第19回 人の心を動かすメッセージを、もっともっと発信したい

経済学部経済学科(昼間コース)現代経済プログラム 4年 安部 大地(あべ だいち)

<島根県立松江東高校 出身>

インドネシア、台湾へ短期留学を経験し、広大の広報誌『HU-style』や放送部に所属している安部さん。広報誌制作での取材、留学中の何気ない会話から成長のきっかけをつかんだと言います。広大の先生のことや、将来の目標についてもインタビューしました。

 

広大を受験したきっかけについて教えてください。

広大を選んだ一番の理由は、国立大学であることです。私立大学は頭になく、実際に受験もしませんでした。高校生の頃は、将来はニュースキャスターになれたらいいなぁと思っていたので、ニュースを読むなら、法律や経済に強くないと!そんな思いから、社会科学系に強い国立大学を志望していました。願書を出すギリギリまで、関西圏の他大学と迷っていましたが、広大を選びました。

広大を選んだ〝最後の決め手〟は何だったのですか?

センター試験後、担任の先生をはじめ複数の先生に相談しました。どの先生からも「広大なら大丈夫だ」と声をかけてもらったのが大きかったですね。姉といっしょにオープンキャンパスに参加したこともあり、キャンパスの雰囲気を少しでも知っていたのも良かったと思います。

受験勉強はどう乗り切りましたか?

高校時代、勉強は嫌いではなかったので、受験勉強も苦ではなかったです。願書を出す時の方がよっぽど苦しかったです(笑)。願書を出した後は、気持ちを勉強モードにしっかり切り替え、過去問10年分を解き切り、しっかりと対策を行って本番にのぞみました。

「高校の先生が広大の受験を後押ししてくれた」と話す安部さん

そして、前期日程で合格!経済学部ではどんなことを学んでいますか?

伝統的な経済学においては、「人は自分への利益を最大化するために行動を選択している」と定義されています。しかし、実際の日常生活の中では、私たちは多くのことをなんとなく決めています。「人は完璧ではない選び方や行動をする」と想定した上で、リーマンショックなどの金融現象を分析しました。

経済学部は3年生からゼミに所属しますよね。何のゼミを選んだのですか?

国際経済学です。指導教員の安武先生は「100%理解すること」を前提に指導をされるので、ゼミの中では厳しい指摘も多々あります。しかし、私たちが積極的に学ぶ姿勢で臨めば、それにしっかりと応えてくださいます。指導が3時間にも及ぶこともありましたね。他のゼミ生も積極的に学ぶ人が多く、自主的な勉強会を通じ、助け合いながら研究を進めています。

卒業論文ではどのようなテーマを扱う予定ですか?

ゼミで学んできた内容からは少し離れますが、地方の財政問題を分析し、地方創生に対する考察を考えています。海外と比較しても、日本には財政問題が数多く散在しています。私たちの生活に直結するこの問題に対して危機感を持って考え、是正する方策を検討していくつもりです。

部活やサークルは何かやっていますか?

1年生の5月頃から、放送部と広大の広報誌『HU-style』の編集スタッフをしています。

放送部ではどのような活動をしてきたのですか?

毎年11月に開催されているホームカミングデーやコンサートの演奏会での司会、大学祭の生中継などを行いました。演奏会の司会では、演奏だけからは見えないその人の人柄、選曲までの思いをインタビューで伝えることを心がけました。自分が引き出した話で会場が湧いた瞬間は最高で、あの感覚を思い出すと今でも嬉しくなります。また、女子サッカーのスタジアムアナウンスのお手伝いをしたこともあります。選手名を読み上げたり、ゴールが決まった時にアナウンスしたりするのですが、読み上げる言葉が少ない分プレッシャーのかかる仕事でした。間違いなく終えられたときは、心の底からホッとし、達成感がありましたね。

フェニックスコンサート司会の様子

ホームカミングデー司会の様子

それでは、広報誌『HU-style』では、どんな活動をしているのですか?

特集ページの企画、研究者やOB・OGへの取材・原稿執筆などを行っています。『HU-style』は広大生向けの広報誌なので、常に周りの友達を意識して考えます。「どんなテーマなら興味をもって読んでもらえるか?」「どんなふうに広大生を取り上げたら面白いか?」…。こんなことを考えていると、ミーティングではあっという間に時間が過ぎてしまいますね。

これまで携わった企画・記事の中で特に印象に残っているものは何ですか?

38号(2014年7月発行)の特集「広大生ナニシテル?」ですね。広大にはたくさんの個性的な学生がいて、いろんな趣味や興味を持っていることをもっと伝えられたら…!と思い、この特集を企画しました。ポイントは、インタビュー形式ではなく、見開き2ページで約50人の広大生を紹介したこと。50人分の取材をスタッフで分担し、まとめることは大変でしたが、その分思い出に残っています。また、『HU-style』の活動を通して自分自身とても成長できたと思います。

どのような部分で成長できたと感じていますか?

「徹底的に下調べをする」という意識が定着しました。正直、1年生の頃は「インタビューなんてどっちに振れるか分からないから、とりあえず行ってみて相手の話を聞こう」という傲慢な考えでした。活動を重ねていく中で、下調べをするからこそできる質問がたくさんあることに気づきました。40号(2015年1月号)でアナウンサーの方への取材が決まったときは、その方の出演している番組を一通りチェックし、「こういうところに気を使っているのかな」と推測し、質問をぶつけてみました。準備のかいもあって、このときの取材はスムーズに進められたと思います。

留学は経験しましたか?

広大のSTARTプログラム*を利用して1年生の時にインドネシアのジャカルタへ留学し、2年生の時は台湾ショートビジット**(アジアにおける人権発展学習プログラム)で台湾へ留学しました。

*STARTプログラム:海外経験の少ない新入生が海外の大学やその周辺都市を訪問し、日本と異なる文化や環境を体験し、国際交流や留学への感心を高めるきっかけをつくるためのプログラム。

**台湾ショートビジット(アジアにおける人権発展学習プログラム):夏休みの約10日間、現地教員による講義、自己調査、そして台湾学生との交流の機会を提供するプログラム。

海外へ行ってみよう!と思ったきっかけは何だったのですか?

「新興国の発展」「日本の衰退」についての報道を見た時、それが本当なのか全然実感がわきませんでした。だったら、行ってみて、肌で感じてみるしかないか!そんな気持ちでインドネシアへの短期留学を申込みました。

インドネシアのホームステイ先での1枚

実際に留学してみて驚いたことは?

STARTプログラムのインドネシアが私にとって初めての海外経験でとても緊張しました。いざ現地の学生との交流する時になっても、何を話せば良いのか分からず焦っていました。そんな時、「君、『銀魂』(日本のギャグ漫画)知ってる?」と話しかけられ、意外な声かけにとても驚きました。日本人のファンでも分からないようなマニアックな話も通じ、どんどん会話が弾んでいきました。日本のアニメや漫画などのコンテンツがこんなにも海外の人に影響を与え、そして、交流のきっかけとなったことが想像以上に嬉しく、印象に残っています。この留学を機に、世界がどんなふうに日本を見ているのか、もっと知りたいと思うようになりましたね。

仲良くなった現地学生と「マジンガーZポーズ」

広大の「人」はどんな人が多い印象ですか?

温かく、誠実な人が多いと思います。自分は学生思いの先生にたくさん出会いました。入学した当初は、不安ばかりで悩むことも多かったです。「心理学」の授業を担当していた先生の人柄にひかれ、悩みを相談しました。学部も専攻も全く違うのに、温かく迎えていただいたことを今でも覚えています。また、指導教員の安武先生は私のことを本気で思い、考えの至らなさや情熱の足りなさを鋭く指摘してくださいました。時には涙することもありましたが、それが就職活動の助けにもなりました。

将来の目標について教えてください。

もともとテレビ局やマスコミに興味があり、自分も「人の心を動かすようなメッセージを発信したい!」と思っていました。また、短い期間ながら海外留学を経験したことで、「海外と同じくらい地方にも伝えるべき魅力やメッセージがあるのでは」と考えるようになりました。4月からは、地元のマスコミで働くことになりますが、今の気持ちを忘れず励みたいと思います。

今後の目標について、力強く語る安部さん

最後に、広大へ入学を考えている後輩に向けてメッセージを!

「首都圏で学んだ方が刺激がいっぱいある」と思う人もいるかもしれません。だけど、自分が動けばチャンスはいくらでも広げられると思います。まだやりたいことが見つかっていなくても大丈夫です。正直なところ、自分は受験生の頃「こういう学問が学びたい!」「こんな活動をしてみたい!」という明確な気持ちはありませんでした。しかし、広大には留学機会や学生が主体的に行う活動が多く、やりたいことは入学後でも必ず見つかります。自分から動けば、先生や大学の職員の方も全力でサポートしてくれます。広大で自分の興味のあることへ突き進んでみてください。

2015年9月8日 記事/広報グループ(Y)・写真/広報グループ(i)、取材場所/中央図書館


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