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科研費「特別推進研究」に内定 —クォーク物質創世とフォトン物理—



記者発表を行う杉立教授

宇宙誕生の謎に迫る世界最先端のクォーク物質探索研究に着手



 平成18年度文部科学省科学研究費補助金の特別推進研究に、本学から申請した「クォーク物質創世とフォトン物理」(研究代表者:理学研究科 杉立徹教授)の採択が内定しました。

 今後、杉立教授らは、素粒子と宇宙物理を融合する世界最先端のクォーク物理学研究をさらに推進します。これにより、宇宙開闢以来、初めて作られた物質である「クォーク物質」の実態の解明はもとより、宇宙誕生直後、僅か10万分の1秒後の極初期宇宙に起こった時空発展のダイナミクスを解き明かす有力な手がかりを得ることが期待できます。



 杉立教授らは、これまでも、ビッグバン直後の極初期宇宙状態の実験的研究を通して、物質の根源的要素であるクォークとグルーオンからなる新しい物質状態が、ほぼ「完全な」流体としての性質を示すことを発見し、昨年4月に公表しました。これは、ごく初期の宇宙が「液体」の状態であった可能性を示すものとして注目を集めたところです。



 今後、平成18年から19年にかけて、スイスやロシアなどの研究者と国際協力のもとで世界最高性能の光子検出器の建設を進め、平成20年からは、ビーム実験期間中に極初期宇宙状態を再現するクォーク物質を創成し、その性質を明らかにし、「宇宙の初期は液体?」と問われた疑問に答えていく予定です。

 なお、補助金は、平成18年度から5年間で総額3億1千万円の予定です。



※特別推進研究は科学研究費補助金のうち、「国際的に高い評価を得ている研究であって、格段に優れた研究成果をもたらす可能性のある研究」を厳選して文部科学省が助成するものです。



【お問い合わせ先】

広島大学大学院理学研究科 教授 杉立徹

TEL 082-424-7376 FAX 082-424-0717

E-mail sugitate@hiroshima-u.ac.jp


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