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ベトナムに新たな海外共創拠点を設立 — タイグエン農林大学との共同博士課程プログラムで農学・食品科学分野の高度人材育成に貢献 —

2024年10月4日、広島大学はベトナム・タイグエン農林大学との連携により、「広島大学グローバルキャンパス推進機構ベトナムオフィス」の設立を記念したイベントを開催しました。本イベントには、ベトナムにおける教育・研究活動のさらなる拡充を目指す重要な節目として、広島大学の越智 光夫学長、金子 慎治理事・副学長(グローバル化担当)、小池 一彦副学長(国際交流・日本語教育担当)、島田 昌之生物生産学部長、チャン・ダン・スアン グローバルキャンパス推進機構ベトナム拠点長をはじめ、日越の政府、企業、学術関係者等、多くの有識者が参加しました。

タイグエン農林大学で行われたベトナムオフィス開所式では、タイグエン大学のホアン・ヴァン・フン学長をはじめ、タイグエン省政府や大学関係者を中心に、およそ30人が参列するとともに、2024年10月に入学した4人の第一期生も参加し、オフィス設立の喜びを共に分かち合いました。参加者が見守る中、広島大学ベトナムオフィスとその看板のお披露目も行われ、今後このオフィスが日越の学術交流と産学官連携の拠点として活躍することへの期待が高まりました。
 

その後、ハノイの国家迎賓館で行われた祝賀会では、伊藤 直樹 駐ベトナム社会主義共和国日本国特命全権大使、ヴー・チ・マイ 在福岡ベトナム総領事、ラム・タイン・フォン ベトナム外務省北東アジア局副局長、小篠 春彦 JETROハノイ所長兼ベトナム日本商工会議所副会頭、菅野 祐一 JICAベトナム事務所長、山坂 哲郎 株式会社バルコム代表取締役社長兼広島大学千田塾会長、佐々木 智 サタケベトナム ゼネラルディレクターをはじめ、日越の政府、企業、学術関係者と本学の同窓生等、総勢50人以上が集まりました。このイベントの様子は、ベトナム国営放送のテレビ番組「VTC10」で放映され、広島大学とタイグエン農林大学の連携による国際的な人材育成の重要性が多くの視聴者に伝えられました。

(参考: VTC10放送)

まず、主催者代表として、本学の越智 光夫学長は、挨拶の中で、広島大学とベトナムの交流がこの数年で大きく深化していることを強調し、特に、2023年5月のG7広島サミットでのファム・ミン・チン首相との面会を通じて、広島大学がベトナムで進めている先進的な取り組みについて直接説明できたことが、大きな前進だったと述べました。また、タイグエン農林大学との共同博士課程プログラムは、本学が2023年に策定した「President 5 Initiatives for Peace Sciences -新しい平和科学(安全・安心を実現する「創る平和」)」の重点項目の一つである、「途上国の栄養改善に資する畜産業改革による食料安全保障」の一環として、持続可能な農業の発展に貢献するものであり、今後も多くの学生を受け入れ、ベトナムの未来を担うリーダーの育成に尽力していきたいとの意向を表明しました。

タイグエン農林大学のグエン・フン・クワン学長は、広島大学との連携がベトナム国内の高等教育と研究活動の強化に大きく貢献していることを称賛し、「農業と食品科学分野において、広島大学と協力して博士課程プログラムを推進できることを非常に光栄に思う」と述べました。また、両大学間のコラボレーションにより、ベトナム国内の学生が高水準の教育を受ける機会が増え、新たな研究成果を生み出すことができると期待を寄せました。

続いて、来賓を代表し、伊藤 直樹 駐ベトナム社会主義共和国日本国特命全権大使より、本学のイノベーティブな取組に対する敬意とともに、祝辞のお言葉をいただきました。伊藤大使は、ベトナムの文廟に刻まれた『賢材は国家の元気なり』という言葉を引用しながら、人材育成が国家の発展にとって重要であることを強調し、今後の活動に向けて力強いエールを送ってくださいました。また、2022年に発表された日越共同声明に基づき、両国の高等教育における協力が一層強化されていることにも触れ、広島大学とタイグエン農林大学の協力が持続可能な農業と食料安全保障の向上に寄与することに大きな意義があると述べました。

また、国家迎賓館での開催を支援してくださったヴー・チ・マイ 在福岡ベトナム総領事は、ベトナムにおける広島大学の教育・研究の取り組みが、両国の友好関係と経済的発展に寄与していることを称賛し、「今後もこのオフィスを中心に、日越間の文化的・学術的な交流がさらに深まることを期待している」と述べました。

最後に、本学の金子 慎治理事・副学長(グローバル化担当)兼グローバルキャンパス推進機構長は、閉会挨拶において、ベトナムオフィスの設立が本学の「海外共創」活動を推進する上で重要な役割を果たすことを強調し、今後、このベトナムオフィスを拠点に、スマートシティ、農業、半導体、カーボンニュートラルなどの分野で異分野融合の取り組みを進展させ、地域の課題に革新的な解決策を提供する意向を示しました。また、参加者に対してオフィスの積極的な活用を呼びかけるとともに、「産学官連携を通じてベトナムとの協力関係をさらに深化させていきたい」との展望を語りました。

現在、本学では、世界85カ国・地域から1,800人以上の留学生が学んでおり、そのうちベトナムからの留学生は66人で、3番目に多い国です。また、これまでに広島大学を卒業したベトナムの同窓生は400人近くにのぼり、ハノイとホーチミンには同窓会組織を設立しています。今後も、ベトナム政府機関、大学、そして民間企業との連携を強化し、優秀な学生を広島大学に迎え入れることで、両国の発展に寄与してまいります。

【お問い合わせ先】

広島大学グローバル化戦略グループ

Email: kokusai-group*office.hiroshima-u.ac.jp
(*は半角@に置き換えた上、送信してください)
 


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