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世界の大学生が競うイノベーター育成を目指すプログラムでベスト10に入りました。

(左から:笠井さん、副田さん)
(©Suguru Saito / Red Bull Content Pool)

 世界の大学生を対象に、社会を変えるアイデアの実現と次世代イノベーター育成を目指すプログラム「Red Bull Basement(レッドブル・ベースメント)」の世界大会に、本学大学院先進理工系科学研究科物理学プログラム1年(出場時、理学部4年)の副田 幸暉(そえだ こうき)さんのチームが日本代表として出場し、べスト10に入りました。
日本代表に選出された経緯、世界大会での活躍など、副田さんにお話を伺いました。

今回参加された大会について教えてください。

副田さん) 私たちが参加した大会、Red Bull Basementとは、エナジードリンク・ブランドのレッドブルが主催する、社会を変えるアイデアの実現と次世代イノベーター育成を目指すプログラムです。
私と、高校の同級生である三重大学工学部4年(出場時、3年)の笠井 涼平(かさい りょうへい)さんで作るチームはノイズのない空間を提案しました。コロナ禍でWeb会議などが増えている状況でノイズキャンセル空間が実現されることへの有効性が評価され、全国351チームの中から、唯一の日本代表に選出されました。

「ノイズのない空間」というアイデアはどのように生まれたのでしょうか?

副田さん) ノイズキャンセル機能のあるヘッドフォンはおなじみです。私たちも実際に使ってみてその性能に感心した一方、使用中に周りの人から話しかけられても気付かない不便さも感じていました。そこで、「頭の周りにノイズのない空間を部分的に作れたら、不便さが解消できる」と考えました。
私達は、当初ノイズキャンセル空間の実現に、カーテンレールとビデオカメラでの実現を考えていましたが、携帯できる2つの指向性スピーカーで、人の周囲にノイズのない空間を実現するアイデアに変更し、世界大会に挑戦しました。

世界大会前にアイデアについて語る副田さん

指向性スピーカーのサンプル

準備が大変だったのでは?

副田さん) はい。世界大会の準備期間には、ノイズキャンセル空間を実現化するために専門家からの助言を得てプロトタイプを作成しました。更にアイデアを実現するためのロードマップも作成しました。大会は全て英語で実施されるため、プレゼンテーションの対応や想定問答などの英語対策も行いました。

チームの中でどう役割を分担したのですか。アイデアを決める際に一番苦労した点は?

副田さん) 私は技術的な内容の判断を行い、笠井さんは動画作成・SNSなどの広告活動と役割を分担していました。アイデアについては「実現したいこと」と「実現できること」のバランスに苦心しました。

大会には、どのくらいの人が参加されたのでしょうか?

副田さん) 世界43カ国より4,041件の応募があり、各国から選抜された40チームがGlobal Finalと呼ばれる世界大会に進出しました。世界大会は、イスタンブール(トルコ)で、2022年3月25日から27日に開催されました。

結果はいかがでしたか?

副田さん) 世界大会では準備が活き、私達のチームは、レクチャー・ワークショップで順調にアイデアを洗練し、プレゼンテーションも上手く行うことができ、上位10チームに残ることができました。しかし、残念ながら最終ラウンドの上位4チームには残ることはできませんでした。質疑応答など準備できていなかった内容に対しての英語表現に苦労し、悔しい思いもしました。ただ、私たちのアイデアは他の出場者や、審査員からも高く評価され、非常に手応えを感じました。

プレゼンテーションを行う副田さん
© Suguru Saito / Red Bull Content Pool

世界大会に使用したプロトタイプ

大会出場時では、副田さんは理学部、笠井さんは工学部ですね。分野が違う2人が、大会に参加したことでプラスになったことはありましたか?

副田さん) 笠井さんとは役割分担もありますが、双方の得意分野が違うため、うまく補えたと感じました。理学・工学の分野の違いという点では、今回のアイデアのプロトタイプを作成するというものづくりの中で、工学的な進め方、開発の仕方に触れることができました。また、大会までの準備期間には、サポートしてくれる国内企業や専門家と知り合えたことがとても財産になりました。
世界大会では、参加者と沢山の交流ができ、同世代ということもあり刺激を受けました。日本人は慎重に物事を進めるという考え方が多数ですが、他の国の方は思いついたらすぐやってみようと大胆な考えの人が多いことに驚きました。文系の参加者が多かったことも印象的でした。

世界大会について語る副田さん

今後の活動予定などを教えてください。

副田さん) 世界大会後も参加者との連絡を取っていて、今年の夏に向けてイタリアで参加者の交流会を計画しているところです。ノイズキャンセル空間のアイデアについても、サポートしてくれた企業と製品化に向けて、開発を進めていこうと考えています。
研究室の指導教員や、両親、サポート企業の支援があったため、世界大会でよい成績を修めることができ、支えてくださった皆様に大変感謝しています。
大会で得た経験や人との繋がりを大切にし、大学院進学後の自分の研究を進めることと、アイデアの実現を目指していきたいです。

世界大会の参加者との交流
©Nuri Yılmazer / Red Bull Content Pool

(2022年5月取材/広報室G)

【お問い合わせ先】

広島大学広報グループ

TEL: 082-424-6762
E-mail: koho*office.hiroshima-u.ac.jp
(*は半角@に置き換えた上、送信してください)


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