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【研究成果】さまざまな癌において生成される分泌タンパク質(TIMP-1)が癌細胞の増殖促進を高めるしくみを解明

本研究成果のポイント

  • 本研究では、様々な癌において高発現しているTIMP-1(注1)という分泌タンパク質が、癌促進因子であるYAP/TAZ(注2)を活性化させ、癌細胞の増殖能を亢進させていることを明らかにしました。
  • 本研究により、新規のTIMP-1-YAP/TAZシグナル経路を標的とした癌の診断・治療法開発の可能性を見出しました。

概要

YAP/TAZは臓器の大きさの決定や細胞増殖において中心的な役割を担う癌促進因子です。癌でYAP/TAZは異常に活性化しており、癌細胞の増殖に大きく寄与していますが、その異常な活性化が生じるメカニズムの詳細は明らかになっていません。

広島大学大学院医歯薬保健学研究科 口腔顎顔面病理病態学研究室(高田 隆教授)の安藤俊範元助教を中心とした研究チームは、様々な癌において高発現しているTIMP-1がYAP/TAZを活性化し、癌細胞の増殖を亢進させていることを、詳細な分子機構と共に明らかにしました。今後、TIMP-1-YAP/TAZシグナル経路が癌の診断・治療に応用されうる可能性を見出しました。

本研究成果は、日本時間の2017年9月19日「Oncogene」オンライン版に掲載されました。

【用語解説】
(注1)TIMP-1(Tissue inhibitor of metalloproteinase-1)
 TIMP family(TIMP-1〜-4)の一つであり、分泌タンパク質である。

(注2)YAP/TAZ(Yes-associated proteinおよびtranscriptional co-activator with PDZ binding motif)
 がん抑制シグナル伝達経路であるHippo-pathwayのエフェクター因子であり、転写共役因子として働く。TAZはYAPのparalogueである。

癌におけるTIMP-1によるYAP/TAZ活性化の分子機構
様々な癌において、高発現するTIMP-1によるYAP/TAZ活性化(TIMP-1-YAP/TAZ経路)が診断・治療の標的となりうる可能性が示唆される。

論文情報

  • 掲載雑誌:Oncogene
  • 論文題目:Tissue inhibitor of metalloproteinase-1 promotes cell proliferation through YAP/TAZ activation in cancer
  • 著者:Toshinori Ando, Dyshafilia Charindra, Madhu Shrestha, Hanako Umehara, Ikuko Ogawa, Mutsumi Miyauchi, Takashi Takata*
    *Corresponding author(責任著者)
  • doi: 10.1038/onc.2017.321
【お問い合わせ先】
広島大学大学院医歯薬保健学研究科
医歯薬学専攻歯学講座口腔顎顔面病理病態学研究室
元助教 安藤 俊範

TEL:082-257-5632(可能な限りE-mailへご連絡お願いします)
E-mail:toando*ucsd.edu (*は半角@に置き換えてください)


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