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「倫理は追随ではなく先導すべき」―澤井努 特定教授がNature誌に寄稿、胚研究のあり方を提言―

英科学誌 Nature に掲載された Correspondence記事の中で、澤井 努 特定教授は、急速に進む技術革新の中で「先を見据えた倫理(anticipatory ethics)」の重要性を訴えています。(写真提供:澤井 努/広島大学)

 広島大学大学院人間社会科学研究科 澤井 努 特定教授による「急速に進む胚研究に、倫理の議論も対応していく必要がある(Ethics must keep pace with cutting-edge embryo research)」と題したCorrespondence記事が、英科学誌 Nature(Vol.646)に掲載されました。
 2025年8月、内閣府生命倫理専門調査会は、幹細胞から作製した精子と卵子を用いたヒト胚の作製を世界で初めて容認する方向性を示しました(https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/life/haihu160/sanko3.pdf)。この動きを受けて、澤井特定教授は、日本における倫理のあり方について、「後追い」ではなく「先を見据えて導く」姿勢が求められると主張しています。
 科学の進歩が社会の議論の速度を上回っている現状に懸念を示し、2018年遺伝子編集ベビー(gene-edited babies)誕生事件(※1)の教訓を踏まえ、積極的な倫理的対話の必要性を訴えています。「目的は科学を制限することではなく、先見性をもって導くことです」と澤井特定教授は述べています。

 記事全文はこちらから確認いただけます。
 

(※1) 遺伝子編集ベビー(gene-edited babies)誕生事件
中国の研究者がCRISPR-Cas9という技術を用い、HIVに抵抗性を持つ胚を作製する実験を行った結果、世界で初めて遺伝子編集を施した双子が誕生した事件。人の胚に対して高いリスクを伴う実験を行い、倫理的・法的な手続きを無視したとして、世界的な非難を招いた。

Correspondence記事について

【お問い合わせ先】

大学院人間社会科学研究科 人間総合科学プログラム 
上廣応用倫理学講座
担当:兼内 伸之介(特任学術研究員)
Tel:082-424-6594 FAX:082-424-6990
E-mail:shinnkan@hiroshima-u.ac.jp


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