第22回 “教育とは何か”を追求中!

教育学部第五類教育学系コース1年 谷 友裕(たに ともひろ)
<京都共栄学園高等学校 出身>

等身大の広大生の声を入学希望の方にお届けするコーナー『広大生の生の声』。第22回は、京都共栄学園高等学校出身の教育学部第五類 教育学系コース・1年の谷 友裕(たに ともひろ)さんです。

「授業だけでなく、生活面や部活も含めて生徒のことをしっかり考える先生になりたい」と教育学部に入学した谷友裕さん。受験生時代の話や広大の授業のこと、大学生活などについてインタビューしました。

広大を受験しようと決めたのは、なぜですか?

中学生の時の担任の先生に憧れていました。授業だけでなく、生徒との関わり方がとても巧みだったのです。将来はこんな先生になりたいと思うようになり、教育学部への進学を考えはじめました。そんな中、「教育が強い」と評判の広島大学を意識するようになり受験を決意しました。

教育学系コースは、いわゆる教員養成系のコースではないですよね。教員志望でありながら、教育学系コースを選んだ理由を教えてください。

教育学系コースでは、教育の理論、思想、制度に関することを多角的に学べます。大学の4年間で科目の専門知識を身につけるだけでなく、まずは“教育とは何か”を考えたかったからです。

「教育学系コースで多角的に教育を考えたかった」と受験動機を話す谷さん

ちなみに、私立大学は受験しましたか?

はい、関西の私立を3校受験しました。

いつごろから受験勉強を本格的に始めましたか?

部活を引退してからですね。最後の大会が終わった3年生の6月くらいから本格的に受験勉強を始めました。

谷さんの勉強スタイルを教えてください。

予備校や塾には通わず、学校や図書館で勉強しました。朝は授業前に約1時間、放課後は夜の7時まで学校で勉強しました。その後は、10時まで開いている図書館の学習スペースで勉強しました。

何に力を入れて勉強していましたか?

国語と英語の長文要約です。要約をするためには、文章の構造を意識しながら読まないといけないので、読解力が必要になります。長文要約を多くこなして、読解力を高め、要約力を鍛えました。広大の英語の入試問題には要約があり、難問の一つです。恐らく、受験生の多くはこの類の問題を苦手としているのではないでしょうか。要約を得意にすることで、センター試験の点数が少々悪くても、二次試験でどうにか逆転できると自信を持つことができました。

二次試験の勉強が中心だったんですね。それでは、受験勉強で苦労したことは?

センター試験の世界史と現代社会です。暗記科目はどうも苦手で…。「歴史は物語のように読むとよい」というアドバイスを受けてからは、一つ一つの出来事を覚えることに注力せずに、小説を読むような感覚でひたすら教科書を読み込みました。そのおかげか、本番の世界史では最後の模試よりも30点以上点数が伸びました。

長丁場の受験勉強中、どうやってメンタルを保っていましたか?

楽観的な性格もあって、模試の点数が下がっても、とにかく「大丈夫だ」と思っていました。一番よくないのは、焦った状態で本番を迎えること。模試の点数を見て「○○点しか取れてない」と悲観的になるのではなく、今の自分の力を冷静に把握することを心がけていました。

また、僕はサッカー部でゴールキーパーをしていました。ゴールキーパーは自分のミス一つが敗戦に直結するポジションなので、試合中ずっとプレッシャーと戦いながらプレーしていました。キーパーの経験のおかげで、受験自体をそこまで大きなプレッシャーとして感じなかったのが良かったと思います。

広大のオープンキャンパスには参加しましたか?

はい、参加しました。さまざまな企画が催されていて、楽しい雰囲気でしたね。現役の広大生に日常のキャンパスライフについて聞ける機会もあったので、参考になりました。

教育学部周辺のオープンキャンパスの様子

そして前期試験で広大に合格!入学後の印象は?

教育学部のある東広島キャンパスは、8つの学部が集まっているので、学生数がとにかく多いですね。それだけたくさんの人と知りあえるのが広大の良い所だと思います。サークルなど授業以外の活動で、他学部の学生と交流する機会が多いです。

これまで受けた授業の中で、面白いと思った授業について教えてください。

平和科目の中の「原爆体験と表象/文学」が特に面白かったです。授業内容は、原爆体験をした作家や詩人の作品を扱い、その背景にあるものを読み解くこと。僕は国語の教師になりたいと思っているので、文学を扱う授業はとても興味深かったです。

教育学系コースの専門科目では、丸山恭司教授の「教育哲学」が印象に残っています。はじめは、いろいろな哲学者の教育に関する考え方を学ぶのではないかと思っていましたが、そうではなくて、むしろ自分たちが哲学する授業でした。まず、教育に関する論文を読み、それに対する批判エッセイを書きます。そして、エッセイをスクリーンに映し出し、他の学生とエッセイ内容について議論します。一方的に知識を教授する授業ではないので、主体的に考えて発言する力が身に付きました。

丸山教授は、僕たちの学年のチューターです。高校の担任の先生みたいに、みんなの名前をしっかり覚えてくれていますし、「あっ、髪切りましたか?」などと明るく声をかけてくれるんですよ。

「教養も専門も興味深い授業が多い」と話す谷さん

入学して間もなく1年が経ちますね。想像していた大学生活を送れていますか?

毎日充実した日々を送れていると思います。教育学系コースは教員免許を取得しなくても、卒業はできます。ただし、僕のように教育免許を取りたい人は、他コースの授業も受けないといけないので、勉強することがいっぱいありますね。

また、教育学系コースは、ソフトボール大会などのレクリエーションもあって、学年を超えての交流が多いんです。入学後のオリエンテーションキャンプでは、班ごとに分かれてディベートを行います。僕たちの学年は、「日本史を必修化するべきか」「AO入試を撤廃するべきか」「フリースクールの是非について」などのテーマを扱いました。ディベートに向けた準備は大変でしたが、教育問題について、志が同じ仲間と考えることができて充実した時間でした。

オリエンテーションキャンプでのディベートの様子

サークル活動やアルバイトはしていますか?

高校までサッカーをしていたので、サッカーサークルに入りました。練習が週4回あり、週末には試合が入ることもあります。アルバイトは塾の講師を週1、2回しています。中高生を中心に教えています。

学内のグラウンドで行われる練習風景

東雲サッカークラブのメンバーの集合写真

今後の大学生活で、さらに挑戦してみたいことはありますか?

第二外国語の授業では、中国語を選択しています。受験生の時も漢文は好きだったので、中国語を勉強するのは楽しくてしょうがないです。今後は、中国語検定に挑戦したり、中国に留学したりしたいと思います。

将来の夢を教えてください。

いざ大学に入ってみて、民間企業への就職や公務員になる道もあると気づきました。でも、やっぱり第一希望は先生です。中学時代の憧れの先生みたいになりたいという思いがより強くなりました。教科の指導だけでなく、生活面や部活も含めて生徒のことをしっかり考える先生になりたいです。

最後に、広大への入学を考えている後輩に向けてメッセージを!

広大は勉強に集中するには最高の環境です。大都会のような派手さはない所ですが、大学4年間で、「絶対にこれを勉強したい」「精いっぱいこれを頑張りたい」というものがある人にはぴったりですよ。

2016年1月5日 取材・記事/広報グループ(G、F、i)、取材場所/学生プラザ、教育学部周辺


up