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【研究成果】ゲノム編集の効率が向上する分子機構を解明



広島大学大学院理学研究科・クロマチン動態数理研究拠点の拠点長・楯 真一教授らの研究グループは、ゲノム編集に使われるTALENタンパク質のDNA認識機構とゲノム編集効率が、TALENタンパク質の構造動態(構造ダイナミクス)に規定されることを、物理化学的計測と分子動力学シミュレーションを組み合わせて明らかにしました。TALENタンパク質DNA認識領域の構造柔軟性を向上させることにより、TALENはより長いターゲット配列の認識が可能となり、その結果としてゲノム編集効率を向上させることができるという分子機構を明らかにしました。

本研究成果は、ロンドン時間の11月24日午前10時(日本時間:11月24日午後7時)「Scientific Reports」オンライン版に掲載されました。

 

【本研究成果のポイント】

  • 生体の設計図であるゲノムを編集する技術(ゲノム編集技術)の利用が爆発的な勢いで進んでいる。しかし、応用面に注目が集まる反面、ゲノム編集過程に関わる分子がどのように働いているかに関する理解はほとんど進んでいなかった。
  • ゲノム編集技術の一つとしてTALENタンパク質を用いる方法がある。TALENタンパク質の従来型と改良型(Platinum TALEN)の分子構造および構造動態の違いを、物理化学的手法と分子動力学シミュレーションを用いて解析し、改良型TALENが従来型に比べ、高い構造柔軟性を獲得することにより、従来型よりも長いターゲット配列を認識することが可能になることを明らかにした。
  • 本研究を通して、TALENを用いたゲノム編集技術のさらなる高効率・高精度化を実現する分子デザイン法を提案した。この研究成果は、単にゲノム編集への応用のみならず、細胞核内にある膨大なDNA情報の中から特定の塩基配列を持つ部位を選択的に検出することを実現する技術としても展開できる。

【掲載論文情報】
<掲載雑誌>
Scientific Reports

<論文題目>
Non-RVD mutations that enhance the dynamics of the TAL repeat array along the superhelical axis improve TALEN genome editing efficacy

<著者>
著者:Naoya Tochio, Kohei Umehara, Jun-ichi Uewaki, Holger Flechsig, Masaharu Kondo, Takehisa Dewa, Tetsushi Sakuma, Takashi Yamamoto, Takashi Saitoh, Yuichi Togashi and Shin-ichi Tate*
*Corresponding author(責任著者)

<doi番号>
10.1038/srep37887

 

 

【本研究成果に関する問い合わせ先】
大学院理学研究科・クロマチン動態数理研究拠点 教授 楯 真一
Tel:082-424-7387 FAX:082-424-7898
E-mail:rcmcd*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に変換のうえ、送信してください)


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