大学病院 歯周診療科
助教 松田 真司
E-mail:matsudas*hiroshima-u.ac.jp
大学院医系科学研究科 歯周病態学研究室
教授 水野 智仁
E-mail:mizuno*hiroshima-u.ac.jp
Tel:082-257-5663 FAX:082-257-5664
(注: *は半角@に置き換えてください)
広島大学病院歯周診療科 松田真司助教、大学院医系科学研究科歯周病態学研究室水野智仁教授らのグループは、薬物性歯肉増殖症の発症に核内受容体NR4A1(*1)が関与していることを明らかにしました。
薬物性歯肉増殖症は3種類の薬(免疫抑制薬、降圧剤のカルシウム拮抗薬、抗てんかん薬)の副作用で、歯肉が腫脹する疾患です。決定的なメカニズムが不明のため、飲んでいる薬の変更や中止をするか、歯肉を外科的に切除する治療法しかありません。
核内受容体のNR4A1は皮膚や肺の線維化を抑えることが分かっていました。本研究で、シクロスポリン(免疫抑制薬)、ニフェジピン(降圧剤)、フェニトイン(抗てんかん薬)が歯肉組織のNR4A1の発現を抑制していることを見出しました。さらに、その結果として歯肉組織の線維化を引き起こしていることが分かりました。
今回の研究成果から、薬を変更することや、歯肉切除を必要としない治療法の開発が期待されます。
本研究成果は6月10日午前10時、「The FASEB Journal」に掲載されました。
図1.薬物性歯肉増殖症マウスモデル(右)
歯周炎モデルにシクロスポリンを投与することで薬物性歯肉増殖症を発症するモデル。
図2.薬物性歯肉増殖症モデルマウスのNR4A1の発現
歯肉中のNR4A1の発現が歯肉増殖症モデルでは減少していることを確認。
図3.薬剤による歯肉線維芽細胞のNR4A1の発現抑制
ヒト歯肉線維芽細胞をTGF-βで刺激することによってNR4A1のmRNA発現は上昇、その発現上昇は3種類の薬(シクロスポリン、ニフェジピン、フェニトイン)の投与によって抑えられた。
(※1) 核内受容体NR4A1
ステロイドやホルモンなどの受容体であり、リガンドが結合すると細胞質と核を移動して転写の制御等を行う。NR4A1はオーファン核内受容体の一つで、生体内でリガンドが同定されていない核内受容体
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掲載日 : 2021年06月10日
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