広島大学広報室
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“生きた国宝”オオサンショウウオの保護をテーマに、第1回「広大きてみんセミナー」が12月24日、JR広島駅南口のサテライトスペース「広島大学きてみんさいラボ」で開催されました。小中学生から高齢者まで幅広い年代の約30人が駆けつけたほか、オンラインで約35人が参加。広島大学の専門家2人によるオオサンショウウオの起源と進化、外来種との交雑問題などの話題提供に続き、参加者からの質問も相次ぎました。
話題提供した三浦准教授(左)、清水准教授(右)
セミナーに聞き入る参加者
両生類研究センターの三浦郁夫准教授はオオサンショウウオのミトコンドリア遺伝子の解析を基に「日本のオオサンショウウオはかつて大半の集団を失い、ボトルネックを経験した」と指摘。遺伝子DNAの塩基配列を基にした音楽も披露しました。
オオサンショウウオの交雑の問題を取り上げた総合博物館の清水則雄准教授は、広島市の八幡川で捕獲した34個体のうち27個体が交雑種だった調査結果を報告し、「オオサンショウウオは人の手を介して移動していると考えられる。何千万年かけてできた自然を人が大きく変えてしまうことは決してあってはならない」と呼びかけました。
参加者からは「オオサンショウウオを通じて、分類や進化の面白さを知ることができた」、「交雑種を増やさないためには、"知る"ことが大事だと思う」、「貴重な両生類、貴重な命をこれからも守っていただけるとうれしい」などの意見がありました。
「広大きてみんセミナー」は2022年10月にオープンした「広島大学きてみんさいラボ」を基点として、広島大学の「知」を広く発信しようと計画。今後は、生物や環境問題から宇宙、先端科学、社会、医学など多様なテーマを取り上げる予定です。
- 「DNA音楽-科学と芸術の間を探る-」三浦 郁夫(理学部・両生類研究センター 准教授)
- 広島大学研究者ガイドブック(三浦郁夫 准教授)
- 広島大学総合博物館
- 広島大学研究者ガイドブック(清水則雄 准教授)
- 広島大学きてみんさいラボ