第24回 心を折らずに、突き進め!

法学部3年 帖佐 宗信(ちょうさ むねのぶ)
<鹿児島県立鶴丸高等学校出身>

等身大の広大生の声を入学希望の方にお届けするコーナー『広大生の生の声』。第24回は、鹿児島県立鶴丸高等学校出身の法学部3年・帖佐 宗信(ちょうさ むねのぶ)さんです。

胴着姿が似合う帖佐さん。大学に入ってから、剣術の一つとされる「居合道」をはじめたそうです。インタビューでは、法律を学ぶ面白さ、広大ならではの楽しさ、受験勉強の心構えなどをたっぷりと語ってくれました。法学部を目指す人も、そうでない人も必見です。

早速ですが、なぜ広島大学を選んだのですか?

正直に言うと、本当は、海上保安大学校に行きたかったんです。小学生の頃から、海を守る海上保安官に憧れていて。海上保安大学校の結果が出た後に、広大の受験を決めました。地元の大学へ進むのも一つの選択肢でしたが、県外へ出て「新しい世界に触れてみたい」「価値観を広げたい」という気持ちが勝りました。

気持ちを切り替えて、広大を目指すことにしたんですね。急な志望校の変更、焦りはなかったですか?

第一志望が叶わなかったショックは正直まだ残っていましたが、「これまで勉強してきたことをやるしかない!」という気持ちの方が強かったですね。予備校では国立大学進学クラスに所属していたので、海上保安大学校に絞った勉強だけでなく、広大の二次試験にも対応できる勉強をしてきました。法学部の試験科目は、国語と英語。国語が得意だったこともあり、当日は意外と落ち着いて受験できたと思います。

なぜ法学部を選んだのですか?

海上保安官でなければ、公務員か法執行に関する仕事に就きたいと思っていました。大学で法律を深く学び、将来仕事で必要になるスキルを身に付けたいと思い、法学部を選択しました。

入学後、いざ法律の世界を学んでみていかがですか?

「法律」そのもののイメージがガラリと変わりましたね。法律といえば、「融通が利かない」「頑固」「冷たい」ものだと思っていました。でも実際に学んでみて、法律は意外と人間臭いものだなと。研究者によって学説が分かれている判例は数多くあり、なぜ意見が分かれるのかといえば、結局は「どのように法律を使うか」という解釈が、その人の価値観によって変わるからなんです。法律家にとって、“人間性”が一番大事なんじゃないかと思うようになりました。

「法律は人間臭い」と語る帖佐さん

なるほど、実際に学門に触れてみたからこそわかることですね。これまで受けた授業の中で、印象的だったものは何ですか?

いわゆるゼミ形式の授業です。学生が調べてきたことを発表し、学生同士が議論し、先生がアドバイスをしたり、疑問を投げかけたり。対話が重視される授業は、高校まではそんなに多くないですよね。もちろん、授業の準備はすごく大変ですが、他の人の考え方を知ることができて面白いです。

法学部カリキュラム。帖佐さんは、2年次に「公共政策」を主専攻プログラムとして選択。

法学部では3年生になると、ゼミに所属しますよね?

はい、吉中信人 教授の「刑事法」のゼミに入っています。入学後はどちらかといえば「憲法」に興味があったんです。憲法に定められた自由主義や民主主義の理念をどう守っていくのか。さまざまな思想から憲法の秩序を守るにはどうしたらよいのか。そんな課題に対して、「刑事法」の観点からアプローチしてみようと考え、吉中教授のゼミに決めました。今調べていることをまとめ上げ、卒論の一部にしたいですね。

 

今研究していることは資料が少ないそうです。「だからこそ、やりがいがある」と帖佐さん。

既に卒論の準備を進めているんですね!場合によっては、大学院進学も?

そうですね。調べれば調べるほど、学部の勉強だけでは足りないな…と感じています。社会科学研究科へ進学して、さらに研究を進め、将来は研究者になるのも一つの道かなと考えています。ただ、公務員になって、国や地域のために貢献したいという気持ちもあります。残りの大学生活で、焦らずじっくりと答えを出そうと思います。

さて、インタビュー開始時から気になっていたのですが、傍らに置いてあるのは竹刀ですか?

いえ、これは模擬刀です。居合道サークルに入っていて、この後、稽古があるんです。大学に入ってからはじめました。

居合道サークルのメンバー

居合道!はじめたきっかけは?

家系図を遡ると、どうやら先祖は武士。せっかく武士の血を引いているのなら、武士道の精神に触れてみたいと、思い切って挑戦しました。居合道は決まった「型」を覚え、それを披露するものです。剣道などのように、目に見える敵と対戦するものではありませんが、心の中の自分と向き合うため、型を一つするだけでもかなり体力を消耗します。

居合道の型を披露。刀を振りかざす時に発せられる声には迫力があります

勉強にサークルに充実した時間を過ごしているんですね!その他、広大に入って良かったことは何かありますか?

広大生の多くは、東広島キャンパスがある西条という街で一人暮らしをしているので、学生同士の距離感がすごく近いんです。サークルの後にみんなでご飯を食べに行くのも、誰かの家に集まって夜通し勉強するのも、比較的簡単です。この距離感こそが広大ならではだと思うし、すごく居心地がいいです。他学部の友達も増えるので、互いの専攻について教え合うのも楽しいですね。理系の話だと半分くらいは理解できませんが(笑)。でも、自分の知識や考え方に固執することがなくなり、視野が広くなったような気がします。

最後に、広大への入学を考えている後輩へ熱いメッセージをどうぞ!

何も受験に限ったことではないですが、「心を折らない」でほしいです。模試で点数が伸びなかったり、センター試験の結果がよくなかったり…と、心が折れそうになることは何度もあるはずです。それでも、時間はどんどん過ぎ、模試や試験が次々とやって来ます。「もうダメだ」と立ち止まらず、次の機会に向けて最善の準備することが大切です。とは言っても、これは簡単なことじゃないですよね。うまくいかない、そんな時におすすめなのが、大学生活をイメージすることです。『大学案内』などの冊子には、写真がたくさん載っていて、自分がそこで過ごしているイメージが湧いてきます。「大学入学」をゴールにするのではなく、「大学で何をしたいか?」を考えながら勉強することで、気持ちも乗ってきますし、受験が終わった後も意欲的に大学生活を送れるはずですよ。

2016年6月16日 記事・写真/広報グループ(i、G)
取材場所/本部棟会議室


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