等身大の広大生の声を、受験生・高校生のみなさんへお届けする『広大生、先輩インタビュー』。
第48回は、総合科学部・国際共創学科(Department of Integrated Global Studies) 3年 益田 杏梨(ますだ あんり)さん(県立熊本高等学校出身)です。
通常授業に海外留学などを巧みにこなしながら、密度の濃いキャンパスライフを送っている益田さん。彼女の高校時代を振り返るとともに、大学生活について語ってくれました。
高校時代に力を入れて取り組んだことは何ですか?
勉強と部活(華道部)です。
特に勉強に関しては高校入学後に素敵な先生方と出会ったことで勉強の楽しさを知りました。
受験勉強や入試に関することで、大変だったことや苦労したことは何ですか?
高校3年生の春の時点では、大学で学びたいことを絞ることが難しく、受験自体にも前向きになれませんでした。その当時、勉強に全く身が入らず半ば自暴自棄になっていました。
その心境に陥った原因に、2021年から大学入学者選抜改革により受験制度が変わった事もあります。私たちの代で初めて共通テストが実施されたのですが、試験自体がどのような形式になり、どのくらいの成績が求められるのかが不透明でした。また、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた頃だったため、自宅待機やオンライン授業となり、出鼻をくじかれたこともあります。
広大を受験しようと決めたきっかけは何ですか?
進路に悩んでいる時に支えとなったのは、先生や友人です。友人から面白そうな学科が広島大学にあると、総合科学部国際共創学科(IGS)を紹介をしてくれた事がきっかけで、広大を受験しようと決めました。この学科は、全ての科目を英語で受講することができ、在学時には海外留学が(母語が日本語の者は)必修という、2018年にスタートした新しい学科でした。
洋画の影響から英語が好きだったため、日本にいながら英語をたくさん使える環境に魅力を感じました。英語で学んだり、留学できたりする幅の広い内容を学べる大学で、さまざまな内容を学ぶことを目標に前向きな気持ちで勉強に励むことができました。また、両親に相談した時は大歓迎で、色々な場所を見て体験して欲しいと背中を押してくれた事も励みになりました。
受験勉強はいつごろ始めましたか?
受験勉強は、高校3年生の夏頃から、模試などを中心に本格的に始めました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、周りに比べ、受験勉強の波にうまく乗ることができませんでした。受験の切羽詰まるような雰囲気も苦手でしたが、そんな夏休みを過ぎたあたりに、友人が広島大学のIGSを紹介してくれたお陰で、気持ちを切り替える事ができました。高校1、2年生の時に積み重ねていた勉強の努力の蓄積が、受験勉強にも大きく役立ちました。
学生生活について教えてください。
特にサークルには所属していませんが、授業で交換留学生と仲良くなり、2023年12月には中国から来た留学生と宮島に行きました。
また韓国に2年生の9月~12月末まで4か月間留学しました。留学国や時期は自分で選択できますが、4年間で卒業するために多くの方はこの時期の留学を選びます。私は中学から友人と韓国語を学び始め、大学1、2年に第3言語として学んだこともあり、韓国を選びました。社会人になってからでは留学は難しいと思うのでとても貴重な経験になりました。
ちなみに、習った韓国語の中で好きな韓国語は、잡아(チャバ)です。日本語の意味は「掴む」という意味です。잡다(チャッタ)という動詞が変形したものですが、音の響きが好きです。
3年次の夏休みに経験したインターンシップでもたくさん学びました。私の所属する学科では、インターンシップが卒業に必要な単位の1つに含まれており、実施前のマナー指導や必要な準備から実施後の振り返りまで支援してもらいました。私のインターンシップ先は広島テレビ放送株式会社でした。スタジオの見学をし、実際の取材に同行したのですが、普段できない体験がたくさんできてよかったです。
広島テレビにて
韓国留学中の食事
インターンシップ時の1枚
現在勉強していることを教えてください。
現在の専門は言語学です。新たな言語の習得とそれに関する日本人の取り組み方に興味があります。例えば、日本人は英語が苦手な人が多いとよく言われますが、それには日本人特有の文化や気質が関係しているのではないかという点を研究したいと思っています。
また、IGSでは授業の8割程度が英語で行われます。高校の授業とは全く異なり、授業でディスカッションやプレゼンを行う機会がとても多く、より主体的に学習することが求められていると感じます。
授業がある平日のスケジュール
8:00 | 起床 大学へ |
8:40~12:00 | 授業 |
12:00~12:50 | 友人と食堂で昼食 |
12:50~16:05 | 授業 |
17:30~21:20 | バイト |
23:00 | 帰宅、就寝 |
大学のサポート、福利厚生施設についての感想をお願いします。
私は大学の留学サポートシステムを使って、韓国に留学しました。必要な書類や加入しなければならない保険などを詳しく教えていただくなど、サポートが受けられ、本当に助かりました。
また、インターンシップも本来なら自分自身で企業を探して応募しなければならない所、企業を探す所から実際のインターンシップまで支援していただき、安心して取り組むことができました。
広大に入学して良かったことは何ですか?
大学の友人は、留学生や日本人でも英語が堪能な方が多く、劣等感を感じ精神的にとてもきつかったです。その中でも頑張り続けたことで、自分に自信が持てるようになりました。そうして3年間過ごしてみると、入学してよかったという気持ちでいっぱいです。さらに広島大学には、さまざまな学部があり、異なる価値観を持つ友人たちと交流できるのが楽しいです。加えて、留学やインターンシップを通じ、なかなか普段できないとても貴重な経験も多くすることができました。
最後に、広大を目指す受験生へメッセージをお願いします。
受験生活やその後の大学生活で、うまくいかないことやくじけそうになることもたくさんありましたが、そのたびに周りの方々に助けてもらいました。
高校では友人にIGSの存在を教えてもらい、つらいときは先生方に支えていただきました。大学入学後も、家族の支えをはじめ、分からないことがあるたびに助けてくれる友人や、学部の支援室の方の親身なサポートのおかげで踏ん張って進み続けられました。
そして今では高校三年生のときには想像もしていなかったような夢を持ち、前向きに勉学に励んでいます。
受験はつい辛いことや苦しいことに意識が向いてしまうかもしれませんが、ぜひ周りの人々に感謝の気持ちを持ちながら進んでいってほしいなと思います。
留学時に友人と(一番左が益田さん)
皆で撮ったプリクラ
2023年12月 取材・写真/広報グループK&Y
取材場所/東広島キャンパス