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日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞に寄せて

 令和6年10月12日

広島大学長 越智光夫

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞のご受賞、誠におめでとうございます。平和を希求する精神を理念に掲げ、国際的な視野を持つ教養人の育成に尽力してきた広島大学の学長としても、この度の受賞を大変喜ばしく思っております。約70年にわたり「核兵器のない世界」の実現を目指し、被爆証言を通じて地道かつ粘り強く訴え続けられた日本被団協の活動に深く敬意を表します。

   日本被団協の発足に大きく貢献されたのが、本学名誉教授の森瀧市郎氏(1901-1994)です。広島高等師範学校教授として在任中に被爆した森瀧氏は、広島大学文学部で教授を務める傍ら日本被団協の理事長を務め、各国の核実験に抗議して原爆慰霊碑前に座り込むなど長年にわたり核兵器廃絶に向けた活動に取り組まれました。

   広島大学文書館では、広島県被団協草創期の貴重な事務局資料を受け入れたのに続き、森瀧氏のご家族から自筆原稿や活動資料など約1万点の寄贈を受けて目録を作る作業を進めており、数年後の一般公開を目指しています。

   各地の戦争で核兵器使用が現実味を帯びる中、この度の受賞が世界平和実現の一歩につながることを願ってやみません。平和を希求する広島大学では、この受賞を機に、平和を追求する思いを新たにするとともに、自由で平和な国際社会の実現と人類の幸福への貢献により一層取り組んでまいります。

 

 


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