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11月8日に中国地区国立大学附属学校連盟 中国地区国立大学附属学校PTA連合会 令和6年度広島大会の記念講演において、NHK 神戸放送局 出山知樹氏による「ヒロシマをつたえる」と題してご講演を頂きました。
この講演会につきましては広島大学創立75+75周年の記念事業の一環としても行われています。
出山氏は神戸市生まれ。金沢大卒業後、1992年、NHK入局。初任地は和歌山。その後、広島、東京、大阪でアナウンサーとして勤務し、中でも広島勤務は4回、計16年。現在は出身地でもある神戸放送局に在籍。NHK広島放送局赴任中に、原爆をテーマにテレビ・ラジオの番組を制作。被爆者のさまざまな思いを聞いた経験をもとに、2009年、自主映画『運命の背中』を製作、その後も原爆をテーマにした『ヒロ子の日記~原爆ドーム保存秘話』や『MEIKO~南方特別留学生との友情』などの映像作品を自主製作されています。
今回の講演では、出山氏が広島放送局勤務をきっかけに「8.6」とどう向き合ってきたか、そして取材を重ねるごとに多くの出会いがあり、取材だけでなく形として残していかなければという信念のもと、自主制作の映画を作られてきた経緯等をお話頂きました。講演の後半には、その自主制作映画である『MEIKO~南方特別留学生との友情』の上映とその解説を
していただきました。同題の絵本を題材に、著者の母明子さんの被爆体験と南方特別留学生たちとの交流(明子さんが被爆直後、広島大学の前身である広島文理科大学の校庭で留学生達と出会い、励まされながら一緒に野宿した)を紙芝居風の動画としてまとめられており、主人公明子さんのインタビューも織りまぜながら平和の尊さや国を超えてお互いを思いやる心についてより深く考えさせられる内容でした。
最後に、出山氏から「広島、長崎は人間が争った最終的な結果が示された場所である、それだけに広島、長崎で起こったことを伝えていかなければならない意味はとても大きい。私が広島に来た被爆 51 年にはすでに『風化』が懸念されていたが、本当に風化が進むと誰も『風化』と言わなくなる。『継承を』とよくいわれるが、脅すような中身だけでは子どもたちは避けてしまう。きっかけがあれば自分たちでどんどん調べていくということを取材を通して実感している。『何ができるかではなく、何をするかだ。』と被爆者の方に教えられた。」という話で締めくくられました。200 人以上の参加者で90分間時間いっぱいご講演いただきました。
広島大学は、2024年に創立75周年、その前史である75年も加えると150年の節目の年を迎えました。
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