第20回 生き物好きの仲間たちと充実の日々!

生物生産学部水産生物科学コース3年 鬼村 直生(おにむら なおき)
<広島市立安佐北高等学校 出身>

「自然が大好き!」「魚の研究がしたい!」とかねてから志望していた生物生産学部に入学した鬼村さん。生き物好きの仲間と共に、やりたかった学問を存分に楽しんでいます。また、課外活動では親子向けの自然体験学習の開催にも力を注いでいます。そんな鬼村さんの受験のきっかけやキャンパスライフを紹介します。

広大の生物生産学部を受験したきっかけについて教えてください。

小さい頃から魚釣りが趣味でした。中学2年生の時に広大の生物生産学部の存在を知り、早速ホームページを見ると、魚を捕まえ、研究をしている写真があったんです。それを見て、自分の趣味が勉強や研究の対象になれば幸せだなと感じました。知れば知るほど生物生産学部が魅力的に感じ、それ以来ずっと広大の生物生産学部で、魚の研究をするのが夢でした。

中学生の頃からの夢!すごいですね。具体的に、生物生産学部のどのような点が魅力的に映ったのですか?

今もそうですが、当時から長沼毅先生らをメディアで見ていて、時代の最先端を走っている感じが好きでした。また、生物生産学部で学ぶ内容は、食料問題や地球温暖化などの解決に直結する重要なことだと思っていました。

他には、姉の影響も少なからずありましたね。広大に進学していた姉がアクティブにさまざまな活動をしているのを見ていて、大学の自由な雰囲気が伝わってきて…。生物生産学部だけでなく、大学全体としての魅力も感じていました。学園都市への憧れもありましたし、自然が大好きな僕にとって、東広島キャンパスのある西条は学生生活を送るにはぴったりの場所でした。「広大が好き」が全てにあてはまり、ずっと広大に入りたくてしょうがなかったです。

「中学生の頃から広大に入りたかった」と話す鬼村さん

鬼村さんはAO入試での合格ですよね。どんな対策をしたのですか?

生物生産学部の授業で使われている教科書を何冊か買って勉強しました。生物生産学部の模擬授業やひらめき★ときめきサイエンス(※)にも積極的に参加しました。大学や研究機関で実際に研究体験をしてみてモチベーションが上がりましたし、この経験が結果的にAO入試に生かせたと思います。

(※)研究機関で行っている最先端の研究成果について、小学生~高校生が、直に見る、聞く、ふれることで、科学のおもしろさを感じるプログラム。主催は日本学術振興会。

一般入試の対策はしていましたか?

はい、していました。AO入試に落ちた時のことも考えて…。AO入試に向けての勉強と一般入試に向けての勉強を同時進行でするのはしんどかったですが、大学に入学した後を想像しながらモチベーションを高めて頑張っていましたね。

憧れていた広大。実際に入学してみて、いかがですか?

点数で言うと、100点満点です!

100点満点とは嬉しい答えですね!広大のどんなところがいいですか?

広大は教育制度と研究施設が充実していると感じています。授業や研究の他にも、課外活動なども大学がバックアップしてくれることに満足しています。

「100点満点」と笑顔で答える鬼村さん

現在、どんなことを学んでいますか?

水産業の経済や漁業対象になる水産生物の生態と行動について学んでいます。養殖魚の病気や寄生虫ついての研究もしています。

鬼村さんは特に何に注目していますか?

貝類やエビなどの底生生物の外来種について研究しようと思っています。調査は地元の黒瀬川の河口で行う予定です。外来種の生態はまだ謎な部分が多く、外来種が他の生物に与える影響や、季節によって変動する生息場所を調査していきたいです。

授業で面白いことは何ですか?

何と言っても、フィールドワークの多さ!これが生物生産学部の醍醐味だといっても過言ではないです。研究はラボの中で行うイメージが強いですが、フィールドワークでは自然の中に入り、生き物を捕まえながら学びます。最近では、乗船実習で9日間の航海を経験しました。自分と同じ生き物好きの人と一緒に学べるのもうれしいですね。

実習船の外観

乗船実習で行う底質調査の一場面

表情が生き生きしていますね!鬼村さんの一週間はどんな感じなのですか?

午前中は座学、午後は実習と、平日は朝から夕方までみっちり授業が入っています。放課後は課外活動やバイトに時間を使っています。バイトは釣具屋と塾の講師をしています。

どんな課外活動を行っているのですか?

1~2年の頃は、東日本大震災の復興支援ボランティアをメインにしていました。多くのことを学び、活動は充実していましたが、「今度は広島で何かできることはないか?」「授業で学んだことを生かせる活動はできないか?」と思うようになりました。3年になる頃に、学部でメンバーを募って学生団体 チーム女子畑(おなごばた)を立ち上げ、今はこの活動に力を注いでいます。せっかく学んだことを自分たちだけで消化するのはもったいないので、学んだことを生かして地域に貢献していきたいです。

共に東日本大震災の復興支援を行ったボランティアメンバー

「チーム女子畑」ではどんな活動を行っているのですか?

はじめは、もう農業がされなくなって放置された耕作放棄地と呼ばれる土地を、東日本大震災によって広島県に避難している方と一緒に耕して農業をすることが主な活動でした。「身近にある自然の豊かさをもっと知ってほしい」という思いから、地域の子どもたちを招いて環境学習をするようになり、今では親子向けの自然体験学習を開催することも多くなってきました。子供だけでなく、親世代にも自然での遊び方を知ってほしいですし、最終的には僕たちがイベントを開催しなくても、積極的に自然で遊んでほしいと思います。

テレビ局の取材に応じる「チーム女子畑」のメンバー

自然体験学習では具体的にどんなことをするのですか?

参加者に干潟や無人島で生き物の観察や自然体験をしてもらいます。最近開催した回では、シーカヤックで瀬戸内海に浮かぶ無人島の柏島へ行きました。柏島では山登りをし、参加者には魚や生き物を捕まえたり、島で拾った貝でフォトフレームを作ってもらったりしました。柏島で捕まえた生き物はグリーンピアせとうち(呉市のホテル)の「まるごと水族館」の水槽に入れて、子どもたちに生き物の絵を描いてもらいました。

親子10組を対象とした干潟観察会の様子

シーカヤック体験の様子

「まるごと水族館」とは何ですか?

「まるごと水族館」の取り組みは、呉市市民公益活動団体Team JIN「仁」からの提案を受け、平成27年度広島大学地域連携推進事業の一つ(※)として実施しているものです。

環境学習と食育をテーマに、瀬戸内海で採取した魚を展示しています。この水族館では、自分で捕まえた魚を水槽に放すことができるのが魅力です。水槽の他には僕たちが作った魚にまつわるクイズコーナーもありますよ。

(※)実施テーマ「里海をフィールドとした環境保全活動及び親子向け自然体験学習プログラムのマニュアル化と実践」

まるごと水族館内

クイズコーナー

多くの子どもたちが来てくれるといいですね!今後の目標や夢は何ですか?

水産系の公務員を目指しています。自然と人、特に子どもたちと自然を結ぶ懸け橋になる活動を続けていきたいです。

最後に、広大を受験しようと考えている〝未来の広大生〟に向けて、メッセージをお願いします!

広大は自信を持って薦められる大学です。受験勉強で今は辛い時期だと思いますが、自分のやりたいことや大学に入った姿をイメージして、乗り越えてください。魚と広大で待ってます!

2015年9月17日 記事/広報グループ(F)、写真/広報グループ(i)
取材場所/生物生産学部ロビー、学生プラザ


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