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【研究成果】慣性の法則破れる?粒子はまっすぐ進まない。

 先端物質科学研究科 量子物質科学専攻のホフマン ホルガ准教授の研究成果が,アメリカ物理学会の会誌「Physical Review A」に掲載されました。

 掲載された論文は、”Quantum interference of position and momentum: A particle propagation paradox(位置と運動量の量子干渉:粒子伝搬のパラドックス)”というタイトルで、ニュートンの第1法則、いわゆる慣性の法則に反する研究成果が得られました。

 ニュートンの第1法則によれば、自由空間中の粒子は常に直線に沿って動くはずですが、この法則は量子力学においてもまだ有効なのでしょうか?驚くことに、この質問に答えるのは極めて難しいのです。なぜならば、不確定性原理によって「運動中」の粒子を正確にとらえることができないからです。

 この論文では位置の状態と運動量の状態との量子干渉効果を利用して、ニュートンの第1法則に反する明白な証拠が3つの異なる時間における位置測定の統計から得られる可能性を示しています。3箇所の粒子の位置分布の理論的分析から、少なくとも粒子の8%が直線に沿って動いていないことがわかります。これは量子の干渉効果が結果的にニュートンの第1法則を破る可能性の最も顕著な証拠となりうることを示しています。

論文情報

  • 掲載雑誌
    Physical Review A
     
  • タイトル
    Quantum interference of position and momentum: A particle propagation paradox
     
  • 著者
    Holger F. Hofmann
お問い合わせ先

大学院先端物質科学研究科 准教授 ホフマン ホルガ (Holger F. Hofmann)

E-mail: hofmann*hiroshima-u.ac.jp (*は半角に置き換えてください)


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