第4回 憧れの先生に教えを請いたくて!

総合科学部 総合科学科 社会文化プログラム 2年 寺本 芳瑛(てらもと よしあき)さん
<島根県立安来高等学校 出身>

等身大の広大生の声を、入学希望の方にお届けするコーナー『広大生の生の声』。第4回は、総合科学部2年・寺本芳瑛さん。

寺本さんは、学生ボランティア団体「OPERATIONつながり」に所属し、「つながり隊」第4次派遣隊として、東日本大震災の被災地支援に参加しました。現在、震災復興ボランティア事業部長を務めている寺本さんに受験勉強や「OPERATIONつながり」での活動について、インタビューしました。
 

広島大学を受験しようと決めたのは?

当時は英語か社会の高校教師になりたくて、他の国立大学を目指していました。高3の夏休みにその大学のオープンキャンパスへ行ったのですが、「自分の行きたい大学」とは違うと感じ、振り出しに戻りました。

それから、両親や担任の先生、進路指導の先生の力を借りて、再度志望校選びを開始。先生から「大学は教授で決めろ!」とアドバイスをいただきました。そこで出会ったのが、広島大学大学院総合科学研究科の町田宗鳳教授だったのです。私は宗教に興味があったんですが、先生が書かれた宗教の本にとても感銘を受けました。もう一目惚れでしたね!

自分の中で「広島大学総合科学部へ行くんだ」という一本の道ができたのは、この時です。
 

他大学の受験は?

受験しませんでした。
 

受験の準備はいつごろから始めましたか?

本格的に受験勉強を始めたのは、広大に行くと決めた高3の9月ごろからです。
 

予備校や、塾、家庭教師などを利用しましたか?

母の知り合いの予備校の先生が岡山にいて、その先生に受験勉強全般、特に小論文の指導を受けました。 島根と岡山で距離があるので、電話とFAXで何度も添削していただきました。

その他の科目は、高校の授業や問題集をメインに、岡山の先生のアドバイスの下、独学で勉強しました。

クリスマスくらいまでは、夜11時に就寝、朝3時に起きて8時まで勉強。授業が終わったら、また午後4時から11時まで勉強と、寝不足になりながら勉強してましたね。
 

受験勉強中のことについて語る寺本さん
 

愛用のシャーペン。左が現在使用中のもので、右が受験当時に使用していたもの。
受験当時のものはグリップ部分の色も薄れ、クリップ部は折れています。
ものすごく勉強していたのがよく分かりますね。
 

クリスマスまでは・・・とは?

クリスマスからセンター試験まで勉強できなかったんです。というか、全くしたくなくなったんです。その間は、全く勉強しませんでした。
 

そして、いよいよセンター試験…、いかがでしたか?

試験直前に全く勉強してなかったので、「もう駄目だ」と思って受験したのですが、結果過去最高点を取ることができたんです。センター試験2日目が終わった直後には、岡山の先生も自宅まで駆けつけて下さって、そこからまた2次試験まで頑張ることができました。
 

受験勉強中、どうやってモチベーションを保ちましたか?

ストレスが溜まったときは、受験勉強のことは忘れて、ソフトテニスやサッカーといったスポーツを思いっきりしました。勉強するときは勉強、休むときは休むとメリハリをつけましたね。

あと、受験勉強中一つ徹底していたことがあって、それは朝晩一回ずつの瞑想です。インドの哲学から生まれた瞑想法を用いていたのですが、心は落ち着くし、深い休息ができてとてもよかったです。
 

さて、実際に広大へ入ってみて、良かったなぁと思うことは?

学生同士のつながりが強いことです。それは同級生同士だけではなく、先輩・後輩の関係においてもですね。
 

憧れの町田先生に会ってみて、いかがでしたか?

入学してすぐ、初めて先生の授業を受けたときはとても感動しましたし、すごいオーラを感じました。授業が終わると、先生のところへ飛んでいって、声をかけましたね。

それからは、先生とお茶したり、研究室でお話をさせていただいたりしています。

自分が思い描いていた通りの先生で、先生のもとで研究を進めていきたいと思っています。

 

―さて、ここからは「OPERATIONつながり」について教えてください。

「OPERATIONつながり」とは、どのような団体ですか? 

昨年3月11日の「東日本大震災」発生直後に、大学院国際協力研究科の有志を中心に結成しました。その輪が広がり、74名(※)のメンバー・サポーターがいます。

主な活動としては、「東日本大震災」の復興支援ボランティア、海外の子どもたちへの貧困・教育支援のための海外ボランティア、そして地域を元気にするための地域交流ボランティアです。この3つの活動を軸に、人と人をつなげるというつながり作戦を展開しています。

世界中の人々が輝いていけるよう「OPERATIONつながり(つながり作戦)」を広げていく、そのために白紙の状態から仲間と議論し共に考え実行していくことが「OPERATIONつながり」の目的です。

(※)取材当時の人数。
 

これまでに4回、被災地で復興支援を実施されてますが、どんな活動をされましたか?

私たち学生にしかできないことをしようということで、精神面のケアを重視した活動です。

具体的には、仮設住宅を訪問して、被災された方の手伝い・傾聴、交流会の開催、子どもたちへの学習支援や彼らと思いっきり遊ぶといったことです。

私は今年3月に「つながり隊」第4次派遣隊として被災地を訪れ、被災地の方の心に寄り添った支援をし、3月11日には市民とボランティアの集いなども行いました。
 

今年3月に「つながり隊」第4次派遣隊として宮城へ復興支援に(一番右下:寺本さん)
 

第4次つながり隊として現地で活動してみて、どのように感じましたか?

風評被害などがまだまだ続いています。被災された方のお話を伺ってみても、目には見えませんが、心の傷は癒えてはいません。だから、今後も継続して被災地を訪れ、被災された方の手伝いや傾聴等行っていきたいです。

また、つながり隊の活動については報告会や展示会を行っていますが、実際に見てきたことや感じたことをもっともっとたくさんの人に伝えていきたいです。その機会として、現在、いくつかの小学校や団体から出前講義の依頼も数件ほどいただいています。
 

復興支援以外ではどのような活動をされていますか。

今年の2月から3月にかけて、インドに「世界つながり隊」第1次派遣隊を派遣し、子どもたちへの貧困・教育支援を行いました。また東広島市社会福祉協議会の方とともに、地域の子どもたちとの交流ボランティアなどもさせていただいています。
 

「OPERATIONつながり」としての活動の他に、どのような学生生活を送られてますか。

今年の3月にバックパッカーとしてインドへ行き、そこで2週間過ごしました。インド人の強烈な文化に、自分の価値観が根本から変えられました。
今年の夏には、チベットと再度インドに行く予定です。今からとても楽しみです。
 

インドのバラナシに流れるガンジス川にて。現地の方と(左:寺本さん)
 

今後はどのような活動を予定されていますか。

現在、震災復興ボランティア事業部長を務めていますが、今年8月に第5次つながり隊が被災地を訪問する予定です。また、福島の子どもたちに広島に来ていただいて、思いっきり外で遊んでもらったり、広島市を観光する中で広島の子どもたちと交流するサマーキャンプの実施を検討しています。
 

最後に、広大へ入学を考えている後輩に向けてメッセージを!

自分の気持ちに『素直』になって下さい。もし受験勉強の最中に、「今日は休みたいな」と感じたら、どんと構えて『素直』に休んでみて。 それは体に限界がきているサイン。やるときは120%やりきり、休むときは120%休みきる。そうすれば、きっといい結果につながるはずです。

2012年5月23日 取材・編集:広報グループ 場所:西第1福利会館


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