第28回 広大で、挑戦も失敗も!

等身大の広大生の声を入学希望の方にお届けするコーナー『広大生の生の声』。第28回は、大分県立日田高等学校出身の生物生産学部2年・梅木 雅美(うめき まさみ)さんです。食品や環境問題への関心から生物生産学部を受験することに決めた梅木さん。AO入試の苦労や入学後のオリエンテーションキャンプ、授業・留学のことなどをインタビューしました。

広大を志望した理由を教えてください。

高2と高3の時にオープンキャンパスに参加しました。講演の中で「広大は失敗力をつけることができる大学です」という話がすごい印象的で。ふつう「失敗」って良い印象はないじゃないですか。大学のうちにたくさん挑戦して、たくさん失敗できるチャンスがあるのっていいことだなと感じたんです。留学の制度が整っていることや、他学部の授業を好きに履修できることも分かって、「広大いいな!」って。

失敗して成長することも大切なことですよね。ところで、行きたい学部は決まっていましたか?

はい。食品や環境について学べる生物生産学部を志望していました。テレビのドキュメンタリーを見て、だんだん貧困・飢餓や環境破壊についての関心が強くなって。大学で深く学べたらなと考えていました。何かを作ることも好きだったので、工学部で建築を学ぼうかなとも思ったこともありますが。最終的には、ミドリムシの研究をしたことで、生物生産学部に傾いたような気がします。

高校生の時からミドリムシの研究を?

私の高校は、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されていて、その取り組みの一環で研究をしていました。ミドリムシは、世界の食糧問題を解決する可能性があると言われています。私たちは、特に色の嗜好性と光合成速度の光強度依存性について調べていました。このときの研究が、後に受験するAO入試で役に立ちました。

 

「高校時代から実験や研究は好きだった」と話す梅木さん

AO入試を受験したんですね。

先生に勧められて、「受験のチャンスが増えるなら」と思って挑戦しました。とはいえ、センター試験の点数も必要なAO入試だったので、センター対策とAO対策の両立に苦労しました。自己アピールを書くのを考えたり、面接の練習をしたりで時間が削られてしまうので。

梅木さんが受けたAO入試はどんな形式でしたか?

書類選考を経て、11月に試験がありました。試験は2つあって、講義を聴いて意見をまとめるゼミナール形式のものと面接。講義は、生物生産学部の5つのコース(生物圏環境学、水産生物科学、動物生産科学、食品科学、分子細胞機能学)の先生がそれぞれ20分ずつ話されました。内容は、食料や農業・漁業の問題、日本が抱えている畜産の問題だったかと思います。

センターとAOの両方の対策をする時に気をつけていたことは?

スケジュールをしっかり立てることです。私は1つのことに熱中し過ぎてしまうタイプで。間延びして、他のことに手が回らなくなることが多かったのです。その反省を生かして全部が中途半端にならないように、できるだけスケジュール表に細かく書き込んで管理するようにしていました。

そして、AO入試に合格して、大学生活がスタートしました。不安はありませんでしたか?

入学すると、すぐにオリエンテーションキャンプ、いわゆる「オリキャン」があるんです。そこでは、新入生同士や先輩と交流を深めることができます。それで、不安は一気に消えました。生物生産学部は結構盛んですね。班ごとにご飯を食べたり、キャンプでの発表に向けて準備をしたり。当日は、先生ともいっしょにバーベキューをして、距離が縮まりました。

2年生になった今年は、新入生をもてなす係をこなした

これまでどんな授業を受けましたか?

これまでに「種生物学」「細胞科学」「食糧資源論」「生物環境学」などを受けてきましたが、やっぱり興味のある授業は面白いですね。周りの友達も同じことに興味があるから、なおさら楽しいです。あっ、でも、生物生産学部には、「魚マニア」だったり「動物好き」だったり、自分とは別の路線の人も多くて。そういう人たちと一緒に授業を受けられるのも、大学の魅力ですね。

また、平和科目の一つ「飢餓・貧困・環境問題からみた平和学」が農業に絡んだ話が多くてためになりました。世界の飢餓状況や食糧生産の現状と問題点などを掘り下げて解説いただき、平和の構築に向けて、自らがどのように関わっていけるのかを考えさせられました。広大ならではの授業ですよね。

生物生産学部は1学年約100人。「個性的な人が多くて楽しい」

留学は経験しましたか?

はい。学部1年生対象の留学プログラム(STARTプログラム)でインドネシアへ2週間ほど行きました。本当に毎日驚きの連続で。甘い物なのに辛い物をたくさんかけて食べたり、トイレも日本とは全然違ったり…。日本にいたら当たり前過ぎて気にもしなかったことが、インドネシアでは異なっていて新鮮でした。

シンガサリ寺院にて。STARTプログラムでは現地大学での授業のほか、遺跡見学や芸術見学も行う

ブロモ山でジャンプ!

1年生のうちに異文化に触れて視野が広くなったのですね。ちなみに、現地の大学での授業はどうでしたか?

もちろん、授業は全部英語ですね(笑)。だから結構難しかったのですが、現地の大学生とたくさん交流できたのが良かったです。英語を話す機会も増えたし、文化や歴史を知るきっかけにもなりました。仲良くなりすぎて、帰国するときはみんな号泣していましたよ。

現地の大学生と。SNSを通じて交流は今も続く

サークルには何か入っていますか?

軟式テニスのサークルに入っています。練習は毎日あるんですが、いつ行ってもいいんです。だから私は週3くらいのペースで参加しています。高校生の時は競技かるたに熱中していたのですが、やり尽くした感があったので、大学では別のことをやってみようと思っていました。

サークルの合宿先での集合写真

アルバイトはしていますか?

塾とキャンパス内の図書館で働いています。塾では中学生や高校生に数学や国語や社会を教えています。教えるのはあまり得意ではないのですが、「どうやったら、より分かりやすいかな」と毎週繰り返し考えるうちに、自分の力になってきた気がしています。それに、頑張っている高校生を見てると、「あー、2年前の自分はこうだったのかな」と思って、初心に帰りますね。

大学生活ももうすぐ折り返しですね。進路はどんなふうに考えていますか?

研究室に所属した後、入り込める研究テーマが見つかったら、大学院に進もうかなと。ただ今のところは、就活をして学部で卒業しようと思っています。食品系の企業で商品開発に携われたらいいですね。

最後に、広大を目指す受験生に向けてメッセージを!

飾った言葉ではないのですが(笑)、とにかく広大はすっごく楽しいですよ!サークルやバイトでは学年をこえた縦のつながりができるし、学部では横のつながりができます。人脈がみるみる増えて。高校生の頃を考えると、今の自分はイメージできないですね。受験期はしんどい日々が続くかと思いますが、とにかく毎日こつこつ積み重ねるしかありません。夢を叶えるために、1分、1秒を大切にして頑張ってくださいね。

2016年9月28日 記事・写真/広報グループ(i、Y)
取材場所/東広島キャンパス本部棟2F


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