第37回 なりたいのは、「食べ物」を通して誰かを元気にできる人

等身大の広大生の声を、受験生・高校生のみなさんへお届けする『広大生、先輩インタビュー』。第37回は、教育学部 第四類 生涯活動教育系 人間生活系コース 4年の棚橋 ほのみ(たなはし・ほのみ)さん(徳島県立城南高等学校出身)です。フットワークが軽く、興味の赴くままに行動できる棚橋さんに、受験と大学生活のあれこれを聞いてみました。

インタビュアー: 「ええね広大!学生広報ディレクター」 山本 麻優子(教育学部4年)

裁縫、デザイン、調理…幼少期から「モノづくり」が好きだった

志望校、志望学部・学科を決めたのは遅く、高校3年の8月。広大のオープンキャンパスに参加し、志望校にすることを決めました。

興味のあることが多くて、受験する学部を決めることに時間がかかりました。2年生の頃には進路セミナーにも参加しました。幼少期からおばあちゃんと裁縫をしたり、高校では手芸部に所属したりとモノづくりが好きでした。文房具が好きでデザインにも興味があったし、調理の専門学校や保健室の先生とも迷っていました。

高3の8月、学科から大学を決めた

3年生になり、進路を決めなくてはいけなくなった時に、直感と、次の三つの動機から、この学科を受験することを決めました。動機の一つ目は、モノづくりが好きだから。工学部で扱うようなものではなく、「手の感覚」のようなものがしたかったんです。二つ目は、衣食住は人間の原点で普遍的なものだと思っているから。生活が安定しているからこそ勉強もできるんだと思います。そして三つ目が、高齢者について考えたかったから。田舎出身なので、過疎地域の多くを占める高齢者が幸せな生活を送れる方法に興味を持つようになりました。

学びたいことを決めると、大学はいくつかに絞れました。その中から、家政学が学べ、いろいろな免許が取れる広島大学を選びました。街の雰囲気が好きで、中学生の頃からなんとなく広島に行きたいとも思っていました。学科については、家政学が学べて、教育学部にありながらも幅広く将来を選択できるこの学科を志望しました。実際、私は中学校・高校の家庭科の免許を取得予定ですが、フードスペシャリストという資格も受験予定です。

アパレルの授業でブラウスを作成

アパレルの授業でブラウスを作成

先輩と染物体験(趣味の手芸)

先輩と染物体験(趣味の手芸)

「食べ物」の力で誰かを元気にしたい

卒業後は人材系の一般企業に就職予定です。人生の最終目標は「食堂のおばちゃんみたいな人」。はつらつと生きていて、「そんなに悩まんでいいよ!これでも食べていき」って、食べ物を通して人を元気にできる人に、私もなりたいです。

家政の授業でコーディネートした食卓

家政の授業でコーディネートした食卓

公園やお風呂でも?!勉強場所を変えてモチベーションを保つ

本格的に受験勉強を始めたのは、志望校を決めた高3の8月から。それまでは、授業を受け、ノートを取り、テスト勉強をしていました。「政治・経済」は、8月から勉強し始めました。

塾には通わず、学校の自習室で勉強して、先生に質問していました。お金をかけずに受験勉強しました。人がいないとやる気が出ないので、学校では朝から晩まで勉強し、家はオフの場だと割り切っていました。

モチベーションを保つために、壁に書いた目標を毎朝見たり、勉強場所を変えたりしていました。勉強場所の例としては、トイレや公園、お風呂の中。公園が好きで、子供の隣で古典単語を覚えていましたね。結構覚えられます。他には、移動中に英語の文章をウォークマンで聴いていました。

やり直しを丁寧にして、苦手を潰すという方法で勉強していました。10、11月に今のままでいいか不安になり、伸び悩んだ時もありましたが、同じ方法で乗り越えました。模試を解いて、間違ったところは解けるまで何回も解き直しました。苦手ノートも作っていました。

総合大学ならでは!他学部の授業も積極的に

広大に入学して良かったことは、総合大学なので色々な学部の授業を受けることができる点です。一人でも行動できるタイプなので、興味に沿って、生物生産学部や理学部の授業も受けました。先生方は他学部の私も寛容な心で受け入れてくださって、広大の先生はあったかいなあと思いました。

「ここで習ったことはきっと将来役に立つ」と授業で作った甚平を手に取る棚橋さん(左)

「ここで習ったことはきっと将来役に立つ」と
授業で作った甚平を手に取る棚橋さん(左)    

課外活動(フラワーフェスティバルで広島大学ブースを出展)

課外活動(フラワーフェスティバルで広島大学ブースを出展)

大学内で好きな施設は、あまり知られていませんが植物管理室や、学生プラザのアクセシビリティセンター、あとは図書館です。アクセシビリティセンターには、例えば耳の不自由な方を支援するための最新機器があり、興味深いです。

研究対象の安芸太田町中筒賀井仁地域。卒論テーマは、棚田の景観保全が過疎地域の高齢者の生活に与える影響について

研究対象の安芸太田町中筒賀井仁地域。
卒論テーマは、棚田の景観保全が過疎地域の高齢者の生活に与える影響について

受験生へ。 失敗してもいい、そして入学後は人と話そう!!

受験というライフイベントの経験は今でも私の糧になっています。目標を立てて、それを目指してストイックに努力すること。失敗してもいい、むしろした方がいいです。失敗しないで生きてきたら、行動力が鈍ると思うんです。人生における壁が出てきた時、恐れが増すし、別の道という可能性が見えなくなるから。

入学してからは、大学の良さであるたくさんの人と話すことをお勧めします。高校までは、自分の周りのほとんどの人が同じような経験をしているけれど、大学に入ると色々な背景の人がいます。心のバリアを開いて話すことは楽しいし、得られることも大きいです。

受験生は大変だと思いますが、一つのライフイベントだと割り切って頑張ってください!

取材を終えて一言

経験していることが幅広く、しかもそれぞれについて自分の考えを持っている棚橋さん。取材していて良い刺激を受けました。

「ええね広大!学生広報ディレクター」
教育学部4年 山本 麻優子

2017年11月17日 写真/広報グループ(Y)
取材場所/教育学部小会議室


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