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【研究成果】アンモニアから燃料電池自動車用水素燃料を製造



アンモニアから燃料電池自動車用高純度水素を製造する実用可能な技術の開発に世界で初めて成功し、アンモニアを原料とした水素ステーション(アンモニア水素ステーション)の実現に向け大きく踏み出しました。

内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「エネルギーキャリア」(管理法人:国立研究開発法人 科学技術振興機構【理事長 濵口 道成】)の委託研究課題「アンモニア水素ステーション基盤技術」において、国立大学法人 広島大学、昭和電工(株)、国立研究開発法人 産業技術総合研究所、(株)豊田自動織機、大陽日酸(株)は共同研究により、アンモニアから燃料電池自動車用高純度水素を製造する技術の開発に成功しました。

アンモニアはNH3で示されるように、多くの水素を含んでおりエネルギーキャリアとして期待されています。しかしながら、アンモニア水素ステーション実現のためにブレイクスルーしなければならない大きな技術障壁としては次の3点がありました。
(1)高活性高耐久性アンモニア分解触媒
(2)残存アンモニア濃度を0.1ppm以下にでき、再生が容易なアンモニア除去材料
(3)水素純度99.97%を達成できる精製技術

今回、世界トップレベルのアンモニア分解用ルテニウム系触媒の調製、アンモニア除去材料の作製及び水素精製技術を確立することにより、それらを用いたアンモニア分解装置、残存アンモニア除去装置及び水素精製装置を実証システムの1/10スケールで開発しました。これらの装置を組み合わせることで、世界で初めてアンモニアを原料とした燃料電池自動車用水素燃料製造が可能となりました。現在、当チームでは昭和電工(株)川崎事業所においてシステムの実証を行うべく、プロセスの検討を行っています。

今回の成功は、アンモニアを燃料電池自動車用水素燃料へ利用するための技術の大きな進展であり、将来、アンモニアを利用する燃料電池自動車用水素ステーションの実現が期待され、ひいてはCO2削減に大きく貢献することになります。

この技術の詳細は、2016年7月20日に日本科学未来館で開催されるSIPエネルギーキャリア公開シンポジウムで発表されます。

【お問い合わせ先】
広島大学 先進機能物質研究センター長 小島 由継
Tel:082-424-3904
E-mail:kojimay*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えて送信してください)


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