第27回 大学で数学の奥深さを実感!

等身大の広大生の声を入学希望の方にお届けするコーナー『広大生の生の声』。第27回は、大分県立日田高等高校出身の理学部3年・熊谷 武流(くまがえ たける)さんです。

高校教員を目指して理学部数学科に入った熊谷さん。いい先生に恵まれた受験生時代のことや広大の授業を通して感じた数学の深さ、野球部での活躍などについてお話を聞きました。

広大を受験しようと決めたのは、なぜですか?

小さい頃から、先生に憧れていました。高校の時に、「高校の先生になりたい!」と担任の先生に相談したところ、「広大は教育系に強い、いい先生がたくさんいる」と薦められたのが決め手となりました。

高校の先生になりたかったのには何か理由が?

最初はただ先生になりたかったんです。身近にいる一番格好いい大人が先生。いろいろ知っているなと思ってもらえるのが先生。

特に、高校の時の担任が印象に残っています。教え方が抜群で、その上、生徒ひとりひとりを見てくれたり、話を聞いてくれたりして、生徒に近い先生でした。その先生が「小中の教員よりも高校のほうが向いているんじゃないか」とアドバイスしてくれて、高校の先生を目指すようになりました。

また、部活でやっていた高校野球にちょっと未練が残っていたことも後押しとなりました。

「身近にいる一番格好いい大人が先生」と語る熊谷さん

なぜ理学部を選んだのですか?

実は、センター試験を受けるまでは教育学部が第一志望でした。センター試験の結果を踏まえて、憧れの担任の先生に相談したところ、理学部のほうが専門性もあるし、向いているんじゃないかと言われたので、理学部に決めました。実は、その先生も広大の理学部数学科の卒業生だったんです。

センター試験が終わってから、急に志望学部を変更することになったのですね。すぐに気持ちの切り替えができましたか?

気持ちはすぐに切り替えられました。教育学部であろうと、理学部であろうと、絶対に広島大学に行きたいと思っていたので、学部が変わること自体はあまりへこまなかったですね。

受験勉強はいつごろから始めましたか?

野球部を引退した高校3年生の7月から本格的に始めようと思いましたが、引退試合の結果をちょっと引きずってしまって、なかなか始められなかったんです。7月に受けた模試で、前の模試より150点くらい点数を落としてしまって、危機感から秋頃より本格的に受験勉強を始めました。

熊谷さんの勉強スタイルを教えてください。

とにかく授業はまじめに聞く、と決めていました。授業で分からないところは作らないようにしていました。学校が19時まで開いていたので、その時間を利用して、分からないところをよく先生に聞きに行ってました。

受験勉強で大変だったことは何ですか?

センター試験の点数が思っていた点じゃなかったので、ここから二次試験に対する焦りがありました。

センター試験が終わってからは、授業とは違いますが、高校で志望大学のレベルごとに分かれた講座がありました。そこで自分からは余計な勉強をせずに、先生が選んでくれた教材やプリントに絞って、先生の教えてくれたやり方どおりに勉強しました。特に広大受験者用の講座では自由英作に力を入れました。英作文を作って、先生に添削してもらいました。苦手の自由英作に慣れる練習をしていくと、単語の勉強や文法表現の勉強にもなります。いいアドバイスをしてくれるいい先生に恵まれて感謝しています。

先生が選んでくれた教材を開き、受験時代を振り返る熊谷さん

先生が選んでくれた教材

そして前期試験で広大に合格!入学後の印象は?

そうですね、やっぱり広大は同じ目標や夢を持った人たちが集まった集団。みんな自分の目標をみて、ぶれずに頑張っているなと刺激されました。

理学部数学科ではこれまでにどんな勉強をしてきましたか?

数学という大きな分野を考えると、学部の4年間で学ぶことは全部「基礎」になるんですね。1年生、2年生の時は必修科目で数学の基礎的知識や考え方を勉強するとともに、さまざまな教養教育科目を学びました。今は3年生なので、数学の様々な分野に対応する授業科目を自由に選択して授業を受けています。ゼミは4年生から入ります。

これまで受けた授業の中で、面白いと思った授業について教えてください。

数学は「面白い」と思えるまでにすごい時間がかかるので、たぶん面白いと思えるのはこれから先だと思います。今学んでいるものはまだ基礎の基礎。それをしっかり理解できてから、自分で面白いなと思えるものが見つかるんじゃないかと思います。

面白いというよりは印象に残っているシーンがあります。1年生の解析学Ⅰ演習で「『1+0=1』であることを証明してください」と先生に当てられましたが、答えられなかったんです。高校の時に当たり前のように使っていた公式も実は証明が必要。「当たり前のことが当たり前じゃない」という数学の深さを実感しました。いま大学でそういう数学の深いところも勉強しておくことがやっぱり将来先生になった時に役に立つかなぁと思います。

アルバイトやサークル活動はしていますか?

アルバイトはファミレスで週4回働いています。

部活は高校まで野球をしていたので、体育会準硬式野球部に入りました。練習が週3回あります。夏休みに秋季リーグで優勝したんですよ!練習してきたことがうまくいって勝てたのが一番うれしいですね。今度初めて全国大会に出るので、より一層頑張ろうと思います。

「平成27年度 秋季リーグ戦」での集合写真

将来は、高校の先生になりたいという夢を持っているんですね。どんな先生になりたいですか?

まずは数学をしっかり教えられる先生になりたいです。そして、生徒一人一人を見てあげられる、生徒の声をしっかり聞く先生になりたいですね。憧れている先生のように、授業だけじゃなくて、「あの先生に進路相談がしたいな」と思われるような、生徒に一番近い先生になりたいなと思います。

最後に、未来の広大生へメッセージをお願いします!

自分の周りの広大生は意識がすごく高くて、自分もやらなきゃと思わせてくれる人ばっかりです。広大では幅広い選択ができるので、ぜひそこに飛び込んで自分の夢を叶えてください。自分を磨くにはとてもいい大学だと思いますので、頑張って欲しいです。

2016年8月25日 記事・写真/広報グループ(G、Y)
取材場所/広島大学中央図書館


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