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【研究成果】局所進行肺がんに新たな治療戦略 新規PAI-1阻害剤の医師主導治験を開始

 広島大学病院では、遠隔転移を認めない局所進行非小細胞肺がんのうち、根治手術が困難な患者を対象に、新規PAI-1阻害剤TM5614を用いた新たながん治療法の医師主導第Ⅱ相治験を開始します。

本治験のポイント

  • 令和8年度AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の臨床研究・治験推進研究事業に採択され、局所進行非小細胞肺がんに対する新たな治療法の医師主導治験を開始
  • 新規低分子医薬「TM5614」により抗腫瘍効果の増強と治療関連肺障害の抑制を同時に目指す
  • 広島大学を中心に中国・四国・関西・東北地方の13病院が連携して実施
  • 本研究の一部は、日本学術振興会J-PEAKSの支援を受けており、広島大学では今後も本支援により創薬研究を推進していきます。

背景・治験内容

 局所進行非小細胞肺がんに対する現在の標準治療は、化学放射線療法に続いて免疫チェックポイント阻害薬による地固め療法を行いますが、この治療によって肺がんが根治する患者は約25%にとどまっており、より有効な治療方法の開発が必要です。また、治療関連の肺障害による生活の質(QOL)の低下も課題となっています。
 TM5614は、PAI-1(Plasminogen activator inhibitor-1)の働きを抑えることで、抗腫瘍効果の増強と治療関連肺障害の抑制という二つの作用を併せ持つ可能性が示されています。
 本研究では、広島大学を中心に中国・四国・関西・東北地方の13病院が連携し、標準治療である化学放射線療法および免疫チェックポイント阻害薬による治療にTM5614を併用する医師主導医師主導第Ⅱ相治験を実施し、有効性と安全性を検討します。

用語解説

局所進行非小細胞肺がん: 肺にできたがんが周囲の組織やリンパ節に広がっているものの、遠くの臓器には転移していない状態の肺がん

PAI-1: 血液の線溶系を調節するタンパク質であり、がんの進展や治療に対する耐性に関与することが報告されています

TM5614:東北大学との共同研究により、非臨床、臨床試験により化学放射線療法、免疫療法の抗腫瘍効果の増強と肺障害の抑制効果という2つの作用を併せ持つ可能性が示されています

免疫チェックポイント阻害薬:がん細胞が免疫細胞による攻撃を逃れるしくみに働きかけ、免疫細胞の力を回復させる治療薬

治療関連肺障害: 肺に炎症やダメージが生じ、呼吸機能が低下する状態

J-PEAKS(地域中核・特色ある研究大学強化促進事業):地域の中核大学や研究の特定分野に強みを持つ大学が、その強みや特色のある研究力を核とした戦略的経営の下、他大学と連携等を図りつつ、研究活動の国際展開や社会実装の加速等により研究力強化を図る環境整備を支援することにより、我が国全体の研究力の発展を牽引する研究大学群の形成を推進することを目的としています。

【お問い合わせ先】

広島大学病院呼吸器内科
特定准教授 益田 武(ますだ たけし)
Tel:082-257-5196 E-mail:ta-masuda*hiroshima-u.ac.jp 

 (*は半角@に置き換えてください)


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