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  • 【研究成果】変形性膝関節症の力学的な病態解明に迫る!内側半月板が逸脱する歩行中の力を解明~半月板病態に基づく新規治療開発、効果的な予防に向けて~

【研究成果】変形性膝関節症の力学的な病態解明に迫る!内側半月板が逸脱する歩行中の力を解明~半月板病態に基づく新規治療開発、効果的な予防に向けて~

本研究成果のポイント

  • 内側半月板の逸脱(図1b)は徐々に増悪し、膝関節の衝撃吸収機能を低下させることで変形性膝関節症の進行や痛みに繋がりますが、その原因は不明でした。
  • 超音波装置と三次元動作解析システムを用いて、変形性膝関節症患者の歩行中に生じる半月板の動きと関節の負荷から、逸脱を増悪させる力学的特徴を発見しました。
  • 半月板が逸脱する力学的病態の解明によって、変形性関節症の新規治療開発や、発症および進行の効果的予防法の確立に繋がることが期待されます。

概要

  • 変形性膝関節症の進行に関与する、内側半月板を逸脱させる力学的特徴を発見しました。
  • 変形性膝関節症は、変形が進行すると自立した生活が困難になるため、原因となる半月板の逸脱(図1b)を予防することが重要ですが、この増悪原因は不明でした。
  • 本研究では、変形性膝関節症者と健常高齢者において、超音波装置と動作解析システムを用い、半月板の動きと関節の負荷を同時計測することで、歩行中に半月板を逸脱させる力を解明しました(図2)。
  • 変形性膝関節症者は、歩行中に地面を踏み込む瞬間(図3)に発生する力によって半月板が逸脱し、この力を効果的に減少させることが、関節変形進行や発症を予防する効果的な治療に繋がる可能性があります。
  • 本研究はイギリス時間の8月3日に「Knee」オンライン版に掲載されました。

参考資料

図1: 内側半月板逸脱の図を示す。正常に関節内に位置している半月板(a)、関節外へ半月板が逸脱している(b)。

図2: 歩行中に膝関節へ発生する力と内側半月板の動きを示す。赤矢印は踏み込む瞬間に膝内側へ発生する力(a)、力で半月板が関節外へ逸脱する動き(b)を示している。

図3: 各歩行段階に生じる半月板の動きを、超音波画像で示す。白矢印は内側半月板の逸脱量、歩行中に徐々に増悪し、赤点線の踏み込む瞬間において半月板が最も逸脱している。

論文情報

  • 掲載誌: Knee
  • 論文タイトル: Knee adduction moment is correlated with the increase in medial meniscus extrusion by dynamic ultrasound in knee osteoarthritis
  • 著者名: 石井 陽介 1) * , 石川 正和2), 中島 祐子 3), 高橋 真1), 岩本 義隆1), 橋爪 孝和1), 岡本 冴子1), 砂川 融4), 岡田 薫5), 高木 一也5), 安達 伸生6)
    1)    広島大学大学院 医系科学研究科 生体運動・動作解析学
    2)    広島大学大学院 医系科学研究科 人工関節・生体材料学
    3)    広島大学大学院 医系科学研究科 運動器超音波医学
    4)    広島大学大学院 医系科学研究科 上肢機能解析制御科学
    5)    コニカミノルタ株式会社
    6)    広島大学大学院 医系科学研究科 整形外科学
    *責任著者
  • DOI: 10.1016/j.knee.2022.07.011
【お問い合わせ先】

大学院医系科学研究科 生体運動・動作解析学

助教  石井 陽介

Tel:082-257-5417

E-mail:yishii77*hiroshima-u.ac.jp

(注: *は半角@に置き換えてください)


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