第47回 どんなことにも挑戦!広島で夢をかなえる

等身大の広大生の声を、受験生・高校生のみなさんへお届けする『広大生、先輩インタビュー』。
第47回は、医学部医学科3年井上つぐみさん(県立広島高等学校出身)です。
勉学にボランティア活動にと忙しい毎日を送りながらも、趣味のダンスやサークル活動にも取り組み、楽しむことも忘れない井上さんのモットーは「やらないで後悔するより、やって後悔した方がいい」。高校時代の勉強方法やキャンパスライフについて語ってくれました。

広大を受験しようと決めたきっかけは何だったのでしょう。

高校時代に高校生平和大使として活動。今度は大学生サポーターとして高校生平和大使の活動を支援していきたいと広島を拠点に考えていました。
医師を目指したのは、広島県内の中山間地域の深刻な医師不足を知ったのがきっかけ。医師として地域の方々の支えになりたいと思い、広島県の地域医療を担う人材を育成する広大医学部医学科ふるさと枠での受験を決めました。

医師として広島の地域医療に携わりたいと語る

受験勉強はいつごろ始めましたか。

振り返ってみると、日々の学校の授業や課題をこなすことが受験勉強につながっていたと感じています。学校以外では、高校2年生の冬から予備校に通い、友人と22時頃まで勉強して帰宅するという生活を送っていました。高校の先輩がチューターとして在籍していたので、分からないところを質問したり、進路について相談できたりしたのが特によかったです。高校3年生の夏に参加した2泊3日の予備校主催の勉強合宿では、朝早くから夜遅くまで仲間と勉強に打ち込んだので、受験生としての自覚が強くなりました。自分自身が成長することができたと感じています。

受験勉強で、大変だったことは何ですか?

高校1年生の時は、高校生平和大使としての活動と勉強との両立が難しく、深く理解せずに学習を進めていたところも多くありました。高校2・3年生で1年生の時の復習もしつつ、新しく学んだことの学習も進めていくのに苦労しました。

広大に入学して良かったことを教えてください。

アメリカ留学時に大学構内で(左端が井上さん)

たくさんありますが、学習環境が整っていることだと思います。私は医学部医学科ふるさと枠という入学者選抜で入学したので、担当教員のサポートがとても手厚いです。例えば、日々の試験勉強について教員自身の学生時代の経験も踏まえたアドバイスを受けることができ、卒業後の進路についても低学年の頃から詳しく説明してもらえるので安心して大学生活を楽しめています。また、広大の留学プログラムで大学1年生の夏休みにアメリカ、春休みにスペインに留学しました。アメリカでは大学の寮でルームメイトとルームシェアをし、一緒に授業を受けたり、ショッピングモールや商店街に出かけしたりしました。現地の授業で印象に残っているのは、地理の先生が個性的だったのと、学生がとても積極的で、熱血的な授業が行われていたことです。

現在勉強していることを教えてください。

現在は、各診療科の疾患について学ぶ「臨床医学」の学習をしています。各疾患について、どのような背景があって発症したのか、診断に必要な検査や所見はどのようなものがあるか、どのような治療を進めていくのかなどについて学んでいます。具体的には、「消化器内科」「循環器内科」「眼科」「皮膚科」「小児科」など各診療科に分かれて授業が行われ、毎週のように試験を受けています。例えば、小児科の授業では実際の患者さんのデータを用いて、どのような疾患が考えられるか、グループに分かれて議論し、さらにその疾患であると診断するためにはどのような検査を追加で行うべきかなどについて調べて発表するという授業もありました。また広大医学部の特徴的な授業として、4年次の「医学研究実習」が挙げられます。学内外の研究室に配属され研究実習を行いますが、4か月間という他大学と比較すると長い期間が設けられています。私は来春から長崎大学原爆後障害医療研究所で被爆者の骨髄異形成症候群について研究する予定です。

授業がある平日のスケジュール

7:00 起床 電車と自転車で大学へ
8:40~12:00 授業
12:10~12:40 ふるさと枠の学生が参加するふるさとセミナーに出席、昼食
12:50~14:25 授業
14:25~14:35 友人と大学内のコンビニへ
14:35~16:10 授業
17:30~19:00 習い事のダンス
20:00 帰宅
20:10~ 家族と夕食
21:00~22:00 アルバイト(家庭教師)
22:00~ 自由時間、試験対策など
24:00~ 就寝

重要事項を書き込みながら、理解を深める

学業以外の大学生活について教えてください。

大学では、バトミントンサークルと茶道部に入っています。大学1年生の夏に参加した合宿では、川遊びや花火をしたり、釣り堀で釣った魚を食べたりと楽しい思い出ができました。
また小学校1年生からダンスを習っていて、今も続けています。先日、ダンスコンサートにも出演しました。
ボランティア活動については、高校生平和大使の経験を活かしたいと、大学1年生の時に広島市の被爆体験伝承者の養成事業に応募し、被爆者である川本省三さんの被爆体験を受け継ぐ「伝承者」になるための研修に毎月参加しています。

K-POPダンスの発表会にて(下段左端が井上さん)

川本さんと平和記念公園で

井上さんが平和に関する活動について興味をもたれたきっかけは何なのでしょう?

高校生平和大使として活動していた広島高校の先輩から話を聞いたことがきっかけです。中学3年生の頃から高校生平和大使が国連に届ける署名活動に参加しました。高校1年生の時に第18代高校生平和大使として広島から選ばれ、国連欧州本部で行われた軍縮会議でのスピーチもさせていただきました。厳かな雰囲気の国連会議場の場で、日本政府代表団の一員としてヒロシマ・ナガサキの被爆者の方々の願いを発信したり、各国の軍縮代表の方々に来広を呼びかけたりした情景は今でもよく覚えています。

最後に、広大を目指す受験生へメッセージをお願いします。

日々の授業に、予習復習、週末課題や小テストと様々なタスクをこなす受験生は本当に大変ですし、一人では辛いこともあるかもしれません。そんな中でも、一人で受験に臨んでいるのではなくて、クラスの仲間や先生方と共に乗り越えるという意識を持って受験に臨んでほしいです。実際に私も一人で勉強するよりも大学合格という同じ目標を持っている仲間と勉強した方が効率が上がり、より勉強に集中できていました。実際には、朝早く学校に行って始業前に教室で勉強したり、塾の自習室を積極的に活用したりしていました。努力を続けていく中で、いくら努力しても思うように結果を出すことができないこともあると思います。そんな時は適度に息抜きをしたり、先生や先輩にアドバイスをもらったりして気晴らしをすることも大切です。
受験に対して主体的になって、自分にはどんな夢があるのか、夢を実現させるためにはどの大学の学部に進学すればいいのか、進学するためには今の自分に何が必要なのかと自分の夢から逆算して、自分がするべきことを考え、取り組んでほしいです。きっと熱意のある受験生には先生方も家族も手厚くサポートしてくれると思います。皆さんの将来の夢の実現を応援しています!

霞キャンパスのお気に入りスポット

取材後、茶道部の活動へ

 

2021年11月 取材・写真/広報グループH
取材場所/霞キャンパス


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