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2025年7月2日、ミライクリエにて片柳真理教授(大学院人間社会科学研究科)による特別講義「広島平和記念都市建設法と平和構築」および学生交流イベントが開催されました。今回の講義は、コロンビア・サント・トマス大学法学部の教員と学部生16人が本学を訪問するにあたり特別に企画されたもので、本学からも数人の学生が参加しました。
当日、サント・トマス大学の学生たちは講義に先立ち、東広島キャンパス内を散策し、豊かな緑に囲まれた環境を楽しみました。その後行われた講義では、英語を共通語とした混合グループによる活発で自由な意見交換が行われ、非常に活気あるイベントとなりました。
講義の中で片柳教授は、「広島は原爆による甚大な被害を受けたものの、憎しみではなく平和を願う気持ちをもって復興の道を歩み始めた」と述べました。続けて戦後の広島の復興過程をローカルな平和構築の視点から解説し、1949年に制定された「広島平和記念都市建設法」が復興の柱となり、平和都市としてのビジョン形成に大きく寄与したことを説明しました。片柳教授はこの法律が、国による復興支援を可能にしたのみならず、共有される復興のビジョンを示したことに触れ、広島が軍事的役割から転換し、核兵器廃絶と恒久平和のメッセージを世界に発信する都市へと生まれ変わったことに焦点を当てました。
これらの説明に参加者は深くうなずき、強い共感を示しました。被爆者の証言や国際的支援の重要性についても言及がありました。
質疑応答では、コロンビア・サント・トマス大学の学生を含む参加者から多くの質問が寄せられ、戦後の日本の安全保障政策や広島の国際的役割に関する関心の高さがうかがえました。講義の締めくくりに、片柳教授は日本被団協が2023年にノーベル平和賞を受賞した際の声明に触れ、被爆者の証言と核兵器廃絶への一貫した活動が評価され、「核のタブー」が危機に瀕する現状を世界に伝える意義が強調されていることにも言及しました。
本イベントは、広島の歴史と平和への歩みを改めて学び、文化や言語の違いを越えて参加者同士が活発に意見を交わす貴重な機会となりました。
キャンパスツアーの様子(法人本部棟 屋上にて)
講義後の集合写真
講義中の意見交換の様子
広島大学グローバル化戦略グループ