TEL: 082-424-6762
E-mail: koho*office.hiroshima-u.ac.jp
(*は半角@に置き換えた上、送信してください)
(左から:飯間 朱音さん・寺田 縁さん・髙野 咲樹さん・八木 健太郎 准教授)
附属小学校の昼休み、児童たちは手に手に本をかかえて図書室の扉に吸い込まれて行きます。ここは本の森。図書室の改修を手がけたのは教育学部第四類生涯活動教育系造形芸術系コースの学生たち(飯間 朱音さん・髙野 咲樹さん・寺田 縁さん)。親しみやすいデザインで、施工後も児童たちが活用しながら育てていけるようなアイデアが満載です。どのようにして改修が行われたのか、実際に見学しながら造形芸術系コースの学生の皆さんと八木健太郎 准教授、そして附属小学校の間瀬 茂夫 校長にお話を伺いました。
研究室について教えてください。
八木先生)デザインを専攻した3・4年生と研究生で構成され、週1回ほど集まって活動をしています。間瀬校長から図書室改修のお話を頂いたときに、せっかくなのでとゼミで対応することにしました。こういう機会があればゼミのみんなでやるようにしています。今回はゼミ生の4年生3人が担当しました。
図書館改修の経緯は?
間瀬校長)事の始まりは私が赴任した時に、図書館に行こうとしたら入り口が分かりにくくて通り過ぎてしまい何とかしたいと思ったのがきっかけでした。そこでデザインに定評がある同僚の八木先生に相談を持ち掛けました。その後研究室のみんなでデザインを考えていくうちにどんどんイメージが沸き上がり、当初扉だけの改修予定が入口壁面までの大掛かりな改修となりました。保護者で構成される「すずかけ会」の皆さまには多大なご支援を賜りました。
間瀬校長
改修前の様子
どのようなイメージでデザインされましたか?
学生たち)最初は「積み木」「海」「空」など、さまざまなイメージでアイデアを出し合っていたのですが、小学校1~6年生までの幅広い年齢に楽しんでもらえるデザインが良いと思い、憩いの場としてもふさわしく自然物としてもとても良いので「本の森」というテーマを持たせつつ「森」のイメージで制作することが決まりました。
もともとの入口が給食用のエレベーターと同じ場所にあり、昼休みに混雑してなおかつ暗かったので裏口だった場所を入口に変更したいと考えた結果、話がどんどん発展していきました。間瀬校長は驚かれていましたが、とても良い仕上がりになりそうだと、そのまま進めさせて下さいました。
イメージ図
ストーリーを感じる空間展示になっていますね。
学生たち)飯間さんが担当した扉は、円形の窓にすることによって、形も面白く奥の部屋も見えて視線的な意味でもよい仕上がりとなりました。髙野さんは扉の中心にディスプレイを作ることでデッドスペースになりがちな場所を生かし、幹のようなデザインにしました。幹の部分と窓を合わせると、葉っぱが生い茂っているような木の形にもなっています。正面に幹の棚があり、それを囲む窓が木となり、寺田さんの担当した壁面の森へと続いていきます。壁面の木にはOSB合板を使用し、画びょうを刺して絵などが展示出来るようにしました。3人ともグラフィックなどの平面デザインを勉強していますが、3Dでの空間構成はこれが初めてでした。平面では表現出来ても実際に設置可能かどうか不安要素は多々ありましたが、八木先生の的確なアドバイスで実現可能なプランに仕上げることができました。
壁面の森
円形の窓がステキな扉
実際に使われている様子を見ていかがですか?
学生たち)実際に使われているところを見に来るのは今日が初めてで、次々にやってくる児童たちや、壁にハロウィンの飾りつけをしたり実際に本を展示するなどして使われている様子を目にして嬉しいです。自分たちが作って終わりではなく、今後も実際に利用する児童たちにどんどん活用してもらいたいです。
改修を終えた図書室を初めて見る学生たち
今後の活動予定を聞かせてください
学生たち)今は来年2月の卒業制作展と論文発表会の準備中です。学内展と学外展を予定していますが、昨年度は新型コロナウィルス蔓延の影響で学外展を中止せざるを得なかったので、今年は開催できることを願います。
(2021年10月取材/広報グループM)
広島大学広報グループ