフェロー、名古屋大学GCOE特任准教授を経て、12年から現職。専門は生命科学。

(第88号・2018年3月取材)

広大人通信95号柴田先生

愛すべきマイ・イングリッシュ

総合科学研究科 柴田 美紀 教授​

【好きな言葉】
一生懸命
​【休日の過ごし方】
論文や本の執筆、ハイキング、料理、庭の草取り
【お気に入りの場所】
三段峡(トレイルランからの温泉コース)
【最近の「いいね!」】
名古屋駅で買った「天むす」がおいしすぎたこと。塩加減絶妙!思わず製造元に「いいね!」と電話しそうになりました
【専門を説明するキーワード】
英語の多様性、ネイティブ信仰、ジャパニーズイングリッシュ、アイデンティティ
【今、取り組んでいる研究】
なぜ、日本人の英語学習者は英語に対して自信が持てないのか?アンケートとインタビューを用いて主に心理的な面から探っています。その背景には「ネイティブの英語は絶対」という社会イデオロギーと「正解」を求める教室文化があることが分かってきました。日本人が「私の英語」を認める英語教育や社会通念の実現に向け、提言ができればと思っています。

■1965年生まれ ■愛知県出身
■てんびん座
■米国アリゾナ大学第二言語習得と教育プログラム博士課程修了。博士( 第二言語習得と教育) アリゾナ大学。琉球大学准教授などを経て、11年から現職。専門は第二言語習得。

(第95号・2018年10月取材)

 


 

は行
人通信94号彦坂先生

進化をめぐる冒険

総合科学研究科 彦坂 暁 准教授

【好きな言葉】
Study nature not books.(ルイ・アガシ)
​【休日の過ごし方】
娘とその友達姉妹と一緒に遊ぶ。サイクリング、木工DIY、読書
【お気に入りの場所】
志和堀。エディオンスタジアム。臨海実習で採集に行く細ノ洲の干潟
【最近の「いいね!」】
クラウドファンディングで支援した映画『この世界の片隅に』がロングランヒットして、新バージョンの公開が決まったこと
【専門を説明するキーワード】
無腸動物(ムチョウウズムシ)、進化、発生、共生
【今、取り組んでいる研究】
無腸動物(海産の無脊椎動物) を使って動物の進化を研究しています。私たちの祖先は、ある時点で左右相称形に進化しました。その時に何が起きたのかを知るヒントを無腸動物から得たいと考えています。また無腸動物は体内に藻類を共生させて生きています。この共生関係がどのように進化してきたのかを調べる研究もしています。

■1966年 ■宮城県出身
■京都大学大学院理学研究科博士課程後期修了。博士(理学)京都大学。94年本学総合科学部助手を経て、15年から現職。専門は動物進化学。

(第94号・2018年9月取材)

森林資源と人のつながりから見た山村社会

総合科学研究科 福田 恵 准教授​

【好きな言葉】
絶学無憂
​【休日の過ごし方】
渓流釣り、奥地探訪
【お気に入りの場所】
島根県匹見町の渓谷、ラオス北部の山岳地帯
【最近の「いいね!」】
知り合いの猟師から、お金が貯まるというイノシシの「たてがみ」をもらったこと
【専門を説明するキーワード】
山村、森林資源、定住と移動、社会学的フィールドワーク
【今、取り組んでいる研究】
今や消滅しつつある山村集落に、なぜ人が住み、暮らし続けてきたのか。そうした問いに日々向き合っています。一つの鍵を握るのが森林資源。日本の山の恵みが山村生活を支え、多様な人のつながりを生み出す契機となってきました。ここ数年は、全国各地を転々としてきた伐採夫の人的ネットワークを追跡調査しています。一連の調査を通して、山村社会が日本の近代化や華やかな都市生活を根底で支えてきた社会学的意味についても考えています。

■1974年生まれ ■島根県出身
■てんびん座
■神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。博士(学術)神戸大学。東京農工大学講師などを経て、15年から現職。専門は農村社会学。

(第92号・2018年7月取材)

 


 

ま行
広大人通信79号真嶋先生

キワモノ!?戦争を多角的な視点から

総合科学研究科 眞嶋 俊造 准教授​

【好きな言葉】
ホスピタリティ
​【休日の過ごし方】
街歩き。ブラブラ歩いていて、筆塚や包丁塚、記念碑を偶然見つけると感動します
【お気に入りの場所】
栄橋からの眺望。JR 山陽線の車窓から望む尾道水道。風情を残すススキノの「新京極通り」
【最近の「いいね!」】
今年の4月に札幌から広島に来たので、広島の魅力をたくさん発見できることです
【専門を説明するキーワード】
倫理、戦争、平和
【今、取り組んでいる研究】
研究面では、戦争行為についての道徳評価に「運」が与える影響に関する論文を執筆しています。また、科学技術のデュアル・ユースをめぐる倫理的問題を考えています。教育面では、反転授業、TBL・PBL を用いた倫理学におけるアクティブラーニングを教育手法としています。また、研究倫理教育のオープンリソース型のコンテンツ(日英)の開発と改善を進めていきたいと考えています。

■1975年生まれ ■東京都出身
■ふたご座 ■O型
■英バーミンガム大学大学院グローバルエシックス研究所博士課程修了。北海道大学大学院文学研究科応用倫理研究教育センター准教授を経て、17年から現職。専門は倫理学・応用倫理学。

(第79号・2017年6月取材)

広大人通信100号町田先生

言葉の向こうにあるもの

総合科学研究科 町田 章 准教授

【好きな言葉】
苦しい時は、私の背中を見て(澤穂希)
​【休日の過ごし方】
子どもたちと遊ぶ
【お気に入りの場所】
空港。日常を離れ、別世界に連れていってくれる異空間だから
【あなたの100 点なところを教えてください】
子育て、家事をちゃんとやっているところ
【専門を説明するキーワード】
言語、認知、主観性、間主観性(相手と主観を共有すること)、言語進化
【今、取り組んでいる研究】
日本語では「ぶつかる!」と咄嗟に言う時に「私はぶつかる!」とは言いませんよね。でも英語ではIが必要です。これは、話者が自分を客観視するかしないかという、日本語話者と英語話者の認識の違いによります。人間の認識がどのように言語に反映されているか。逆に、使っている言語がその人の認識にどのような影響を与えているか。言語を通して、人間の認識や文化の多様性を追究したいです。

■1970年生まれ ■群馬県出身
■ふたご座
■大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。修士(文学)青山学院大学。高校教員、長野県短期大学准教授などを経て、10年から現職。専門は言語学、英語学。

(第100号・2019年3月取材)

広大人通信第82号宮園先生

心の哲学と科学の接点の探求

総合科学研究科 宮園 健吾 准教授

【好きな言葉】
standing on the shoulders of giants
​【休日の過ごし方】
2人の娘と遊んだり、家族で出かけたりしています
【お気に入りの場所】
宇品波止場公園、江波山気象館
【最近の「いいね!」】
昨年4月に広大に来てから1年半ほど経ち、自分自身も家族も広島での生活や仕事に随分慣れてきたこと。上の娘はすっかり広島弁になりました
【専門を説明するキーワード】
心の哲学、心理学の哲学、精神医学の哲学、信念、想像
【今、取り組んでいる研究】
現在は2冊の書籍を英文で執筆しています。一つは、様々な観点から、人は何に対して幸福を感じるのかといった心理学の哲学の入門書で、もう一つは、精神医学の哲学における妄想的信念の研究書です。日本ではまれで英米において盛んな研究分野ですが、日本での研究環境を活かして、各国に高く認知される研究成果をあげられるよう日々取り組んでいます。

■大阪府出身
■てんびん座 ■O型
■東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。博士(文学)東京大学。イェール大学、 マサチューセッツ工科大学留学、日本学術振興会特別研究員などを経て 16年から現職。 専門は現代英米哲学など。

(第82号・2017年9月取材)

 


 

や行
広大人通信第80号柳瀬先生

未来に届く文学とは?

総合科学研究科 柳瀬 善治 准教授

【好きな言葉】
根源的であるためには横断的でなければならない
​【休日の過ごし方】
息子たちの世話。一緒にキャンパスを散歩することも。趣味はボクシング観賞と落語鑑賞ですが、最近時間がとれません
【お気に入りの場所】
子連れで楽しめるナガシマスパーランド
【最近の「いいね!」】
現代文学の表現と出現の契機が多様化し、より「切実」になっていること
【専門を説明するキーワード】
日本近代文学、三島由紀夫、ナショナリズム、原爆・原発文学、文学理論
【今、取り組んでいる研究】
「3・11以後の文学表現の可能性」を考えています。原発事故や核戦争は数万年後の未来を見据えるという課題を文学に与えました。現在とは言語すら違うかもしれない未来に、時代の危機と記憶をどのように伝えるのか。その観点から、過去・現在という時間軸を超えた表現のあり方に注目しています。

■1969年生まれ ■三重県出身
■いて座 ■A型
■広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。台湾静宜大学日本語文学系副教授などを経て16年から現職。専門は日本近代文学・文学理論。

(第80号・2017年7月取材)

 


 

ら行
広大人通信84号大嶋先生

日本語文学から紐解く、日本と旧植民地の歴史

総合科学研究科 李 郁蕙 准教授

【好きな言葉】
There is always a way out(出口は必ずある)
​【休日の過ごし方】
水泳を習ったり、最近はジョギングや自転車も…なんちゃってトライアスロンを楽しんでいます
【お気に入りの場所】
広大通りの並木。秋に田口方面から上ると、赤と黄色のトンネルに吸い込まれるようでとても素敵
【最近の「いいね!」】
来日二十数年、カープがついに、そして二年連続優勝したこと(昨年は日本シリーズ、今年はCS を観戦できました)
【専門を説明するキーワード】
日本、植民地統治、アジア、日本語教育、文学
【今、取り組んでいる研究】
日本植民地時代に台湾や朝鮮半島などで書かれた日本語文学について研究しています。授業では、中国語圏(中国・台湾・香港など)の地域文化の特徴や違いを教えています。文学作品や映画を題材にしたり、試行錯誤しながら授業づくりに取り組む日々です。

■1970年生まれ ■台湾出身
■広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。東北大学や九州工業大学などを経て、17年から現職。専門は日本植民地時代の文学。

(第84号・2017年11月取材)


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