第23回 大好きな化学漬けの日々!

工学部第三類化学工学プログラム3年 井上 遼太(いのうえ りょうた)
<私立桃山学院高等学校出身>

等身大の広大生の声を入学希望の方にお届けするコーナー『広大生の生の声』。
第23回は、私立桃山学院高等学校出身の工学部第三類化学工学プログラム3年・井上 遼太(いのうえ りょうた)さんです。

化学漬けの日々を送る井上さん。入学後に「プラントエンジニアになりたい!」という将来の夢が定まったそうです。そんな井上さんに、受験時代や広大の授業についてインタビューしました。

工学部を受験しようと思ったきっかけについて教えてください。

予備校の授業をきっかけに、化学に興味を持ちました。予備校の授業では、問題をひたすら解くスタイルではなく、先生が化学の魅力について説明してくれるものでした。色鉛筆を多用したノートの取り方も教わり、内容が簡単に頭に入るようになりました。分かることが増えるにつれ、「面白い!」「もっと知りたい!」と、化学の魅力にどんどんとりつかれ、化学が勉強できる学部に行きたいと思うようになりました。

最初は、学問としての化学を純粋に学べる理学部化学科を考えていました。次第に化学の知識を活用して、技術面で社会貢献できるようになりたいと思い、化学と技術が学べる工学部への進学を決めました。

ノートを見ながら受験時代を振り返る井上さん

井上さんは大阪の出身ですが、広島大学が第一志望だったのですか?

実は、センター試験を受けるまでは他の国立大学が第一志望でした。センター試験の結果を踏まえて、兄や担任の先生をはじめ、周囲に相談したところ、「広大の研究力は高い」と薦められたのが決め手となりました。

ちなみに、私学は受験しましたか?

はい。3校受験しましたが、国立大学に行きたかったので、広島大学に決めました。

受験勉強はいつごろから始めましたか?

本格的に始めたのは、高校2年生の2月からです。その前月に受けた模擬試験の結果があまり良くなくて…。「そろそろ本気で取り組まなくては!」と一念発起し、予備校に通うようになりました。1、2年の頃は授業と宿題をこなすくらいで、あまり勉強に力を入れていなかったので、少し焦りがありました。

どのように受験勉強を進めていたのですか?

予備校の授業の他に、自習室や自宅で参考書や課題問題を解いて勉強しました。週ごとに計画表を作り、何曜日に何時間、どの教科を勉強するかを決めて、勉強を進めました。また、例えば英語なら、「300単語を覚える」といったように、課題を決めて取り組みました。周りの友達よりも勉強が遅れているという自覚があったので、とにかく必死でしたね。その日の課題を達成するまでは寝ないと決めていたので、深夜3時まで勉強した日もありました。

何に力を入れて勉強していましたか?

国語は現代文が苦手だったので、勉強の合間に読書をして文章に慣れるところから始め、センター試験の過去問題を解いていく中で傾向と対策をつかみました。そのおかげで、センター試験では焦らずに理解しながら文章を読み進めていくことができました。英語はまずは単語・文法に重点を置き、単語帳や参考書を一冊暗記しました。その後は単語・文法を復習しつつ、長文問題を一日一題は解くようにしていました。毎日英語の文章を読むことで苦手意識が徐々になくなり、最終的には英語が楽しいとさえ感じるようになっていました。地理は参考書である程度の知識を身につけ、問題集を解いていく中でさらに知識を増やしました。

リフレッシュしたい時はどうしていましたか?

勉強の合間に、予備校OBの合格体験談を読んで、大学生になった自分を想像し、自分を奮い立たせていました。あとは、自己啓発本を読んで、やる気を高めていました。

やる気を与えてくれた合格体験記

そして前期試験で見事に合格!実際に入学してどうですか?

大満足です!広島大学は総合大学なので、学生数がとても多いです。授業や学内イベントを通して他学部の学生とも交流があり、たくさんの出会いがあることが魅力の一つです。

また、キャンパス内は自然が多く、とても静かで、勉強に集中できる環境です。僕のお気に入りは図書館。蔵書数が多く、調べ物に困りませんし、個室の自習室も多くあるので試験前にはよく活用しています。

チューターと呼ばれる指導教員や、ティーチング・アシスタント(TA)の存在もありがたいですね。チューターとは学期末に個人面談があり、勉強だけでなく生活面についても相談できるので、しっかりサポートしてもらえる環境だなと感じています。大学院生のTAには、研究や研究室の様子を教えてもらっています。学生生活についても気軽に相談できるので、とても頼りにしています。

大阪を離れて一人暮らしすることに不安はありましたか?

不安はもちろんありました。掃除や炊事などの生活面では、今でも母親のありがたみを感じる毎日です(笑)。でも、入学時のオリエンテーションで友達がすぐにでき、先輩との交流の場もあったので、大学にはスムーズになじむことができました。広島大学にはさまざまな地域から学生が集まっているので、刺激があり面白いですよ!

故郷を離れての一人暮らしも「毎日充実している」と笑顔で語る井上さん

現在勉強していることを教えてください。

いまはプラント(工場)や化学装置の設計・管理に必要な原理を学んでいます。化学を学びたくて入学したので、化学漬けの日々で、「僕がやりたかったのはこれだ!」と毎日楽しくて仕方がないです。特に、化学装置の製図の実習が面白いです。

具体的にどんな授業が面白かったですか?

2年生の後期で受けた、滝嶌繁樹先生の「物理化学Ⅱ」の授業が印象深かったです。授業では熱力学の公式の導出を教わりました。高校では覚えるだけだった公式。その公式がどう導き出されるのかが分かり、感動したのを覚えています。滝嶌先生の授業は、話の組み立て方がとてもきれいで分かりやすかったです。今後、人前で研究発表をする機会があると思うので、滝嶌先生の話の組み立て方をぜひ参考にしたいと思っています。

他には、平和科目の中の「平和と人間A-環境と生物の未来へ-」も印象に残っています。原爆投下後の自然環境の変化について学びました。被爆都市である広島で、平和について考える機会を持つことができ、感慨深かったです。

将来の目標について教えてください

将来は学んだ化学系の知識を生かして、プラントエンジニアとして働くのが夢です。プラントでは、製品をどのように製造するかが重要です。どの装置を、どのように使うかによって、製造の効率、コスト、副産物に大きな違いが生じるからです。また、安全性や地球環境への影響についても配慮が必要になります。これらプラントの設計・管理の責任を担うのがプラントエンジニアです。幅広い化学の知識や視野が必要になると思いますが、製品の製造現場を通じて社会に貢献できることに魅力を感じています。今は基礎となる知識と技術を習得するために頑張っています。特に、夢への第一歩として、危険物取扱者と高圧ガス製造保安責任者の資格取得を目指して勉強しています。大学を卒業後は、大学院へ進学して、化学についての幅広い知識をさらに深く学びたいです。

最後に、広大への入学を考えている後輩に向けてメッセージを!

この記事を読んでいる人の中には、受験勉強のまっただ中で、毎日苦労をしている人も多いかと思います。体調を壊すほどの無理はもちろん禁物ですが、僕は、あえて少しくらいの苦労や無理はした方がいいと思っています。自分に負荷をかけて何かをやり通す経験は、自分の成長につながるからです。僕自身、受験勉強を通して忍耐力と精神力が鍛えられたと思いますし、「受験の時にあれだけ頑張れたのだから、また頑張れる」と自信がつきました。苦労の先には成長があると信じて、頑張ってくださいね!

2016年5月25日 記事/広報グループ(F、G)、写真/広報グループ(G)
取材場所/工学部会議室


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