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2025年3月1日、モンゴル国のバトムンフ・バトツェツェグ外務大臣が本学の霞キャンパスを訪問し、越智光夫学長と会談しました。会談には、バンズラグチ・バヤルサイハン駐日モンゴル国大使や井川原 賢在モンゴル日本国大使、本学の金子慎治 理事・副学長(グローバル化担当)、田中 純子 理事・副学長(霞地区・教員人事・広報担当)らも同席しました。会談では、広島大学とモンゴルの大学との連携強化や、モンゴルからの留学生受け入れの拡大について具体的な協議が行われました。
越智学長は、歓迎の挨拶で「広島大学は、原爆投下から4年後の1949年、世界最初の被爆地であるヒロシマに開学した「平和を希求する精神」を理念の一つ目に掲げている大学。中国四国地方を代表する総合研究大学であり、基礎科学や医学、工学、バイオサイエンスなど幅広くサイエンスの研究をすると同時に、教育学や文学、国際開発学など人文社会科学にも力を入れている。モンゴルの優秀な若者たちには、ぜひもっと広島大学に来ていただき、世界トップクラスの充実した研究環境において、勉学に励んでいただきたい」と述べ、モンゴルからの留学生の受け入れを歓迎しました。
バトツェツェグ外務大臣は、「本日は、モンゴルの旧正月(ツァガーン・サル)の元旦という特別な日。そのような日に、日本公式訪問の最初のプログラムとして広島大学を訪問でき、大変良いスタートを切ることができた。平和の象徴である広島を知らないモンゴル人はおらず、被爆80周年を迎える2025年は、モンゴルにとっても重要な年である。オフナー・フレルスフ大統領は、若者の教育を重視しており、特に地方の学生に対して海外留学を支援するプログラムを推進している。今後、広島大学ともさらなる交流を深め、多くの学生を派遣したい」と述べました。
表敬訪問の後、越智学長の案内で、広島大学病院を訪れ、診療棟に飾られている元横綱・白鵬関の優勝額を視察しました。この優勝額は、2013年春場所で白鵬関が全勝優勝を果たした際のもので、「患者さんに勇気を持ってほしい」という白鵬関の強い思いが込められています。
広島大学病院とモンゴル国立がんセンターは2018年に国際交流協定を締結し、専門医が現地で指導を行うなど、放射線治療分野での人材交流や技術支援を進めてきました。この取組を知った白鵬関は、協定締結式に特別ゲストとして出席し、2020年に感謝の意を込めて優勝額を寄贈しました。現在、この優勝額は広島大学病院診療棟に飾られ、病と向き合う患者さんに勇気と希望を届けています。バトツェツェグ外務大臣は、白鵬関の力強い優勝額を前に「白鵬関の偉業が、このような形で患者の皆さんを励ましていることに深く感銘を受けた」と述べました。
モンゴル出身留学生との懇談
本訪問に際し、広島大学に在籍するモンゴル出身の留学生5人との懇談会が開催され、留学生たちは、自身の研究活動や将来の展望について外務大臣に直接話す機会を得ることができました。バトツェツェグ外務大臣は、母国と日本の架け橋として活躍する彼らの貢献に期待を寄せ、学業の成功を願うとともに、両国間の人的交流の重要性を強調されました。
最先端の水素エネルギーに関する研究紹介
さらに、広島大学大学院先進理工系科学研究科の市川貴之教授による研究紹介が行われ、モンゴルにおける水素エネルギーの可能性や、日本との技術協力の展望について意見が交わされました。モンゴルは近年、水素エネルギーの活用に戦略的な関心を寄せており、日本の先端技術に対する期待が高まっています。
現在、広島大学には101の国や地域から2,078人の留学生が在籍し、そのうちモンゴルからは16人の留学生が学び、これまで78人の卒業生を輩出してまいりました。2018年にはウランバートル大学内に「広島大学モンゴルセンター」を設置するなど、両国の学術交流を積極的に推進しています。
今回の訪問は、広島大学とモンゴルとの関係をさらに強固なものとし、教育・研究交流のさらなる深化に向けた重要な一歩となりました。このたびの訪問を機に、本学とモンゴルの学生交流および教育・研究における連携がより強化されることが期待されます。
広島大学グローバル化戦略グループ