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本学教員による広島夕学(せきがく)講座を開催しました (11/2)



平成24(2012)年11月2日(金)、「素粒子物理学とはなんだろうか?~宇宙創生の謎とビジネスの関係は?~」と題し、高橋 徹 准教授による講演を開催しました。



はじめに、講演の3つの柱について紹介がありました。

(1)素粒子物理学って何? 

(2)なぜ素粒子物理学?

(3)どうやって進める?

その導入として、話題の「ヒッグス粒子」について説明がありました。2012年7月4日に、欧州合同原子核研究所(CERN)からヒッグス粒子を発見したのではないかという発表があり、全世界で大きく報道されたことをご記憶の方も多いのではないでしょうか。今年は物理学のメモリアル・イヤーなのです。



素粒子物理学の起源は紀元前、古代ギリシャの哲学者たちの思想までさかのぼります。しかしそれらは頭で考えた仮説であり、近代科学は、客観的記述を旨として、ただ考えるのではなく、実証することが求められているのです。



素粒子とは物質を構成する最小単位のことです。私たちは原子の存在だけでなく、その構成要素の「電子」や「陽子」「中性子」も知っていますが、1960年代に「陽子」「中性子」よりさらに小さい要素(クォーク)が発見されました。



ところで、この素粒子を非常に高いエネルギーの状態で衝突させると、宇宙誕生直後の状態を再現することができます。つまり、小さな素粒子の世界を探ることは、宇宙の始まりを探ることになるのです。望遠鏡でも宇宙を探ることはできますが、宇宙創生の様子を観測することはできません。そのために最先端の加速器、測定器などを設置した大規模な実験施設が開発されてきたのです。



とはいえ、素粒子物理学は今すぐ役に立つものではありません。では、なぜ研究するのでしょうか。それは知的興味を満たすため。ですが、研究過程で「GPS」「医療機器」「インターネット」が作り出されたことも忘れてはなりません。



講演の最後は、ヒッグス粒子を精密に測定する国際リニアコライダー(ILC)の日本誘致を目指しているというお話で締めくくられました。国際的な研究拠点の誘致は、次世代を担う研究者を育てるための仕掛けでもあるのです。



かなり専門的な内容でしたが、数式のないプレゼンテーションと、粒子命名などの裏話、楽しいアニメーション満載で、素粒子研究が宇宙誕生の謎の解明につながり、さらに、私たちの暮らしに必要な機器やシステムにもつながっていること、また、知的興味を追求することこそ人間の本質であり、このことがもたらす恩恵は思いがけず、また量り知れないということを知ることができました。



広島夕学講座のページは
こちら

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