カキ殻でヘドロの改善に取り組む

平成21年10月29日

カキ殻でヘドロの改善に取り組む
― 瀬野川河口域で実証試験を実施 ―

 

広島大学大学院生物圏科学研究科山本民次教授らの研究グループは、カキ殻がヘドロ中の硫化水素を強力に吸着し、底質改善材として貧酸素水塊の解消、赤潮発生の抑制に有効的であることを明らかにしました。これは平成20年度広島大学地域貢献研究で広島市から提案のあった課題解決として取り組んだ成果です。この研究成果を地域社会に還元すべく実証試験を行いますので、ご案内申し上げます。なお、この研究成果は国際ジャーナルBioresource Technology 2009年9月号に掲載されました。

■カキ殻撒布日時: 平成21年 11月1日(日) 13:30~15:30、11月15日(日) 13:30~15:30

※大潮干潮時に行います。

■カキ殻撒布場所: 瀬野川左岸河口干潟 (安芸郡海田町明神町3付近の河口干潟)

1辺10メートルの正方形区2区画に合計12トンを撒布予定
 

■概要
山本教授らは、広島市から提案のあった課題「カキ殻を利用した底質改善技術の開発に関する研究」について、焼成処理カキ殻(丸栄(株)社製)を用いた試験により、カキ殻中の酸化カルシウムが、酸性土壌を中和し硫化水素とリンを吸着するとともに、脱窒細菌の活性を高め、底質を浄化する効果があることを初めて明らかにしました。今回の試験は、瀨野川河口の泥干潟にカキ殻撒布を行い、カキ殻の底質改善効果を現場で実証するものです。
カキ殻の撒布には、広島大学の学生や広島環境サポーターネットワークのボランティアの方々も含めて10名程度参加されます。瀨野川河口での現場実証試験は平成23年3月頃まで続けられ、生物生息の回復について、モニタリングし評価をします。ほとんど何もいない瀨野川河口に、多毛類や貝類が戻ることが期待されます。実証試験が成功すれば、県などに技術を提供し、海田湾や江田島湾などさらに広い海域への応用につなげます。

お問い合わせ先

広島大学大学院生物圏科学研究科
環境予測制御論講座 教授 山本民次
電話:082-424-7945(研究室)
E-mail:tamyama@hiroshima-u.ac.jp
(@は半角@に置き換えた上、送信してください。)


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