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2025年10月27日、エジプト・アラブ共和国教育・技術教育省(以下、「エジプト教育省」)のアブデル・ラティーフ教育・技術教育大臣及びハニー・ヒラール元高等教育・科学研究大臣ご一行と、株式会社スプリックス(以下、「スプリックス」)常石 博之代表取締役社長ご一行が本学の東千田キャンパスを訪問、本学の越智 光夫学長と会談しました。会談には金子 慎治理事・副学長(グローバル化担当)も同席し、今後の協力の可能性について意見交換が行われました。
学長表敬の様子
表敬訪問後は、小谷 和浩 文部科学省高等教育局主任視学官、湯崎 英彦 広島県知事、および松井 一實 広島市長のご臨席のもと、本学、エジプト教育省およびスプリックスによるAI・プログラミングの教育課程の教育協力に関する3者協定締結式が執り行われました。
記念写真(左から湯崎知事、ハニー・ヒラール元高等教育・科学研究大臣、アブデル・ラティーフ教育・技術教育大臣、越智学長、常石社長、小谷主任視学官、松井市長)
この協定に基づき、3者はエジプトの基礎教育改革を推進するため、国際基礎学力検定(TOFAS: Test of Fundamental Academic Skills)のうち、新たにAI・プログラミング科目の開発・導入体制を構築します。エジプト教育省はエジプト全国への導入と教育政策を推進し、広島大学は学術的妥当性の検証や教育評価に関する国際的知見を提供します。スプリックスはTOFASの評価ツール、デジタルプラットフォームの開発・運用、教育関係者の育成支援を担当し、3者連携により教育の質向上と国際的な評価基準の確立を目指します。
署名者からの挨拶では、越智学長がこれまでのエジプトと広島大学の協力の歩みを振り返りつつ、「これまで築いてきた信頼関係と連携の成果を基盤として、エジプトにおける教育改革と人材育成のさらなる進展に寄与することを心から祈念する」と力強く述べ、今後の発展への期待を表しました。
続いてアブデル・ラティーフ教育・技術教育大臣は「エジプト教育省と広島大学との初めての直接的な協働であり、民間企業・学術機関・政府の三者が一体となって取り組む、前例のないかつてない三者連携の誕生を意味する。この協力の中心にあるのは、エジプトの学生を対象としたプログラミング認定資格の開発という、極めて意欲的な取り組み計画である」と述べました。
また、常石社長は、「教育の成果を測る世界共通の物差しは未だ存在していない。その基準づくりを目指して国際検定(TOFAS)を開発し、算数・プログラミング分野の尺度を世界に広げてきた。広島大学の協力を得て、エジプトの子どもたちの教育に貢献する取り組みをさらに進めていく」と意欲を述べました。
司会を務めた桜井弘規氏
協定締結式の様子
協定書へ署名
協定締結
本協定締結は、本年8月に横浜市で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD)における越智学長とエジプト・アラブ共和国 アブデル・ラティーフ教育・技術教育大臣の会談の場で、大臣の協力要請を受け実現しました。また、スプリックスは、同時期にエジプト教育省と数学・ICTプログラミング教育分野におけるカリキュラム・教材の共同開発ならびに全国規模での学力評価導入に関する協力覚書を締結しており、本学はエジプト教育省およびスプリックスとの協力の可能性について協議を重ね、今回の3者協定の締結に至りました。
今回の表敬訪問および協定締結により、本学とエジプト教育省およびスプリックスとの間で、教育・研究における国際的な協力関係が一層強化され、エジプトにおける教育の質的向上と次世代を担う人材の育成が大いに期待されます。
ご挨拶(越智学長)
ご挨拶(アブデル・ラティーフ教育・技術教育大臣)
ご挨拶(常石社長)
【協定締結式後に寄せられたコメント(小谷 和浩 文部科学省高等教育局主任視学官)】
燦然(さんぜん)と輝くオリエント!
紀元前3000年に古代オリエント文明が生まれたことを高校生の私はこうして暗記しました。
高校の世界史で私たちは、まず、人類の文明が古代オリエント文明からはじまったことを学びます。私は、それ以来、その中核をなすエジプト文明、そしてその文明と文化を継承されてきたエジプトの皆様に、少なからず尊敬、畏敬の念を抱いてきました。おそらく、多くの日本の皆さんが、多かれ少なかれ、そうではないでしょうか。
この度、越智 光夫学長の長年にわたるご努力と卓越したリーダーシップにより、アブデル・ラティーフ大臣をはじめ関係各位のご協力を得て、この連携協定が締結されたことに心から敬意と感謝の意を表したいと思います。
また本日は、湯崎 英彦広島県知事と松井 一實広島市長にもお立ち会いいただきました。
文部科学省では、まさに今月初日に、地域大学振興室を設置しました。地域の大学振興にこれまで以上に尽力していきたいと考えております。その際、今後の18歳人口の急激な減少を視野にいれますと、当該地域の人材育成に十分に配慮した施策を展開するため、地域の皆様にお力添えをいただくことが不可欠です。日頃からの越智学長、湯崎知事、松井市長の連携の賜物かと存じます。
まさに、国際的な教育研究を展開していく大学としても、地域の課題から人類共通の問題まで、学問の力で取り組み、解決するイノベーションを創出していく大学としても、広島大学の今後ますますの発展が期待されます。そうした意味においても、今回関係されたすべての皆様に御礼申し上げたく存じます。
記念写真(来賓・出席者とともに)
広島大学グローバル化戦略グループ

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